見出し画像

歴史の勉強にも!『ヴェルサイユ宮の聖殺人』

ミステリー大好きな、フルタイムワーママ、みりーほです。今日も、愛あふれる一日でありますように。

今日は、先日続編も発売された、『ヴェルサイユ宮の聖殺人』をご紹介します。

第10回アガサ・クリスティー賞優秀賞受賞作

美しき公妃×カタブツ大尉

密室殺人、血のダイイングメッセージ、破られた聖書……黄昏のブルボン王朝を舞台に、異色バディの華麗なる事件簿シリーズ開幕!



1782年5月、フランス国王ルイ16世の従妹にしてパンティエーヴル公妃マリー=アメリーは、ヴェルサイユ宮の施錠された自室でオペラ座演出家の刺殺体を発見。遺体は聖書の切れ端を掴み、血文字を残していた。その傍らには意識を失くした男、ボーフランシュ大尉ジャン゠ジャックの姿が。ジャン゠ジャックは倒れる直前に、マリー=アメリーも見かけた謎の黒づくめの人物を目撃していた。マリー=アメリーは、犯人として投獄されかけていたジャン゠ジャックを相棒に、事件解決に乗り出すが……第10回アガサ・クリスティー賞優秀賞受賞作。

早川書房あらすじより

私は、小学生から『ベルサイユのばら』ファンでした。漫画を何度も読んでは、悲劇の王女マリー・アントワネットの時代に思いを馳せていました。

アニメの再放送は全て録画し、高校では世界史を選択してしまうほどの大ファンでした。『ベルサイユのばら』展にも足を運びました。

そんな私にとって、革命前夜のフランスとミステリーが合体した本作は、まさに、、大好物!!

しかも、アガサ・クリスティー賞受賞作とは!

読んでみると、期待を裏切らないどころか、徹底した取材に基づく緻密なストーリー構成の素晴らしさに感動しました。

メインキャラクター2人の人物像も、とても魅力的です。

強気で判断力のある公妃マリー・アメリーは、幾多の苦難を乗り越えてきた、とても人情味溢れる、人の痛みがわかる人。

親に捨てられた不幸な生い立ちから、自力で大尉に出世したジャン・ジャックは、一匹狼タイプでありながらも、公妃と出会ってからは、人を信用できるようになっていきます。

このバディーが、お互いに反発し合い、また惹かれ合いながら、殺人事件の犯人探しをします。

殺人犯を探すうち、この時代の社会の闇に切り込んでいく様は痛快です。

何より、作者の取材力が素晴らしく、革命前夜のフランスの政治、社会風俗が詳しく描かれています。

特に感心したのは、当時の科学技術についての記載が、ストーリーの重要な要素にもなるところです。

巻末に紹介されている参考文献の冊数に圧倒されます。それだけ調査しているので、ストーリーに厚みを感じます。

歴史の勉強にもなりますよ。

ミステリーとしても、時代物としても楽しめる良書です。続編も、ぜひ、読んでみたいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?