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Button City 紹介・感想(ネタバレなし)【ボタンシティ】

先日発売されたButton Cityのエンディングまで進めたので、簡単に紹介と感想を書きます。今回はネタバレなしの紹介中心です。Button Cityは、友情とゲームセンターをテーマにしたアドベンチャーゲームです。街唯一のゲームセンターであるボタンシティを潰そうとするネコ、ペパーミント・ペパーボトムに立ち向かう、というストーリー。プレイヤーはこの街に引っ越してきたばかりのキツネの男の子、フェンネルとして、アーケードゲームで遊んだりレモネードを作ったり……

本作の特徴として、物語中心のアドベンチャーゲームでありながらゲーム内のゲーセンで実際に遊べるアーケードゲームが収録されていることがあげられます。そのなかには4対4で戦うゲーム(ゴバボット)があり、主人公が所属するチームFluff Squad(フラッフチーム)とライバルチームのTuff Fluffs(タフ・フラフィーズ)との対戦要素が物語を豊かにしています。

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本作のプログラマー兼ライターのRyan Woodward氏へのインタビューでは、本作に影響を与えたゲームの例として、『Night in the Woods』や、『怪獣が出る金曜日』が紹介されています。加えて、氏の子ども時代にあたる90年代の様々なおもちゃやキッズカルチャー、自身の経験から影響を受けているとのこと。
https://halfglassgaming.com/2021/07/button-city-interview-arcade-inspiration-90s-nostalgia-and-expression-through-games/

アートディレクターのShandiin Yazzie Woodward氏へのインタビューでは、ゲームセンターやゲーム・コミュニティでのより具体的な経験が述べられています。近くにラウンドワンができたこととか。加えてゲーム内の表現や開発チームにおける多様性(diversity)についても紹介されています。フラッフチームのメンバーで車椅子を使っているウサギのチャイブのサイドクエストは私も気に入っています。
https://www.cgmagonline.com/2021/08/09/subliminal-gaming-button-city/

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多様性を重視する開発チームの思想が表出している点として、本作のアクセシビリティ設定が挙げられます。本作では、テキストの効果や色のオンオフだけでなく、フォントの種類とフォントサイズを変更できます。これらの設定が可能なゲームは珍しいと思います。Switchで発売されているゲームに対して携帯モード時の文字が小さいという言説を目にすることが多いので、多くのプレイヤーに対して意味のある設定項目だと言えるでしょう。

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Button Cityは、Wholesome Direct 2020 での初公開以来ずっと楽しみにしてきた作品でした。2020年9月のPAX Onlineで公開されたデモ版において、オンラインイベントとリンクした演出がすばらしかったことを、以前書いたLudoNarraCon 2021の記事で紹介しました。こちらを見ていただければ、私が本作に期待を寄せていた理由の一端が見えるかと思います。

なお、現在でもSteamで公開されているデモ版では、本編では登場しないオリジナルストーリーが展開されています。子どもの日を記念してすべてのゲームが無料で遊べるボタンシティを舞台にした日常回で、普段とは異なるメンバーでチームを組んでゴバボットに挑戦します。本編以上に活気に溢れたボタンシティを見ることができるだけでなく、自身のチームに誘うためのちょっとした会話やクエストもあります。特に本編ではあまり会話する機会のないタフ・フラフィーズの面々と結構話すことができ、本編のストーリー補完になっています。特にネズミのカイエンのエピソードが好きですね(このあたりはいずれ書くネタバレ感想で)。デモ版は現在英語のみですが、Button Cityが気に入った方はプレイしてみるといいでしょう。


本作最大の魅力は、フラッフチームの各キャラの(少し重たい)家庭事情のお話と、ゲームセンターを通した友情の物語とを上手なバランスで描いていることだと私は考えています。ユーモア溢れる会話や結末が予想しやすいメインストーリーの合間合間に、少し考えさせられる台詞や回想が挿入されているのです。しかし、それらをプレイヤーの心を極端に抉ることなく描いており、本作の柔らかい雰囲気を損うことはありません。

このあたりはどうしてもネタバレになってしまうので、今回はここでとどめておきます。各キャラに焦点を合わせたネタバレ感想記事を後日掲載予定です。

Button Cityは、Steam、Switch、Xbox Series X|Sで配信中。PS5版の日本発売は後日とのこと。



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