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「ScrapからBuild、そして」|#訪問体験記

今回は、12月に開催されたロボット体験プログラムに参加された佐地さんによる南相馬訪問体験記 ✍️

🎤 執筆者 Profile   
佐地さん / 東京都在住25歳、都内のメーカーでソフトウェアエンジニアとして業務に従事。

都内でソフトウェアエンジニア🖥として働かれている中で、なぜこのプログラムに参加したのか、そして、現地で何を感じたのか。

ぜひ皆さん、佐地さんの素敵な記事をお楽しみください☺️✨

マガジン📚 #南相馬訪問体験記
移住相談窓口よりみちのプログラムを通じて、南相馬を訪問した「外の人」たちの訪問体験記。このまちでしかできない体験や人との交流などを通じて、感じたこと思ったことを執筆していただくシリーズ✍️


復興のその先にあるもの。ブラタモリ好きな25歳ソフトウェアエンジニアが見た、南相馬の今

東京都在住25歳、都内のメーカーでソフトウェアエンジニアとして業務に従事している佐地と申します。

昨年までは院生として宇宙初期の物理を、標準模型を超える物理で予言するという研究をしておりました。バリバリの理系です。

僕の趣味はズバリ「一人ブラタモリ」(←え、文系チックな)。
普段は住んでいる街の周辺を歩いたり、自転車に乗ったりしながら面白いものはないか、新たな発見はないか探しています。
ちょっとマニアックな話になるのですが、僕の好みは陸軍(師団)跡地や線路跡です。いいですよね、街に残る軍関係の地名や土地活用、絶妙な道の曲がり具合と道幅。「昔の人の動き、物流はどうなっていたんだろう?」と妄想が捗ります。そんな僕が特に好きなのは京都の伏見でして…

というのはまたの機会にしまして、
そんな背景をもつ僕がなぜ南相馬に訪れたのか、そのきっかけ・理由をお伝えしておこうと思います。

南相馬との出会い

東京都にある起業家支援施設Startup Hub Tokyoの北園くんと知り合いまして、彼から紹介を受けたのがきっかけです。

最初は
「被災地の南相馬はどうなってるんやろ?」
「交通費サポートを受けられる可能性がある・・・」
というのが正直なところでした。

それに加えて少しまじめなところでいうと、
「地方特有の課題が見つかるかもしれない」
「スタートアップ企業が結構できてきているらしい。起業を視野に入れているし、スタートアップ企業を実際に見てみたい」
という理由で南相馬に行ってみようと決めました。

つまり、正直なところ、南相馬のことを詳しく知る前に、参加を決めたということになります。

そんな僕が今回のプログラムを通じて今感じているものを正直に話させてもらいます。

僕が感じた南相馬。ScrapからBuild、そして・・・

端的に表すと「ScrapからBuildへ、そして…」かなと思っています。
ちょっとカッコつけてます笑。

これの意味をきちんと分かってもらい、実感してもらうには一度訪れてみてもらう必要があるかと思いますが、少し説明します。

Scrap:津波による被災のことです。やはり海に近い地域は大半流されてしまいました。
Build:まさに今”復興”の真っ只中です。この”復興”については後で述べます。

そして:「”復興”で済ませる気はないな、この街は」ということです。

これも後で述べます。

「以前の状態に戻す」だけでなく、そこに「+α」することが、南相馬における”復興”なのではないか

まず一般的に使われる復興について認識を合わせておくと、

復興とは、何らかの問題により勢いを失った市町村など地域・集合体の機能を回復させ、以前の状態に戻すこと。災害ではなく、経済的な衰退により復興が求められることもある。例えば地域おこしといった活動は、衰退傾向にある地域に対して産業基盤を整備するなどの活動でてこ入れすること。   

Wikipedia 「復興」 一部抜粋

上記の復興も当然、現在進行形で行われています。
野馬追というのも、広義では復興の対象にあたるのかもしれません。

次に南相馬を訪れる際には、野馬追をテーマとして旧版地形図を手に、趣味である「一人ブラタモリ」をしたい。相馬市という城下町とのつながりも含めて調査したいと思っています。

ただ、南相馬における”復興”はそれだけでなく、
「以前の状態に戻す」+αを意味しています。

これは南相馬でお仕事をされている公務員の方、スタートアップ企業の方、また昔から住んでおられる方みなさんの認識がほぼ一致していました。この認識が一致しているというのは、今振り返ってみると凄いことです。

一人ひとり異なる+αを持っておられましたが、実際に形になってきている例として、

・ロボットテストフィールド周辺地帯のスタートアップ企業群
・小高における個人スタートアップ

かと思います。

少し言い方が難しいのですが、震災によるscrapをチャンスにして、scrap and buildを実現しようとしているような気がします。

地域課題に向き合うことが、”復興”のその先につながる

そんな+αを含めた”復興”真っ只中の南相馬ですが、「”復興”で済ませる気はないな、この街は」というのは、単に南相馬が発展して終わりでなく、「南相馬から日本を盛り上げる」そんな可能性を秘めた街のように思っています。

これは一度scrapされた街だからこそできることなのかもしれない、そう感じます。

ただ、正直なところ、これが実現するかどうかは僕には分かりません。なぜならば、実現に向けて、まだ解決しなければならない課題も同時に感じるからです。

・鹿島、原町、小高それぞれの地域につながりを作ること
・適度に(スタートアップ)企業もオープンに活動して、多くの人に認知してもらい業界自体を活性化していくこと
・スタートアップを志す人を支援する場所をもっと増やし、充実させていくこと
・「チャレンジするなら南相馬から」という風潮を作ること
・そして上記の課題に取り掛かるフェーズに至ること(つまり、まだ取り掛かるフェーズにないと思っています)

etc.…

ただ、このように課題が多いということを、それだけ多くのチャンスがあると捉えることで、復興の先が見えてくるように僕は思います。

南相馬で感じた3つのこと。行かなければわからないことが必ずある。

南相馬という地域を知ることなく南相馬を訪れたわけですが、現地での体験は、今後の自分のあり方を考えるきっかけをくれました。

〈南相馬で感じたこと〉
・人とのつながりを大切に
・「まずやってみる」これを実践する
・将来的に、南相馬を含めた地方をサブ拠点にする

現地に足を運んだからこそ、多くの気づきがあることを再認識した3日間。また、ぜひまた現地に足を運び、自分自身と向き合う機会を考えていきたいと思います。

皆さんもぜひ機会があれば、南相馬に足を運んでみてください!


〜よりみちマガジン編集部より✍️〜

普段暮らしているエリアを飛び出し、新しい地域で新しい体験をされたことで、また違った角度からご自身への理解を深めることにつながったのではないでしょうか。

よりみちでは、多様な体験プログラムを南相馬市で実施しており、こちらのマガジンでは、プログラム参加者の方々の #訪問体験記 を紹介しております。

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さて、次回は、よりみちで働く中の人が綴る #よりみち奮闘記 をお届けする予定です✍️ぜひ、お楽しみに😊✨

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