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(仮) なんか思いついたらそれにします

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適当に思いついたこととか
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#短編推理小説

雪の山荘で2

これは「雪の山荘で」のいわば中盤戦です。
最初にここを見ても意味がわからないと思われますので、雪の山荘で1 から読んでいただくことを推奨します。

静寂を破ったのは談話室に置いてある鳩時計だった。全員が慌てて時計の方を振り返ると、十時を指していた。
特に大きな音でもなかったのだが、何も音がしない中においては、爆音にすら思えた。
それに押されたかのように大森さんが立ち上がった。
「どうしたんですか?

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雪の山荘で3

これは「雪の山荘で」のいわば終盤戦です。
最初にここを見ても意味がわからないと思われますので、雪の山荘で1 から読んでいただくことを推奨します。

私の、いや全員の眠りが一つの絶叫によって終わりを告げた。
同時に目を覚ました真希と顔を見合わせ、ドアを開けて二人で廊下を覗き込むと、葵も同じようにしていた。
廊下に出て、階段の前で葵と優子と合流すると、
「どうした!?何かあったのか!?」
という大声が

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雪の山荘で1

解答編まで合わせると全部で2万字ぐらいあったりするので、お時間のあるときに気合入れてお読みください。

「おはよう。よく眠れた?」
目を覚ますと、真希がいた。
あぁ、そうだった。真希と旅行に行っていたんだった。
寝起きで頭が働いていないせいか、どうでもいいところで納得する。
前述の通り、恋人(とまだ呼べるほどの関係ではない。これを機に関係を深められたらいいのだが)の真希と旅行をしている。残念ながら

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マンションの殺人

8/7未明、鈴木義雄(35)がマンションの自室である505号室で死んでいるとの通報を受け、僕は先輩と捜査に当たることになった。
司法解剖、鑑識の調査より、外部からの侵入の形跡がないことなどから、自殺ではないことは間違いなく、死亡推定時刻は8/5の14:00~14:30ぐらいであろうという結論を得た。
それほど大きいマンションではないことから、先輩がマンションの住人からの聞き込み、僕は管理人の女性か

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