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『四畳半タイムマシンブルース』あらすじと感想【森見登美彦】

今回、読書感想文と書く『四畳半タイムマシンブルース』は、森見登美彦さんの著作『四畳半神話大系』と、上田誠さんの戯曲『サマータイムマシン・ブルース』のコラボレーション作品です。

また、『四畳半神話大系』と『四畳半タイムマシンブルースは、四畳半シリーズに数えられます。
もちろんどちらも森見登美彦さんの著作です。

さらに『サマータイムマシン・ブルース』を書いた上田誠さんは、『四畳半神話大系』のアニメ脚本を書いた人物。
一心同体の2人だと言えますよね。

おっと…前置きはこのあたりにしておきましょう。

この記事は以下の内容で読書感想文を書きます。最後まで読んでいただけると嬉しいです。

・森見登美彦の世界
・『四畳半神話体系』と『サマータイムマシン・ブルース』のコラボ
・樋口師匠が愛用してるヴィダルサスーン
・なんだって!?全宇宙消滅の危機!?
・モッサリした未来人、田村くん
・ヒロイン明石さんの言葉


あらすじ

あらすじは、いつものようにAmazonを利用します。

気ままな連中が”昨日”を改変。世界の存続と、恋の行方は!?
8月12日、クーラーのリモコンが壊れて絶望していた「私」の目の前にタイムマシンが現れた。後輩の明石さんたちと涼しさを取り戻す計画を立て、悪友どもを昨日へ送り出したところでふと気づく。過去を改変したら、この世界は消滅してしまうのでは……!? 辻褄合わせに奔走する彼らは宇宙を救えるのか。そして「私」のひそかな恋の行方は。

Amazon商品ページより出典

登場人物

登場人物も、いつもと同様にWikipediaを利用。


京都のとある大学の三回生。おんぼろアパート「下鴨幽水荘」の209号室で無為に青春を送る。後輩の明石さんが気になっている。本作では入学時に妄想鉄道サークル「京福電鉄研究会」に入会したという設定。前作の描写を既視感や夢という形で体験し、本作も無数の分岐の一つであるとも前作はそれらを基にした彼の創作ともとれる扱いになっている。

明石さん
「私」の一年後輩。映画サークル「みそぎ」に所属し、ひたすらポンコツ映画を量産している。

小津
「私」の同級生。他人の不幸をおかずに飯が喰える天の邪鬼で、全力で「私」の学生生活を駄目にしようとする。

樋口氏
「下鴨幽水荘」のヌシ。明石さんや小津からは師匠と仰がれている。田村くんによると25年後にも現在と変わらぬ姿で「下鴨幽水荘」に住んでいるという。「私」に空室となっていた209号室を勧めた。

羽貫さん
近所の医院に勤める歯科衛生士。樋口氏、城ヶ崎氏とは旧知の仲。

城ヶ崎氏
映画サークル「みそぎ」のボス。尊大かつ無神経で、「私」からは敵意を抱かれる。

田村くん
タイムマシンで25年後の未来から来た青年。未来の「下鴨幽水荘」の209号室で暮らしているという。

Wikipediaより出典

森見登美彦ワールド

『四畳半タイムマシンブルース』の著者である森見登美彦さんは、奈良県生駒市出身。1979年1月6日生まれの43歳(2022年7月現在)です。

作家としてのデビュー作は『太陽の塔』

作風にについて、本人が語っていたのは…

「シリアスな小説を書く意味がよくわからない。シリアスなものは、怪談しか書けない。まして、ミステリーのように緻密なものは考えられない」

だそうです。

森見登美彦さんの作品について感じているのは…

・ほどよい適当な感じ
・のほほんとした感じ
・とってつけた危機感

このあたりが、ハマってしまう要因となっています。

個人的にピタッとハマりました。

森見登美彦ワールドにハマってしまって、沼から抜け出せそうにありません。

『四畳半神話体系』と『サマータイムマシン・ブルース』

『四畳半タイムマシンブルース』は、『四畳半神話体系』と『サマータイムマシン・ブルース』のコラボ作品です。

まずは『四畳半神話体系』ですが、主人公は『四畳半タイムマシンブルース』と同じ「私」
その他の登場人物も明石さんや樋口氏など、ほぼ同じです。

もちろん著者は森見登美彦さんで、同じ「四畳半シリーズ」

続いて『サマータイムマシン・ブルース』ですが、上田誠さんの戯曲です。
大学の「SF研究会」の学生たちが壊れる前のクーラーのリモコンを取りに、タイムマシンで「昨日」に行く物語。

この2つをコラボレーションしたら、SF小説『四畳半タイムマシンブルース』になるわけですね。

すでに書きましたが上田誠さんは、『四畳半タイムマシンブルース』のアニメ脚本も書いています。

⇒アニメ『四畳半タイムマシンブルース』PV

樋口氏(師匠)のヴィダルサスーン

『四畳半タイムマシンブルース』の重要?な登場人物である、樋口氏(師匠)。

ちょいとネタバレになってしまいますが、樋口氏はヴィダルサスーンのシャンプーを愛用しています。

ところが…

そのヴィダルサスーンのシャンプーが突如紛失。樋口氏は誰が盗んだのか犯人捜しをはじめる。
タイムマシンに乗って時間を超えることによって、意外な犯人が判明します。

っと、これ以上のネタバレは書きません。

全宇宙消滅の危機!?

基本的な話になりますが『四畳半タイムマシンブルース』は、SF小説。
タイムトラベルのお話になります。

タイムトラベルといえば、歴史に干渉すると未来が変わる。そんな定義が当たり前。
なので『四畳半タイムマシンブルース』でも、そんな感じになっています。

ていうか、過去や現在を変えると…

全宇宙が消滅する…

そんなアホな…

このアホな感じが森見登美彦ワールドの醍醐味。私は大好きです。(パラレルワールドだってあるでしょ)

25年後の未来人、田村くん

『四畳半タイムマシンブルース』には、〇〇えもんに出てきそうなタイムマシンが出現します。
このタイムマシン…誰が作ったんでしょうか?

その人こそ、25年後からやってきた田村くん(かなりモッサリしている)

田村くんの両親は主人公「私」の時代にいて、田村くんは両親の出会いを知りたくてやってきました。

明石さんの言葉

『四畳半タイムマシンブルース』の騒動が収束して、めちゃくちゃになりつつある過去。その辻褄を合わせる必要があります。

だって、全宇宙消滅の危機ですから…

まあ紆余曲折あって、辻褄が合っちゃいます。

で、明石さんが「私」に言った言葉

「時間は一冊の本みたいなものだと考えてみたんです。」「それが過去から未来へ流れていくように感じるのは、私たちがそのようにしか経験できないからです。たとえばここに一冊の本があるとしたら、私たちはその内容をいっぺんに知ることはできません。一枚ずつページをめくって読むしかないんです。でもその本の内容そのものは、すでに一冊の本としてそこにある。遠い過去も、遠い未来もすべてが」

深い言葉ですね…

明石さんの存在こそが、森見登美彦ワールドの救いだと思います。

『四畳半タイムマシンブルース』のまとめ

今回は『四畳半タイムマシンブルース』の読書感想文を書きました。

「四畳半シリーズ」マジで面白すぎます。近々『四畳半神話大系』の読書感想文も書こうかな…

読書感想文の内容は…

・森見登美彦の世界
・『四畳半神話体系』と『サマータイムマシン・ブルース』のコラボ
・樋口師匠が愛用してるヴィダルサスーン
・なんだって!?全宇宙消滅の危機!?
・モッサリした未来人、田村くん
・ヒロイン明石さんの言葉

いろいろ書きましたが、やっぱり明石さんの言葉が深い。
この言葉のために、『四畳半タイムマシンブルース』を読んだのかもしれませんね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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