mimicの炎上は他AIアートと何が違うのか

ちなみに他のソフトも盛大に炎上はしていました。国内外で。だから実際に違う所というのは悪用の想像のしやすさとかになるんじゃないかと思います。(もしくは他のが揉め事になっていたのを知らないだけ)

例えば「Midjourneyがkawaii絵を理解した」とか「綺麗な絵を出力するにはshinkai makoto や yoster みたいなプロンプトを入れる」みたいな話は無邪気に喜んでいる人が多かったと思います。

これは、英単語やカタカタ言葉だとその意味に実感が沸かないという伝統のしょうもないオチの可能性と、もう一つは「プロの作品は公共物と勘違いされやすい」性質のあわせ技もあったのかも知れません。

例えば、アニメのキャラの画像を勝手に使ったり、ジャンプ漫画などのコラージュを勝手にアップする行為はSNSで頻繁に見かけますが、一般人のオリジナル作品を勝手に使っている人が現れた場合、とてつもない反感を受けることになります。

恐らく「有名じゃない=なりすましが可能」という図式と、個人で制作している物は被害者像が直接その個人なので、企業作品より想像や共感しやすいという条件でそうなるのでは無いかと思います。

後はまぁ食事処やコンビニ、ゲームの運営などを人間として扱わなくなるいつもの良くない現象が芸能人やプロの作家にも当然のように向けられているやつですね。

故に、個人制作物の被害を想像しやすいmimicで分かりやすく広範囲に炎上したのでは無いのかなと。


個人的な見解ですが、将棋AIなどのゴールが明確なAIは学習すればするほど強くなるのに対し、イラストAIは「下手な絵を学習すればするほど下手になる」という弱点と「学習サンプルの再現を目指すけど類似させたら失敗」という弱点の二重苦を感じています。

なので大量学習型のAIアートのゴールは結局mimicのような「学習するものを絞り、なおかつ類似させるのが成功」のソフトだと正直思っていました。

しかしこうなってくると、結局学習させる段階で最初からクリーンな素材限定だったほうが使いやすかったろうなとか、悪用にわかりやすい罰則あるほうが逆に使いやすかったろうなという気がしてしまいます。

学習素材に費用が払われるなら新たな市場も生まれていたわけですし、元絵の作者、ソフトの開発者、そして法からも正式に許諾されている範囲で金を各所に落としながらそれを使うなら揉めるどころか感謝ですし、結局費用や手間をケチりながらも儲けを独占しようとしたが故に躓いた童話みたいなオチが現状なんでしょうかね。

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