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[秀逸]Intel N100のミニPC

各所で評価の高いIntel N100、使ってみた印象はやはり秀逸です。

ポイント1 ベンチマーク

CPUのベンチマークはご覧のとおり。そもそもハイスペックを求めるレンジではないですが、少電力の中ではなかなか健闘という感じ。

Celeron N5105との差はわずかに見えますが、実際の使用においてはCeleronとは体感上の差が確実にあります。

ポイント2 どう使うか

自作できるならやりたい派としては、まずはこのCPUを「ファンレスマザーボードに載せて自分好みの構成で使いたい」と思いました。となるとまず候補に上がるのはASRock N100DC-ITXです。現時点では事実上これしか選択肢がありません。

ファンレスで構成できるので、静音や防振対策を施す構成にできます。これにしようかなと思いつつ、N100搭載ミニPCとの価格差があまりないことがひっかかり、スペックを改めて確認することに。結論から言うとメモリがDDR4なら、ファンレス化は魅力だとしても追加コストに見合わないと判断しました。

もともと必要な用途は、
◯常時起動でき、サイクリックなジョブを任せられる安定性
 →NASのジョブ負荷軽減とアドホックなジョブの対応
◯低消費電力
◯BGMや気楽な音楽再生用のPC(ライブラリはNAS)
◯動画視聴やキャプチャでストレスがないもの
というものでした。

ミニPCを選ぶ

Intel N100搭載ミニPCは多くの選択肢があります。
メーカーでいうと
Beelink
TRIGKEY
GMKtec
CHUWI
その他
その他もBeelink/TRIGKEYとマザーボードが同一っぽい仕様で製品の構成要素は似た印象です。このうちBeelink風のものはDDR5の価格が1万円程度高くそれに見合うかが課題です。メモリもSODIMMで拡張可能なので、ディスクとメモリに関して一定の自由度がある普通のミニPCです。
GMKtecとCHUWIはマザーボードが上記とは異なるようで、オンボードで交換が事実上NGなLPDDR5で12GBですが、価格はBeelink風のDDR4で16GBと同じくらい。 メモリに関しては実際の利用時の体感に結構影響するので妥協したくないところ。平常時でも最低4GBは消費する上なにかと無駄なメモリ消費の多いWindowsなら16GBは必須と思いますが、Ubuntuならアイドル時は1.8GBくらいに抑えることが可能なので12GBでも良しと判断。
となると候補は以下のふたつです。
GMtec NucBox G2
CHUWI LarkBox X2023

両者の差はまずOSでNucBoxはWindows11Pro。WindowsでリモートアクセスしたいならNucBoxになります。サイズもNucBoxがコンパクトでいろいろな利用シーンで活躍できそう。一方ディスクアクセスの実測値をみるとCHUWI LarkBox X2023のほうがやや早い模様。Linuxかつ据え置きで使う前提でCHUWI LarkBox X2023をチョイス。CHUWIは昔Heroboxを同じ用途で使っていて安定性は問題なかったのでそれも購入動機のひとつですが、正直この2製品どちらでも良いと思います。

導入と試用

OSはUbuntu前提なのでまずはWindowsを削除。この機種なるべくユーザーの自由を制約しようとしているようで、起動時の画面でDELキーでのUEFI起動ができない(F2キーでは起動可能)だったり、UEFIメニューも制限あったりしていますが、必要最低限のことはできます。

ミニPCでよくあるサイズ

Ubuntuをインストールして、比較的重めのソフトウェアの更新を実施。

明らかにCeleron J4✕シリーズより早い

もともと想定していた用途であるNASライブラリの音楽再生やビデオ再生及びキャプチャなどを試してみます。

CPUはそこそこ使うもメモリは余裕

全くストレスを感じません。上記はNASライブラリのMP4ファイルですが、ネットでの動画視聴も問題ありません。ディスプレイ2台を使った動画&OBS Studioも問題なく動作しました。なお画面はHDMIでテレビにつなぎ、普段はデスク上のメインPCからリモートデスクトップで操作すればかなり快適です。(Ubuntuユーザーには周知の事実ですが、Ubuntu標準のリモートアクセスはログインし画面出力状態にしておく必要があります。よって何らかのディスプレイ接続は不可欠です。)
音も静かで上記作業中も気になる音はありません。アイドル時はテレビに接続した2.5インチSSDの動作音のほうが気になるレベルです。基本24時間常時起動で使って約1ヵ月経過しましたが、システムとしての問題やジョブ起動での処理等ソフトウェア動作上の問題もなく安定動作しています。

結論

Intel N100搭載のミニPC、各所でのレビューでも好評価ですが、非常に秀逸です。むろん重めの作業やゲームには不向きですが、低消費電力で安定稼動可能なので、監視カメラの運用や常時起動でのジョブ運用などには最適だと思います。LarkBox X2023の場合は12GB超のメモリ増設が困難なのでOSはWindowsはやめて、お好みのLinuxがよいと思います。サーバにせずともデスクトップ版のLinuxでGUIを使っても安定的にいろいろなことができるのは便利です。Celeronでパフォーマンスにやや不満がある方には買い替えのメリットが十分感じられると思います。おすすめです。

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