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私的キーボード遍歴

自分的にキーボードの変遷が一段落したこの時点で、これまでの遍歴を振り返ってみます。

こだわりのない時代

キーボードに興味のない時期で機能さえあればよいと思っていた時期。ご多分にもれず「Logicool使っておけばいいだろ」くらいの感覚。用途別にPCを用意し始めてから、PCごとにキーボードを用意していたころ。

キーボードが増えるとメインの1台はいいものほしいなということで、「だったらLogicoolの高めのやつがいいんだろ」でMX Keysを使っていました。思えば、Logicoolのブランド戦略は卓越していてこだわりのない層からしっかり売上できるのはすごいです。

キーボードに求めるものも機能だけだったので、特に不満もなく使っていたのですが、自作PCの配置(木製の収納棚に格納)のせいもあってBluetoothの接続性に問題が生じることがあり、ややイライラ。コロナ感染期に在宅が増えるようになると「なんかもっといいものないかな」と思い始めます。これがキーボードに散財する最初の入口です。

好きになってきた時代

いろいろみてみて、Realforceにたどり着きます。PFU製品はとにかく打鍵感が他とは全く違う、というレビューやコメントが目に付き、体験してみたくなるという流れです。レビュー量やマーケティングではHHKBが目に付きますが、そもそも馬具とか一生モノとかいうキーワードとキーボードが結びつかないので全く心に響かず、機能的には選択肢の多いRealforceに的を絞ることに。

選択基準は以下。
◯静電容量無接点方式 (そもそもこれが購入動機)
◯無線
◯静音
◯用途上テンキーは要らない
◯色は黒 (白は変色するので)

見ていると、変荷重ってなんか良さそう、ということで選択はRealforce R3HC12。もう売ってしまいましたが、このキーボードはとてもよく、変にこだわらず既成品をそのまま使うという状態であればここでエンドだと思います。
『ビジョナリーカンパニー』の「決して満足しない」が趣味の基本動作化していた自分はこの辺で趣味の炎が点火したようで、Realforce買ってすぐHHKBを見始めてしまいます。不動のメイン(R3HC12)があるので2台目は趣味に振り切っていいかなと思い始めます。

このときの選択基準は以下。
◯HHKB限定
◯中古、安くてなるべく製造年月が最近のもの
◯無線
◯無刻印 (R3があるので無刻印でないとHHKB追加購入の意味なし)

1万円台でHHKB Professional BTを獲得。価格さえ安ければHHKBはとっても魅力的。

あるスタイルの完成形

RealforceとHHKBを使い分けていていくつか気づきがありました。
・やっぱり静音がいい
・押下圧は重めでも軽めでも正直どちらでもいい
・英字配列が無駄が少なく合理的かつきれい
・無刻印は概ね問題ないが、目印があったほうが良い
ということで若干の化粧直しを始めます。

まずは軽い筐体がデスクと共振するのを防ぐためのマット装着。これ地味に効きます。たぶんオフィスで使うにはこれくらいやっておけば最低限はクリアできるかと思います。


Type-Sを調べてみると結局リングを装着とのこと。自分でなんとかします。

分解時にラバードームが飛び散らかってプチパニックになりますが、特段問題ありません。普通に戻せば元に戻ります。自分でリングを選ぶと厚みや素材などを工夫でき自分の好みにより合わせられるので、Type-Sを買うよりおすすめです。

この時点で特に使用上の不満もなく、HHKBはオフィスで使ったりしてキーボードに愛着とこだわりが生まれ始めています。特に不満はないのですが、「キーボードっておもしろいな」と思っているので、目的もなくいろいろ見始め、メカニカル・キーボードが気になってきます。HHKBを使うと若干の制約があっても自分にとって心地よいものを求めるようになります。ちょっとカスタマイズしたことで、PFU製品のカスタマイズ部品の高さや自由度のなさが気になり始め、メカニカルなら様々な選択肢とカスタマイズの自由があるということに気づくともはや後戻りはできません。
このときの選択基準は以下
◯メカニカル、ノーマルプロファイル (選択肢が多く自由であること)
◯静音
◯US配列
◯打鍵感がよいもの
◯なるべくコンパクトなもの
◯デザインがよいもの
趣味が高じてきたので、機能より見た目や楽しめることに主眼が置かれ始めています。またHHKBを中心に物事を考えるようになってしまったので、脳が混乱しないように配列はHHKB英字配列に近いUS ANSIで統一することにしました。
最初に検討したのはKeychron K6 Pro。

普通に機能をみたら、これでキマリかもしれません。正直後述のMojoと最後まで迷いました。Nuphyなんかも見ましたが、自分には乙女ちっくなデザインにみえてなんとなく手に取る気になりませんでした。(打鍵感や静音性はNuphy Haloが最高とはわかっていても。。)

いろいろ見てきて、MelGeek Mojo68 EmberをMelGeek直営ショップから購入しました。セールでたまたま$139だったと当時はいまより円高だったのでいまほど高い気がしなかったのもラッキーでした。

他を知れば知るほど好きになるMojo68

Mojo68のスイッチやキーキャップをいろいろ変えてみて感じ始めたのは、「Mojo68は旗艦機としてベストな組み合わせで使いつつ、なんかほかにいろいろ試せる白にできそうなメカニカルキーボードもう1台ほしいな」でした(すでに散財モード)。で、購入したのがKeychron K2 non-backlight

これらを使いながら、キー数は68が最大値と思うようになっていきます。Keychron旧世代は作りもいまいちで筐体自体が静音というより音が鳴ることを前提としているところがあり、打鍵感も配慮が足りないので所持している価値が感じられなくなり売却。思い返すと愛着の沸かないプロダクトでした。ラインナップもあまり意味のない細分化がされていて作り手の思いが感じられないのが原因かも。。

好みがはっきりした時代(いまココ)

Mojo68は不動の四番(死語)で、職場ではHHKBを使っていてそれなりの安定感があったのですが、下のブログを見てからそわそわし始めます。

で、半月後にはKeyball44を組み立てていました。

分割キーボードのメリットは個人的には無刻印でもキーの配置に迷いが生じないことです。Corne系はキーが1Uのキーが多いですが、Cherryプロファイルなど傾斜のついたキーキャップだとレジェントを合わせると傾斜にずれが生じたりします。普通はXDAなど傾斜のないものを使うのでしょうが、傾斜のついたものを使いたいとなったとき、自分のキーマップと1Uの適切なレジェントのものを見つけるのは結構ストレスで、だったら無刻印化するほうが面倒がなくていいやとなったりもします。そのとき無刻印でも問題のない分割キーボードは使いやすい選択になります。デメリットは持ち運びでしょうか。2つのコントローラを持つイメージになるのでコンパクトな一体型より持ちにくい。

その後いくつかの自作キーボードキットを組み立てるものの、Keyballに代わるものはなく現在に至ります。Keyballのメリットはコンパクトでマウスが必要ないので机が圧倒的にすっきりすること(有線なので線が邪魔なのがちょっとだけ残念ですが)。テレワーク中に仕事用と自宅用のPC両方を1台のデスク上で使う方多いと思いますが、Keyballなら入力デバイス2つで済みます。これが想像以上に快適だったりします。

いま私がキーボードに求めるものは、
◯コンパクトであること、キー数は68キー以下
◯静音化できること
◯打鍵感がよいもの
◯スイッチやキーキャップなど、いろいろ変化の自由があること
◯US ANSI配列、またはそれに近いキー配列ができること
◯無駄がないもの (キーも筐体も)
◯はんだ付けできるなら、できるほうが楽しい
◯ソフトウェアで工夫ができるもの
上記の裏返しで求めないものは、
✕無駄にでかい、テンキーやファンクションキーがあるものはダメ
✕うるさいもの
✕スカスカ、ペラペラな打鍵感
✕カスタマイズの自由のないもの
✕日本語配列

たったいまは
仕事: Keyball44
プライベート: Keyball39Mojo68を気分によって使い分け
しています。
キーキャップやスイッチを変えれば気分転換もできるので、この組み合わせを変えたり、その他のキーボードがほしいと思うこともなくなりました。
キーマップは、キーボードによる差をなるべくなくす目的でUS ANSIレイアウトに近いものをKeyballは39をベースで作成。44はそれに合わせています。よって両端1列は持て余し気味。。Mojo68は疲れているときや集中して作業するときに使います。キー数44以下だとレイヤー使用になるので無意識の緊張感のようなものがあるような気がします(個人の感想です)。

自分で設計するほど作りたいものやビジョンもないので、時間のかかりそうな設計には踏み込まないと思います。
Mojo68が唯一欠けている点があるとすればアルミケースのもつ剛性感のようなものなので、コンパクトなアルミケースを使った白色のキーボードはあってもいいかなと思いますが、それ以外はいまのところほしいと思えるものがない状態です。ようやくひとつの区切りが来たかなと思います。

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