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「瀬戸内寂聴99年生きて思うこと」少し疲れた心を潤すオアシス映画

2022年5月15日、Fan's Voiceさんからオンライン試写会にご招待いただき、試聴しました。
(@fansvoicejp)

この映画は、作家瀬戸内寂聴さんを当時TVドラマのデレクターだった中村裕さんが撮影インタビューした17年間の記録です。最初は国民的作家を目の前に尻込みしていた裕さんですが、次第に寂聴さんに心を開き、「死」についても考えを交わすようになります。

★自身の祖母と面影や性格が酷似★

身内の話で恐縮ですが、寂聴さんと父方の祖母はその笑顔がそっくりでした。その法話を幼い頃に母と一緒に聴いて、引き込まれることがしばしばあり、試写会に応募しました。

★中村裕さんとの親交と晩年の寂聴さんの心模様★

中村さんが寂聴さんに自身を取材者として受け入れてくれた理由を問うと、「ただただいたから」と返答が返ってきます。
「一人でいることは寂しいことではなく、むしろ(想像力が湧いて)豊かに感じる」と寂聴さん。裕さんは「見知らぬ土地で一人で逝く客死」に憧れているとその死生観を明かします。
「目に見えないものが大切」と法話で説く寂聴さんは、晩年「裕さんに最後にいてほしい」とまで裕さんに言い残します。裕さんとは心と心とで繋ぎあう、男女の関係を越えた間柄だったことが伺い知れます。

★寂聴さんの心に残る言葉★

2011年の東日本大震災時の岩手県での法話で、震災で一人亡くなった夫のことを悲しむ女性との対話が非常に印象的でした。「亡くなった人の霊は、あなたのそばにいる。魂を守ってくれるのよ」と説き、二人は手を取り合うのでした。ここで私は亡くした母や父を思い出し、号泣してしまいました。そして寂聴さんの言葉が、同時に生きていることへの不安や死ぬことの恐怖は杞憂であることを気づかせてくれました。
また、まだ若い頃の法話のなかで「皆死ぬの。あの世は三途の川を船で渡ると言われていたけど、今はフェリーで皆で渡りましょう。題して寂聴極楽フェリーの旅(笑い)」と話されていて、私自身、心から笑うことができ、リラックスすることができました。

★「情熱のないところに、いい仕事も恋愛も起こらない」★

「自分に情熱を掻き立てないとダメ。生きようと思ったら行ったら怖いと思った方へいった方がいい」と裕さんに話す寂聴さんは、「雷に打たれような、逃れることのできない恋愛が人間を一番成長させる」とやはり人生において恋愛が至上だったようです。
あまり瀬戸内寂聴さんの小説をこれまで読んでこなかったのですが、この映画をきっかけにどんどん読んでみようと思いました。

コロナ禍や人との関係に少し疲れた私には、すごく元気づけられる一作でした。5月27日(金)全国ロードショー!

#瀬戸内寂聴99年生きて思うこと
#瀬戸内寂聴  さん
#fansvoicejp

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