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適切にNOや怒りを表現する大切さ〜境界線を引き、私からサイクルブレーカーになる〜


他者に対して優くてできることは、とっても素敵なことです。

ですが、お互いの境界線を守ることはもっと必要だと感じています。


ご夫婦の間柄を聞いていて、適切にNOと言えていないことによる弊害だな、と感じることがよくあります。


例えば、夫側の男性がいつも妻である女性に、あらゆる行動をコントロールされていて、すべてが嫁の支配下だ、と嘆いている状態があるとします。


ただ聞くだけであれば、まあ、大変なお嫁さんね、と同情されるかもしれません。


でも、夫側が、NOや怒りを適切に出さないことで、

無意識に、

妻 加害者
夫 被害者

というパワーバランスを2人で創作している、とも言えます。

それは、原家族を見てきて無意識にそれを継承していることかもしれないし、深く話しを聞いていけば、もっと別の問題からそうなっているのかもしれません。

NOや怒りを表明することは、優しくすることよりむしろずっと高度な表現だと、私自身が感じて生きてきました。

だから、無意識にNOと言えていない、怒りを表明できていないという状態は私もとても理解できます。


私自身も、コントロールする、される、被害者と加害者を創り出している家庭で育ったので、当然のようにかつてはそれをやっていました。


が、その状態は自分が疲弊して自分に害があるだけでなく、実は相手の境界線を守れていないので、相手側にも弊害をもたらしている、ということをセラピーを学ぶなかでよくよく理解し、然るべきときにNOと意識的に言うように務めました。


しかし、小さな頃から当たり前についた習性ではないので、いきなりやりだすと、表現が下手過ぎて移行期間はなかなか大変です。


例えば、それまで夫に従っていた私が、夫にいきなりNOを言い出すと、相手が攻撃された!とか、存在を脅かされた!というような危機を感じ、てんわやんわになったりしました。



また、それまで私自身が自然に怒りの表現を出す、をしてこなかったので、いきなり強い調子で、相手を不快にしかさせないような怒り方をしてしまったり、それは困ります、とか、私はやりたくありません、と穏やかに、でも瞬発的に静かに言えるまで、ずいぶんと失敗もしました。



今でも他者に上手に言えているかは分かりませんが、本当はNOと言いたいのに無意識に呑み込んでしまった、と引きずるような、かつてのモヤモヤした気持ちはずいぶん減ってきた、ほとんどなくなった、と感じています。


なぜなら、言えてないとき、どこかで相手を加害者にして、自分が被害者になっているので、対等でない、という感覚が知らずのうちに芽生えています。


が、誰であっても基本的に人との関係は対等である、と思えていれば、誰かを加害者にして、自分を被害者にしていない証拠だ、と思います。


また、同じように、自分が加害者になっているとき、相手をコントロールしてる、またはしたい、と思っているので、それも自分の行動から気づきます。


他人はコントロールできず、コントロールできるのは、ただ1人自分だけ


というスタンスであれば、誰かと加害者被害者ゲームはやっていないだろう、と思います。



ここで冒頭の話しにも戻り、



男性に、「怒りますか?」



と私が聞くと、「怒ることはほとんどしません。怒りたいとあまり普段から思えず、それよりも黙ってしまう。ひどくなれば、自然に無視したり離れてしまう。」


と言いますが、このようなやり方をしてしまう男性は意外に多いのではないか、と感じています。



「怒り」を適切に表現することは、非常に健全で、大事な生命エネルギーの発動です。



が、小さい頃、怒りを親に受け止めてもらえなかった、または、親自体が怒りを表現しているのを見たことがない、怒りはよくないものだ、と思ってきていると、無意識に本来発動している怒りのエネルギーを抑圧しているので、心身に負荷をかけています。



この状態で夫婦関係もやっていくと、知らぬ間に不健全な関係になっていて、その負荷を1番背負うのは、実はそれを観て、その夫婦関係のなかにいる子どもです。


私はその痛み、負荷を背負ってきたんだ、とセラピーを学んでよく分かるようになりましたが、そこまで心身にその痛みが出たり、感じたことがない方は、当たり前のようにそのやり方を踏襲してしまいます。



その無意識の負の連鎖を起こさぬよう、変えられるところはみんなが意識して変えるようになれば、あらゆる人がサイクルブレーカーになり、負の連鎖を止められます。



小さなお子さんがいるご家庭の夫婦関係などの話しを聞くたび、ぜひ、サイクルブレーカーになって欲しい、そして良い連鎖を次の世代に渡して欲しい、という願いと祈りを込めて書かせていただきました。



お読みいただきありがとうございます。

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