ゲーム実況とゲームの切っても切れない関係性について思うこと。
皆様、こちらのポストが話題になっている件を知っていますでしょうか?
飯島多紀哉さんはゲームクリエイターであり、シナリオライターです。
有名ゲームクリエイターの1人で界隈で知らない人はいないでしょう。
多数のヒット作品を世に送り出しています。
そんな飯島さんがしたポストはゲーム実況のルールを守らない人に対しての憤りでした。
ゲーム実況は今やYouTubeやTwitchでメインストリームのコンテンツになっています。ゲーム実況を見てゲームを知る事も少なくはないかと思います。
しかし、たびたびこのゲーム実況とゲームの関係性についてはSNS上で議論されてきました。
音楽や映像は著作権で守られて、さらには収益分配のシステムが導入されていますが、ゲームに関してはそういった仕組みはありません。
■7/30追記:ゲームも著作権で守られています。こちら間違った記載をしていましたので訂正いたします。
正しくは、「ゲームも著作権で守られていますが、音楽の様に収益分売のシステムが導入されていない」でした。
今もゲームが音楽の様に他人が使えば収益がそこから分配されるようになっていないのか不思議に思っています。
そこで、僕なりにゲーム実況とゲームの関係について記事などを踏まえて整理していきたいと思います。
ゲーム実況に関するネガティブな話題ですので、ゲーム実況自体がゲームの売り上げに貢献するのかどうかも含めて過去の記事を参考にして行きたいと思います。
※あくまでも僕個人の見解です!
10年前の記事ですが、こういう記事がありました。
この記事ではゲーム実況によりゲームの売り上げは伸びるというデータが出ていました。現在ではこの数字と同じ効果があるかは分かりません。
実況による良い効果も全くなくはないという印象も受けます。
最近でいうと実際に、パラノマサイトというゲームはゲーム実況のおかげで良い効果が出たという記事もありました。
とはいえ、今回の飯島さんのポストの様に、ゲーム実況のルールを守らない人がいることも問題です。
アトラスやスパイクチュンソフトのような大手ゲーム会社は、ゲーム実況を禁止する方針をとっているところも見受けられます。
しかし、インディーゲームに関しては少しでも周知を広げたいという思いから、実況を許可している方もいる印象。
今やゲーム開発は中身をどう良い物にするかだけでなく、いかに人に知ってもらうかも企画の一部として考えなければならないほど、認知や購入意欲を高めることが切り離せない関係になっています。
ゲーム実況は認知の部分ではかなり重要な部分を占めていると思います。上記のバンダイナムコ原田勝弘氏が言う様に開発の時点で「実況プレイ時に便利な機能をあらかじめ搭載しておく」などの施策も盛り込まれて制作されているほど。
最近で言うと、大ヒットしたウーマンコミュニケーションや8番出口などは「実況映え」するゲームと言えるかもしれません。
売れるゲームはこういった実況を意識した作品、もしくは結果的に実況映えする様な作品がヒットしている様にも感じられます。
もちろんこれは一つの見え方でしかなく僕個人の主観でしかありませんが……(汗。
ともあれ、飯島さんの切実な思い。考え。叫びは僕らインディーゲーム制作者にとっても他人ごとではありません。
ルールが破られて売り上げが伸びず、辛い思いをする人が増えて欲しくはありません。
ゲーム実況は、ゲームがあってこそ成り立つコンテンツです。
制作者が実況を禁止している場合は、そのルールは守られるべきです。
かつて、15年ほど前のニコニコ動画黎明期に盛り上がったゲーム実況動画は、ルールもなにもない状態でいろんな方が動画を上げていました。
そういったグレーな所から生まれた文化ですが、ここ最近になってゲーム実況そのものに市民権が得られて広く広まって行きました。大手ゲームメーカーが実況者に案件を振る事ももやは当たり前な時代。
ルールが整備されてきたとはいえ、今でもまだその最初期の文化や精神性、流れの様な物を心のどこかに持つ、もしくはそういう空気を感じている”一部のゲーム実況者”の方がいらっしゃるのではないでしょうか?
大半のゲーム実況者さんはルールを守って配信されているとは思います。しかし、飯島さんのようにルールが守られず、辛い思いや悔しい思いをしている開発者の方さんも少なからずおられると思います。
ゲームとゲーム実況はそこに信頼が無ければ成り立たないと思います。大手とか無名とかは関係なく、クリエイターが制作したものには敬意を払うべきですし、リスペクトし合う関係であるべきだと思います。
ゲーム実況が悪ではないと思います。
ルールを守らない人が悪なのです。
このままでは関係性が崩壊し、どちらにとっても望ましくない未来が訪れると考えてしまいます。僕はそんな未来は嫌です。
僕らは今、"ゲーム実況"と"ゲーム"の関係を改めて見直す転換期にいるのではないでしょうか?
今までもこういったポストが話題になる事はあったかと思いますが、ずるずると変わらずに来てしまった結果が起こってしまったのではないでしょうか。
開発者は毅然とした態度を示し、実況者の方はリスペクトを持って、1人1人が向き合い方を考えていかなければならないと感じました。
とはいえ、僕個人が何か出来るわけではないので、難しい問題だとも感じています……。
どうか今後ゲーム開発者さんが悲しい思いをしないで済む世界になって行って欲しいです。