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ヘブン&エール / Heaven & Ale

デザイナー:Michael Kiesling, Andreas Schmidt
アートワーク:Christian Fiore
出版社:eggertspiele, Arclight
プレイ時間:60~90分
プレイ人数:2~4人

参照:BoardGame Geek

■ゲーム内容

修道院で農作物を作って、より良いビールを作るゲームです。なんでも中世の頃から修道院では保存の効く飲み物として、ビールが作られていたようですね。

酒が飲める。

さて、ゲームのメインは毎ラウンド、円環になったコースを好きなだけ進めて、止まったマスに応じたアクションを行います。良くある「どこまで進んでもいいけど、後戻りはできない」やつですね。大きく分けるとアクションは、「タイルの個人ボードへの配置」「決算」「目標達成」の3種類です。

タイルの配置はこのゲームのメインとなるアクションで、コース上に置かれたタイルをお金を払って個人ボードに配置します。タイルは2種類あり、各種農作物のタイルと修道士のタイルがあります。

個人ボードは半分が『昼』、もう半分が『夜』となっており、夜のエリアに置かれたタイルは、決算時に収入としてお金をもたらし、昼に置かれたタイルは農作物の価値を高めます。配置コストも昼と夜では異なり、勝利点に直結する昼エリアに置く方がコストが高いです。すなわち、夜エリアにある程度配置して収入を得ておいて、昼エリアに展開していく感じです。

獲得したタイルを収入にするのか、農作物の価値を高めるために配置するのか、どこでそれを切り替えていくのかを考えていくのが、このゲームの面白さの1つだと思います。

水、ホップ、大麦、酵母、木材と上げないといけないパラメータは結構多い。

もう1つの面白さが出来そうでできない決算です。決算マスにはディスクが置かれており、毎ラウンド決まった場所、決まった数しか置かれません。タイルと同様、決算も早取りなんですね。決算には「同じ数字のタイル」、「選んだ農作物」、そして「選んだ種類の修道士の周囲」があり、それぞれの決算は一度ずつしか出来ません。出来れば良い準備をした上で、決算といきたいところですが、ディスクは早取りなので「あのタイルを取って、大麦の決算をしたいけど、Aさんが先に決算取るかもしれない…」と言った感じのジレンマに苛まれます。特に後半はみんな決算したくてしょうがなくなるので、このジレンマは強くなりますね。個人的には、この駆け引きがとても良かったです。

各種農作物のパラメータは、最終的にならされる(最上位を3つ下げて、最下位を1つ上げるみたいな感じで1つのマスに集約します)のですが、基本的に高いものを多めに下げないといけないので、なるべく平均的上げていかないと、意外とビールの得点が低い、みたいな事が起こります。もちろん、その変換効率や素点を上げる仕組みもあるのですが、それも農作物と一緒で、少しずつ上げていかないといけないので、これまた大変です。

■遊んだ感想

どこまで準備をして、どこで決算を取るのか?そこに立ちふさがる早取りロンデルの恐怖。

ビール作りと言うよりは、決算で各種パラーメータを上げていくゲームと言う感じなのですが、他のプレイヤーとの早取りのインタラクションが非常に悩ましく面白い作品です。プレイ時間は2時間級のゲームなのですが、やれる事はシンプルなので、比較的ゲームに慣れてきた方なら楽しめると思います。

ちなみに拡張が入るとビール配達と言う新たな得点行動が増えるのですが、結構得点が大きいのでさらに戦略性が高まる気がします。


ルールの複雑さ  :★★★★★★☆☆☆☆
駆け引き     :★★★★★★★★☆☆
運の要素     :★★★★★☆☆☆☆☆
おすすめ度    :★★★★★★★☆☆☆
自分は好きですけ度:★★★★★★★☆☆☆

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