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あの時の私、がんばってたな!

「もう暗くなるんだ…」


夕方の4時頃には暗くなり始め、ものすごく物悲しかったのを覚えている。


約17年前、まだ半年にも満たない長男連れで、愛媛県から東京都に夫の転職で引っ越しした。

近くに知り合いも身内もいない。(電車移動で会える距離に義妹がいたが、小さな子連れで会うには遠かった)

夫は転職したばかりで会社に慣れるのに精一杯、自分のことでいっぱいいっぱい。

寒すぎるから(晴れてるのに風が冷たいのが衝撃だった)、外出もままならないという状況。



前住んでいたところより、日暮れの時間が1時間くらい早かった。

夜が来るのが早い。

それがとてもとても物悲しかった。



ローカルラジオが唯一のお友達みたいな状況。
地域の情報も得ようと、毎日聴いていた。

聴きながら泣いていた。

 


それからしばらくして、少し暖かくなりかけた頃、病院にかかった時に声をかけてきてくれた赤ちゃん連れのお母さんがいた。


話をすると子ども達が同級生だということがわかった。

はじめて友達ができた。

その友人からまた同級生の赤ちゃんがいる友達を紹介してもらって、私の世界は徐々に広がっていった。

彼女は、地元の子だったので、色々教えてくれた。

ローカルラジオを聴く時間が減っていった。



東京生活にも慣れてきた頃、久しぶりにローカルラジオを聴いた。

聴いたら、一瞬にして、引っ越し当初に引き戻された。

寂しさや悲しさや苦しさが一気に思い出され、聴きたくないと思った。 

そして、二度と聴かなかった。



それくらい、私がんばってたんだな。



ま、それから育児暗黒期時代が長らく続くことになるのだけど、今日のお題を聞いて思い出したのはこのことだった。

ほんとよくがんばってたよ私。