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食道閉鎖症と胃ろうとアレルギー
生まれて一ヶ月後に大手術をして、食道と胃をつなげることに成功したえど。
退院してからは穏やかな日々でした。
胃ろうは「万が一のため」そのままがいいということで、胃に穴は空いていたけど、
口からミルクを飲むことはできるし、一緒に暮らせるしで、幸せな日々でした。
一つ気になるのは、肌がどんどんボロボロになっていること。
私はアトピー持ちだったので、そのせいかと病院で検査を頼みましたが、
1歳にならない赤ちゃんのアレルギー検査はできないと言われました。
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退院して10ヶ月がすぎるころ。
季節外れの風邪にかかり、チアノーゼが出たため急遽入院することになったえど。
赤ちゃんの入院ということで、私も付き添い入院を指示されました。
呼吸状態が悪くミルクが飲めないため、点滴で栄養を注入することに。
すると、あんなにボロボロだった肌が、つるつるのすべすべになったのです。
これを医師に伝えると、すぐに血液検査をすることに。
血液検査の結果、たくさんのアレルギーが発覚しました。
卵、小麦、乳、大豆、米、そばなど。
どれもほとんどレベルマックスの反応状態。
この検査結果を受けて、えどはアレルギー対応の粉ミルクにかえることとなりました。
でもそのアレルギー児用ミルクが、えどの口に合わないらしく、全く飲んでくれない。
ここで初めて、万が一のために残しておいた胃ろうの出番となりました。
お湯に粉ミルクを溶かし、専用の入れ物に入れ、チューブを通して胃に直接流し込む。
えどのごはんは、哺乳瓶から、チューブに変わりました。
ただ、胃に流し入れるには、少量ずつしか入らず、一回に80mlと決められました。
それだけでは足りないので、一日に8回、流し込むようにとの指示。
これが半端なく大変でした。
胃に直接繋ぐし、体内に入れるものなので、特に念入りに消毒しなくてはなりません。
一日は24時間なので、ご飯の間の時間は3時間。
胃ろうから流したミルクが消化されたかを、シリンジと呼ばれる注射器のようなもので確認し、
ミルクが引けるようなら、次の食事の時間は少し遅らせます。
消化が遅い時は、少ない睡眠時間をとることもできずに、眠い状態でお世話してました。
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そう、3時間おきのミルクということは、私の睡眠時間は、消毒の時間を考えなくても、
長くて3時間しか取れないのです。
この時の私は、一度に2時間以上寝るのはまれな日々を送りました。
それでも、えどのボロボロだった肌が綺麗になって、快適そうにしている姿は嬉しくて。
たまには近所にお散歩に連れて行って、季節の花々を少しの時間だけ楽しんだりもしました。
順調に行っていると思っていたある日、えどが嘔吐しているので病院へ連れて行きました。
ノロウイルスでした。
あんなに気をつけて消毒していたのに、と落ち込む間も無く、私にも移って発症。
えどは再入院を余儀なくされました。
このときまだ1歳半のえどは、口で物を食べることをしてませんでした。
体調が戻ってきた時、医師から、経口食を提案され、病院で試してみることに。
同室の、おなじように食道閉鎖症の子供がいるママから、
食道閉鎖症の子供は、食道が細くてすぐ吐いちゃうから大変と聞いていたのでドキドキでした。
医師から最初に指示された経口食がモロヘイヤ。
のどごしが良く、栄養価も高いため、アレルギーで食べられるものが少なかったえどには
これが最適だったようです。
えどは細くて小さくて、いつまで経っても軽いままで。
栄養が多そうな、乳も、卵も、小麦も、レベル6という最高値のえど。
医師も、えどの体重を増やすのに苦心してました。
幸い、えどはもどすことはなく、食べることも好きで、経口は順調に進みました。
それでも、食べられる量が少ないのと、食べることで疲れてしまうのか、体重は増えず。
そのうち米も解禁となり、食べられる食材も増えた頃。
「そろそろ、胃ろうをやめてみましょうか」
医師のひとことで、えどの胃ろうは役目を終えました。
胃ろうをやめて使わなくなってしばらくして、「抜去」をしました。
これは文字通り、胃ろうを撤去すること。
はずしただけで、胃の穴はそのままで、縫合とかもしませんでした。
「すぐに塞がりますよ」
ふつうは、すぐに塞がるんだそうです。
でも
半年経っても、えどの胃ろうは塞がりませんでした。
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