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夏休みの宿題

私は義務教育中、一度も夏休みの宿題を提出したことがない。ちなみに今は緊急事態宣言のおかげで一か月強の休みを余儀なくされ少し早い夏休み中。

中学生までの私は「絵を描いて生きる」と本気で思っていて、暇があればひたすら絵を描いているような子供だった。

世の中の流れに疎く、麻原彰晃という教祖や彼らが起こした事件も知らなかったし、中学生時代、木村拓哉も知らなかった。私の生活は絵と音楽と辞書みたいに分厚い小説と漫画でいっぱいだった。

別に反抗して宿題をやらなかったというわけじゃない。単に時間がなかった。絵を描くことや、好きな小説家の作品を読むことに忙しかったから、宿題なんて出しても出さなくても問題のないものに割く時間がなかっただけ。

夏休みは私の時間で、学校のために使う時間は1秒たりともない。評価する側の手伝いをなぜ生徒がしなくてはいけないのか。宿題というものは先生側が生徒を評価する材料となっているはずだ。評価は学校や先生がそれぞれの基準で勝手にするがよろしい。そんなものがなくては、まさか評価できないなんて言わないでしょうね。

当時はここまで思っていたわけじゃないけど、まあ似たようなことを考えていたと思う。学校の中にいない私が、学校のために時間をつかないといけない理由がわからなかった。

それで特に困ったことは起きなかったし、絵を好きなだけ描いて過ごす夏休みは、楽しかった。

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