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「一歩踏み出す『あなた』を全力で応援するまち」|#訪問体験記

マガジン「福島県南相馬|中のひと、外のひと」では、みなみそうま移住相談窓口よりみち移住コンシェルジュ6名(中の人)と南相馬を訪問した人たち(外の人)とが、それぞれの視点で南相馬での生活や体験を切り取っていきます✍️

今回は、外のひと。
社会人向け仕事・暮らし体験プログラムにご参加いただいた「なかしんさん」、全国を旅する「風の人」の視点、また、大学時代に学び、視察してきた「まちづくり」の視点から、南相馬の魅力を綴ってくださいました。

社会人向け仕事・暮らし体験プログラム
地方移住や地方での起業を検討している方を対象に、南相馬の仕事・暮らしを広く体験してもらうプログラム。3日間、現地に滞在し、南相馬市内での働く環境を見学したり、市内名所の視察などを通じ、南相馬への移住をイメージしていただく時間となりました。



一歩踏み出す『あなた』を全力で応援するまち|風の人

こんにちは。首都圏のベンチャー企業に勤務する新卒1年目の「なかしん」です。

9月の3連休、ご縁があり、MYSH合同会社主催『仕事体験プログラム@社会人』プログラムに参加させていただきました。

実は私、南相馬出身・在住ではなく、また移住者でもありません。学生時代に2日間、フィールドワーク滞在した程度でした。そんな私が2度目の南相馬で何を感じ、考えたのか。
全国を旅する「風の人」の視点、また、大学時代に学び、視察してきた「まちづくり」の視点から、南相馬の魅力をお伝えできればと思います。

本プログラムとの出会い

きっかけは東京で参加した「きっかけ食堂」でした。

私は学生時代までを関西で過ごしており、友人の誘いで何度かきっかけ食堂に足を運んでおりました。そこで知り合ったKさんが偶然、直近で南相馬にIターン。南相馬特集だった8月のきっかけ食堂参加時に再会し、今回のプログラムのお話を伺いました。

私自身、学生時代よりいわゆる町おこし、地域活性化に関心を持っており、長期休暇の度に全国の地域に足を運ぶような人間です。しかしながら南相馬は、小高区の一部に足を踏み入れたことしかありませんでした。

そこで、今回も新たな地域や人の魅力に出会えるのではないか、また、今後の自分自身のまちづくりや地域との在り方の勉強にもなるのではないかと思い、今回のプログラムに参加しました。

滞在中はMYSHのメンバーの方にアテンドいただき、おかげさまでソフト・ハード両面から地域の魅力を知る機会が多くありました。それはただの観光旅では決してできない経験。
地域に入り込むからこそ見えてくるものが多く、3日間ワクワクした状態が途切れることはありませんでした。

プログラムに参加して

南相馬の特徴を3つ挙げるとするなら、私は

1.「小さな一歩」をみんなで応援する文化
2. 行政とまちの人の距離の近さ
3. 伝統と革新が共存するまち

と答えます。

1. 「小さな一歩」をみんなで応援する文化

いまの日常から「小さな一歩」を踏み出したい。でもどうすればいいかわからないし、成功するか分からないので怖い。そうした経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。

南相馬市では、そんな一歩を安心して踏み出すことができる土壌が十分にあるように思います。

移住定住、関係人口の入口にも関心があった私は、アテンドしてくださったGさんに、「まち」としての移住ターゲットを伺いました。

すると返ってきたのは「一歩挑戦したい若者」。
そこに最大の特徴があるように思います。

地方移住の文脈だと、一昔前までは「老後は地方に」が主流でした。そのためか、現在も若者にターゲットを定めた移住施策を取っている自治体は少ないのではないでしょうか。
まして一歩挑戦する、というある種「強気な思い」を持った方をターゲットとしている。

そして、そうした思いを持つ方が徐々に集いはじめていました。

例えば滞在中、日本酒の酒蔵を立ち上げた方、カフェの開業を目指す方、飲食店の課題解決を目指すビジネスを検討中の方など多くの「一歩」を踏み出そうとする若者に出合いました。

ただ、彼らは一人で事業を行っているのかと言うと、そういうわけではなさそうです。
長年地域の旅館を経営してきた方が、その酒蔵の方を応援する。
市の移住支援担当の方が、カフェができたら絶対通うと伝える。
地域の飲食店が、そのビジネスの実証に協力する。

それが「外の人」であっても、熱意があれば「中の人」が応援する文化。

そうした文化は、南相馬の大きな特徴だと感じました。

まちの図書館。書籍だけではなく絵画や音源も充実している。

2. 行政とまちの人の距離の近さ

これまでに私が滞在してきた地域では、地域の「中の人」と「外の人」を繋ぐ文脈でいえば

①中間支援組織がしっかりしており、行政はサブ的な役割
②市役所が主体となって行うが、地域の方とうまくつなぐことができていない

という場合が多かったように思います。

しかしながら南相馬では、担当の市役所職員の方とまちの人の距離が非常に近い。

例えば、先述のカフェの方がデモンストレーションをする、となった際、休日にもかかわらず市役所の担当の方も駆けつけ、いち「まちの人」としての目線で応援する場面がありました。
また、別の方は滞在していたシェアハウスに休日にいらして、移住者や滞在者との交流を楽しむ一面も。

このように、行政とまちの人の距離が近いことで、よりまちの「ひと」の魅力を発信しやすく、またこうした方と連携が取りやすいことで移住後にコミュニティに入る際の不安も軽減され、とても心強い存在なのではないかと感じます。

3.伝統と革新が共存するまち

南相馬地域を語る上で絶対に外せないもの。それは「相馬野馬追」でしょう。
一年に一度の祭典に向け、1年間時間をかけて準備する。だからこそ、地域の方の暮らしに馬が溶け込んでいました。
例えば乗馬体験。
MYSHの方の知り合いの方(個人!)宅で乗馬体験をさせていただきましたが、そのコースは敷地内ではなくなんと農道。対向車の方も特に大きく驚くことなく、軽く言葉を交わして通りすぎる。それほど馬が暮らしに浸透していたのです。

地域の飲食店「鈴木食堂」にて。まちの伝統は日常に溶け込んでいる。

こうした伝統は相馬野馬追だけではありません。

南相馬市は3町の合併により構成されるまちですが、未だ旧町の結束が強く、それぞれが「区」単位での伝統、催し物が多いように思われます。

また、私にとっては日本史の授業でしか聞いたことのない概念「隣組」が残る地域もあり、地域間での結束、帰属意識の強さを感じる部分も多々ありました。

一方で、沿岸部ではロボットテストフィールドが広がり、起業家や先端IT企業の誘致を積極的に行うなど新たな風を取り入れる気質も併せ持ち、まさに「伝統と革新が共存するまち」だと感じます。

今後に向けて

多くの刺激に触れ、関わり、考えた3日間。
今後のキャリアの方向性のひとつとして、地元で地域の案内人を考えている私にとって、南相馬での体験は非常に学びある体験になりました。
そして参加する前との大きな違いはこの「南相馬」という文字に対する親近感が強くなったこと。関東、そして地元に帰ったあとも、ふとみかけたら思わず立ち寄ってしまうことでしょう。

最後の振り返りワークショップを終えて。次に集まった際にはどんな話ができるのか楽しみです。

とはいえ、3日間という短い期間で触れた魅力はほんの一握り。長期的に関わるなかで、また見方も変化する。
他の地域を知るからこそ、見えてくる何かがあることでしょう。
その変化も楽しみながら、しばらくは「風の人」として、またいちファンとして、このまちに関わっていくことができればと考えています。


なかしんさん、素敵なメッセージをありがとうございました。
MYSHでは、年間を通じてさまざまなプログラムを運営しております。

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