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街づくりの新しいフェーズのモデルになる、パイオニア都市「南相馬」|#訪問体験記

マガジン「福島県南相馬|中のひと、外のひと」では、みなみそうま移住相談窓口よりみち移住コンシェルジュ7名(中の人)と南相馬を訪問した人たち(外の人)とが、それぞれの視点で南相馬での生活や体験を切り取っていきます✍️

今回は、外の人。
ゴールデンウィークの4日間、体験プログラム~大学生インターン型~に参加したあみさんの記事です📒

「仕事・暮らし体験プログラム」とは?
南相馬での仕事や暮らしを通じて、自然・文化・食・人との交流を体験することができるプログラム。
内容は、南相馬の異なる要素が組み合わされた全6種類。
実際に現地に滞在することで、普段の生活では気付かない、心が揺さぶられるような “何か” を見つけることができる、体験型のプログラムです。


こんにちは。現在、上智大学3年生のあみです。

学外では、大学生5人のメンバーで日本酒のプロジェクトに取り組み、日本酒の仕込みからプロデュース、プロモーションまで行い、日本酒バルの店舗運営や、日本酒を提供する音楽イベント等を主催しています。

最初は、「ゴールデンウィークの貴重な休みを充実させたい!」という軽い気持ちからはじまり、色んなご縁で、この4日間の南相馬体験プログラムに参加させていただくことになりました。

都内の大学に通う学生として、南相馬を訪問してみて素直に感じたこと、感動したこと、考えさせられたこと等々、綴りたいと思います。

東京での、充実しつつもせわしない毎日にどこかもやもやを感じ、地方に行ってみようかな~と考えている学生や大人の方の後押しになれば幸いです。

甲冑を来て乗馬という貴重な体験 @福島馬術連盟

⑴受け皿としての魅力と価値

大学生活の中で、地方に足を運んで地元の方々と交流し、ローカルな暮らしを体験する機会は頻繁に作ってきましたが、福島に訪れるのははじめてでした。

そんな私が4日間、福島の南相馬で過ごし、抱いた印象は…

「街づくりの新しいフェーズのモデルになる、パイオニア都市」!!!です。

なぜこう思うに至ったのか、2つに分けて考えてみました。

①多様性を推進するキャパシティの広さ

【地元の方の受け入れる姿勢】

滞在2日目に、昔から続くお味噌屋さんにお話を聞きに行きました。

お味噌屋さんの若松さんの言葉で印象的だったのが、
「変化しないと潰れていく」という言葉です。

震災のあとは特に、めっきり人が少なくなり、売上もガクンと落ちてしまったそうです。国から出る補助金に頼るにも限界があり、「時代に合わせた商売をするために変わるのは今だと思った」とおっしゃっていました。それからはECサイトでの販売や、イベント出展などを積極的に行ったそうです。

伝統のあるお店の方がこのように話されていて、
文化継承の本質を理解し、柔軟に対応していく勇気のある人がいるからこそ、長い年月をかけて築かれたものがこれからも守られ、時代と共に変化しながら引き継がれていくと実感し、明るい気持ちになりました。

【震災を乗り越えた経験と土壌】

南相馬には、自由意志が歓迎されている、自然な、調和された空気が流れている感じがします。

街自体には、強烈なコンセプトや、それをめがけて人が集まってくるような、まちならではの名物があるという印象はあまり受けませんでした。

しかし、言い換えると、震災で一度まっさらになったからこそ、
ゼロからイチの創出の挑戦を、行政の制度としても、活用できる資源や環境としても、補助・応援してくれる街であるということが分かりました。

地方に訪れると、
「右肩下がりを食い止めるためにはどのような工夫ができるか」
という前提のもと、考えることがほとんどでした。

ですが南相馬は、
「地元民」「新規」に限らず、
意欲をもって挑戦する人を応援し、多様性の尊重を実現している、
地方の新たなモデル都市だと感じました。

②突出した個性が集中する、小さなアメリカ

あまりいい比喩が思いつかず、表現が正しいか定かではありませんが、
南相馬は「小さなアメリカ」という表現がしっくりきました。

「サラダボウル」の概念でも説明されるアメリカは、
世界中から人が集まってできた一つの国です。

ちなみに「サラダボウル」の概念とは…
「様々な種類の野菜を入れて混ざり合っていると同時に、個々の野菜が本来の形味の特徴を失うことがないように共存している状態」のことを指すそうです。

同じように南相馬は、日本各地から人が集まって皆が互いの挑戦を応援する一つの地域であるように感じました。さらに、その中でも一人ひとりが個性あふれる、自立した個人として自己実現できるよう、サポートし合う関係性が体現されていたように思いました。

その個性も、ひときわクセの強い(素晴らしい)ものが多く、大感激でした。

特に、完成された世界観のなかでサウナが楽しめる「サウナ発達」、
ジャンルを超えた酒づくりを様々な形で追求する「haccoba」や、
手ぶらでBBQができる農家民宿「いちばん星」などなど、、

「サウナ発達」の施設の一部、、 世界観に引き込まれました。 @サウナ発達

それぞれ魅了されるコンセプトを掲げ、ユニークで斬新な活動をされている方がたくさんいました。(私もこんな大人になれたらいいなあ)
私の言葉では伝えきれないため、各ホームページや観光ブックをご覧ください。

また、「平山師匠」という、人生の経験値が人柄に柔らかくにじみ出ているような、芯がありつつ優しさで包んでくれる農家のおじいちゃんとも、電話番号を交換したりしました。
ガイドブックには載っていないような、南相馬の個性的な魅力も発見出来ました。

MYSH畑と平山師匠

⑵自立と協力の爽やかなバランス感

【個人事業主】

体験プログラムがはじまってから、
頻出する印象的なキーワードがありました。

「個人事業主」という概念です。

滞在2日目に、小高のコワーキングスペース「小高パイオニアビレッジ」を訪れた際に、「アトリエIriser(イリゼ)」というハンドメイドガラス細工屋さんにも少しお邪魔しました。

そのガラス細工屋さんは、ガラス細工職人の方々がそれぞれ個人事業主として活動しつつ、その中で何人かが集まってユニットを組み、1つのブランドとして商品を売り出しているそうです。

そしてそのガラス細工屋さんを運営しているのが、「株式会社小高ワーカーズベース」さんです。

「多様なローカルビジネスの創出を通じて、自立的で持続可能な地域社会を実現する」

という理念のもと、自己実現のフィールドとしての南相馬の土壌を作っています。

このような、精神的、物理的、経済的自立を推進しながら、互いに強く連携し合えるような程よい距離感を、ビジネスとして実現していることに感銘を受けました。

突き放すわけでもなく、つきまとってくるいやな感じもない。
ほどよい距離感で、恋愛上手(のようなイメージ、、)。
穏やかで、フレキシブル。その中に隠された、軸とパッション。
爽やかで、人間らしい。

私の理想的な働き方をもう一度考えさせられました。

【健全な価値交換】

唐辛子のビジネスを運営する廣畑さんという女性にもお話を伺いました。

廣畑さんのビジネスモットーは、大変勉強になるものでした。

人気者の廣畑さんが、大手の会社から、
「たくさん買う分、安く買わせてほしい」
との依頼を即答で拒否したそうです。

廣畑さんの、生産者、仲介者、小売業者に
正しい価格が返ってくるような、徹底された価格設定。

南相馬にて事業を起こしている方について考えていたら、
「ポジティブなプライド」という言葉が浮かんできました。

みんなにとって持続的なビジネスになるような廣畑さんの徹底された価格設定、
Haccobaの主に地元の方に楽しんでもらうための数量限定販売、
などなど。。

資本主義、競争社会が生み出した
大量生産、大量消費。。

大変な学びになりました。。

自分は何をいちばんの優先順位とするのか?
公平性?お金?質?環境?
(全部バランスよくほしい。。。)

廣畑さんのお話を利かせていただいたあとの集合写真 @小高工房

⑶地に足を着けつつ大きく構想し、前進し続ける

南相馬に訪れて、改めて人との出会いが生み出すエネルギーを実感しました。

また、それと同じくらいのパワーを持つのが、
「自分の立ち位置を定め、その刀を磨き続ける」
ということ。私であれば、その刀は、日本酒の活動にあたります。

日本酒の活動をしていなければ、南相馬の方々と出会うこともなく、
今ほど俯瞰的に、本質的に考えて社会を見ることや、
自分や周囲の人たちと向き合うことは出来ていなかったんだろうと思います。

MYSHのリクさんが主催している「高校生のキャリア相談会」に参加させていただいた際にも考えたのですが、

私は中学生・高校生の頃から、色んな事に手を出しすぎていて、自分に洗練された一つの武器がないことにかなりコンプレックスを感じていました。

あれでもない、これでもない。。と悩んでいた当時の私ですが、
ツール(刀)はなんでもよくて、1つのツールを持っておくだけで、
どんどん人生が、世界が広がって、繋がって、浮かび上がってくる!
だから、どんどん経験して好奇心のままに追求してみてと、教えてあげたいです。

また、温かすぎるMYSHのメンバーの皆様や、元青山学院大学の准教授の方などから、たくさんアドバイスを頂き、内側に眠っていた気付きがたくさんありました。
可能性は無限大なんだと実感し、癒されました。

これからは、自分の理想も、夢物語ではなく、
自分の選択と決断によって決まっていくのだなあ、とひしひしと感じました。

満月の日、東ヶ丘公園にてエネルギーチャージ!

リセットと癒しの4日間

ゴールデンウィークを南相馬で過ごし、
ゆったりと流れる心地よい時間の流れや、感情に色が載っているような感覚がありました。

東京に帰り、
7つくらいの違うことを同時並行する、
社会の中でもみくちゃになる日々を過ごしていると、
あの感覚は1週間で完全に消え去ってしまいました。。

とにかく!
MYSHメンバーの皆様が温かい空間にむかい入れてくださって、純粋に楽しみながら思考もどんどん成長するような、、濃く!充実と癒しがが詰め込まれた4日間でした。

プログラムを共に体験した同級生のミミと、「文化は流動的なもの」ということを再認識しました。伝統を引き継ぎながら変革をもたらし、人間社会の豊かさに貢献できる人になりたいと思います!

また戻ってきます!
それまで見ててください♪

ホストファミリーにお別れを言ってさみしくなるような気持ちでした @原町駅

あみさん、素敵な記事をありがとうございました👏

参加前の意気込み・参加後の感想を動画にまとめています☺️
こちらも、よかったらご覧ください~👇

📢あみさんが参加した「高校生キャリア相談会」の詳細はこちら👇

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