【先輩インタビュー/プラントドクター】エネルギー業界の未来を支える仕事。「技術サービス」という業態だからこそ叶えられる仕事のやりがい
この記事では、株式会社テクノ・スタッフで「プラントドクター」として活躍するSさんに、プラントドクターの業務内容や働き方、さらにテクノ・スタッフの業界内での強みについてお話を伺いました。
Sさん / プラントドクター
今の仕事にも繋がる技術や視点を学べた新卒時代
ーーまずは簡単に自己紹介をお願いします。
Sと申します。高専を卒業後、大手石油元売会社の北海道にある製油所でプラント設備管理を担当していました。2023年2月にテクノ・スタッフに入社し、現在はプラントドクターとして働いています。
プラント設備管理の仕事では、設備の検査や補修計画を立案し、その実行と結果を評価することが主な役割です。プラントが常に安定して稼働するように、さまざまな管理を行っていました。その他にも、保全システム全般の管理や、アウトソーシング業務の窓口も担当していました。
現在はテクノ・スタッフで、プラントの検査結果から対応策を提案する仕事に取り組んでいます。
ーー高専ではどのようなことを学んでいましたか?
機械工学科で、材料力学や熱力学を学びました。例えば、材料にどのくらいの力を加えると変形するのか、またどれだけの力に耐えられるのかといった強度計算に関する学問です。卒業研究では、伝熱に関するテーマを扱いました。
ーー高専を卒業後、前職を選んだ理由を教えてください。
正直なところ、給料が一番の理由でした。当時の高専の求人の中でも、前職は上から2番目の高給でした。さらに、4年生のインターンシップで前職の工場業務を体験した際、担当者が工場の原理原則を丁寧に説明してくれたことが強く印象に残っています。お客様扱いではなく、真剣に指導してくれた姿勢に、教育体制がしっかりしている会社だと感じ、入社を決めました。
ーー前職ではどのような学びや経験がありましたか?
特に印象的だったのは、上司から教えていただいた「5ゲン主義」です。これは「現場・現物・現実・原理・原則」の5つを指し、現場で実際に起きていることを確認し、原理原則に基づいて判断するという考え方です。
知識が増えると、どうしても自分の都合の良い解釈をしてしまいがちです。そのため、常に現実と自分の仮説が一致しているかどうかを確認する姿勢が大切だと学びました。
もう一つの学びは、「無理、できない、と簡単に言わない」ということです。できない理由をただ並べるのではなく、可能な範囲や代替手段を考え、伝えることを教えられました。これにより、課題が何か、どこに不足があるのかが明確になり、解決に向けて進むことができます。
ーー素晴らしい教えですね。前職では仕事のやりがいや面白さも感じられましたか?
そうですね。前職は大企業だったため、自分のアイデアを実現しやすい環境がありました。保全管理の業務では、改善や改造の提案を行い、各部門と協力しながら会社に予算を提案し、承認されたら実行するという流れです。このプロセスを主導できることが非常に面白く、やりがいを感じていました。
さらに、大規模な予算を管理する責任感も大きなやりがいの一つでした。特に保全部門では、担当エリアの保全予算を自分で管理していました。「数百億円」といった大きな規模の予算を運用しながら、限られた資金で「今やるべきこと」と「後回しにできること」を判断し、優先順位をつけて調整することに責任感を感じました。このように、大きな金額を動かすことは、非常にやりがいのある経験でした。
「技術サービス」だからこそ実現できる、理想の働き方と自由な提案
ーー前職では充実した時間を過ごされたように思いますが、転職を考えた理由を教えてください。
前職では給与面でも満足しており、自分のアイデアや考え方も柔軟に受け入れてくれる環境がありました。しかし、責任が増すにつれて、理想とする働き方やライフスタイルを維持することが徐々に難しくなってきたのです。
また、企業規模が大きくなるにつれて、組織をスムーズに動かすためにトップダウンの決定が増え、自分の働き方とのギャップを感じるようになりました。最終的には、その状況に馴染めず、転職を決意しました。
ーー転職先を決めてからの退職ではなかったようですが、転職活動はどのように進められたのですか?
そうですね、先に退職を決めてからの転職活動でした。退職後、以前から関わりのあった関連企業からいくつか声をかけていただきました。
しかし、これまで培ってきたプラント設備管理の知識や技術を活かし続けたいと考えていたため、営業職や建設部門などのオファーは辞退しました。やはりプラント関連の仕事がしたい、そう強く感じていました。
その後、業務で関わることが多かったテクノ・スタッフの求人を見かけ、選考に進みました。
ーー数あるプラント関連の仕事の中でも、どうしてテクノ・スタッフを選ばれたのですか?
これまでの経験を活かせる業務内容であることが大きな理由ですが、「技術サービス」という業態も大きなポイントでした。この形態であれば、前職で感じていた負担や不安が解消されると期待しました。
ーー具体的にはどのような違いがあるのでしょうか?
テクノ・スタッフのような業態では、ユーザー企業との距離感が適度に保たれており、現場で動く際に前職で感じていたような多くの組織のしがらみから解放されます。理論に基づいた正確な判断や客観的な提案がしやすい点が魅力です。
また、働き方についても、工数、つまり稼働時間の管理がしっかりしており、残業は極力抑えられる文化が根付いています。残業が増えると人件費が増加するため、「残業はしないほうが良い」という考え方が基本です。「技術サービス」という業態が働く人を守っていることが、これまでとは違う新鮮な発見でした。
プラントドクターとして2年目、責任者を目指して歩む日々
ーー改めて、現在の仕事や働き方について教えてください。
現在はテクノ・スタッフでプラントドクターとして働き始めて2年目になります。現場での検査業務を習得しながら、検査結果を分析し、設備の補修を含めた対応案の提案を行っています。また、現場責任者の補助として業務を進めており、将来的には責任者としての役割を担うことを視野に入れて、日々学んでいます。
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ーー現在のプラントドクターとしての仕事と、前職との違いはどのような点ですか?
大きな違いはありませんが、保全業務に関して言えば「検査を実際に行うかどうか」が異なります。前職では、検査自体を外部業者に依頼し、その結果を受けてどう対応するかを決定するのが主な役割でした。一方で、テクノ・スタッフのプラントドクターは、実際に検査をして提案を行い、最終的な意思決定はお客様が行うという流れです。その違いが主ですね。
ーー大きな違いがないということは、前職での経験が現在の仕事にも活かされているのでしょうか?
はい、前職での経験は大いに活かされています。特に、機械設計に関する知識は今の仕事でも非常に役立っています。例えば、鉄の板がどれくらい薄くなっているかを見て、補修が必要かどうかを判断する際、単に薄いから補修するのではなく、強度計算に基づいて判断する必要があります。こうした設計に関する知識は、前職で広く学び、今の業務にも反映されています。
ーーどのようにして新しい仕事を覚え、成長していきましたか?
当社の魅力は、経験を積むスピードが速いことです。通常、定期メンテナンスは2~4年に1回程度行われることが多いのですが、私たちは年間3~4回のメンテナンス業務に関わるため、より多くの実務経験を積むことができます。これにより、お客様よりも早い段階で多くの状況に対応できる経験が得られるのです。
研修体制も充実しており、社内の基礎研修から現場での実地研修まで、焦らずにしっかりと学ぶことができました。
ーー様々なプラントに出張されるようですが、出張先での過ごし方について教えてください。
私は出張を非常に前向きに捉えており、毎回楽しんで過ごしています。新しい場所に行くたびに、その土地の雰囲気や状況を肌で感じることで、新たな刺激を受け、それが自分の成長にも繋がっていると感じます。
出張先で街を散策したり、美味しい食べ物を探すことが好きで、新しい場所に行くたびにリフレッシュできるのが魅力だと思っています。
ーーこれまでの出張で印象に残っている土地はありますか?
特に印象的だったのは愛媛ですね。路面電車が走っていて、景色も美しく、都会すぎず田舎すぎず、とても心地よい雰囲気の街でした。松山の街をぶらぶらと歩くのが楽しく、今でもプライベートで訪れるほど気に入っています。
将来性も見込める企業で、市場価値の高い人材へ
ーーキャリアを通してプラントに携わってこられましたが、テクノ・スタッフの業界内での立ち位置や将来性について教えてください。
石油業界全体としては、全盛期に比べると縮小傾向にありますが、それでもエネルギー業界自体の重要性は変わりません。そのため、需要が完全に無くなることはないでしょう。
テクノ・スタッフの強みは、何よりも「お客様と対等に話せる技術力」があることです。石油業界ではリソース削減が進む中、技術力のあるテクノ・スタッフのような企業がますます重要な役割を果たすようになっています。今後さらに認知度を高めることで、業界にとって不可欠な存在に成長できると考えています。私自身も、技術力を磨きながら、業界内での重要なポジションを維持していきたいと思っています。
ーーテクノ・スタッフのプラントドクター職は、業界内でも技術水準が高いのでしょうか?
はい、非常に高いと感じています。単なる検査業務に留まらず、改修や改善の提案までできる会社は業界内でも限られています。実際に、前職でもテクノ・スタッフに仕事を依頼していたのは、その高度な技術力に信頼を寄せていたからです。
「手に職をつける」という意味でも、テクノ・スタッフでの経験は非常に安定感があります。プラント設備業界全体の中でも、ここで成長していくことで、業界から求められる人材になることができるでしょう。
ーー最後に、テクノ・スタッフで働くメリットや仕事のやりがいについて教えてください。
一番のやりがいは、お客様から直接「来てもらってよかった」「本当に助かりました」という言葉をいただけることです。現地でお客様と直接やり取りをする中で、その感謝の声を聞けることは、大きな達成感に繋がります。
もう一つは、さまざまな装置や機能に触れられる環境にいることです。いろいろな装置に触れる機会が多いため、得た知識や経験をフィードバックしながら仕事を進められるのも、やりがいと成長の機会だと感じています。
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