LudoNarraCon 2021 おすすめゲーム5選

オンラインイベントの紹介ばかり記事にしている本ブログ。今回は2021年4月23日から26日に開催されるLudoNarraConについて紹介するだけでなく、筆者おすすめゲーム5作品を紹介します。(Steamの情報を見たところ、日本時間で24日午前2時からはじまるようです。)

LudoNarraConとは?

LudoNarraConは、パブリッシャーのFellow Traveler が主催する、ナラティブゲームを取り上げるデジタルイベントです。Fellow Travelerが出版している作品としては、Paradise Killer や In Other Waters などが有名だと思います。

今年で3回目となるLudoNarraConでは、Steam上での体験版配信、開発者等が登壇するパネルディスカッション・トークイベントが予定されています。さらに今年は、限定コンテンツを詰め合わせたサポートパックの販売も予定されています。この中には出展作品のサントラや壁紙だけでなく、Kind Words (lo fi chill beats to write to)で著名なディベロッパーPopcannibalがLudoNarraConのために開発した限定ゲーム Cyranoが含まれています。

それでは、LudoNarraCon出展作品のなかで、これまで私がプレイしたおすすめのゲームを5つ紹介します。筆者はWholesomeでケモノなゲームばかり遊んでいるので、紹介作品に偏りがあることをご承知おきください。また、紹介する順番はおすすめ順ではありません。

1 Button City (Subliminal)

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キツネのフェンネルとその仲間たちが、Button Cityのゲームセンター閉鎖の危機を救うべく立ち上げる、ローポリな画風で描かれるナラティブアドベンチャー。本作の特徴として、物語中心のゲームでありながらゲーム内のゲーセンで実際に遊べるミニゲームがいくつか収録されていることがあげられます。そのなかには4対4で戦うミニゲームがあり、主人公が所属するチームFluff SquadとライバルチームのTuff Fluffsとの対戦要素が物語を豊かにしています。

私が初めて体験版をプレイしたのが2020年9月のPAX Online開催時期だったのですが、そのときの企画が凄かったのです。PAXはゲームイベントの中でもゲームファン向けの性格が強いものでした。2020年は実地イベントを中止せざるを得なくなり、代わりの企画としてオンラインイベントが開催されました。Button Cityは単に体験版の公開を行うに留まらず、オンラインブース(サイト)のButton-Conを開設しました。

Button-Conでは、Fluff SquadとTuff Fluffsの面々がブース出展している設定で、フェンネルのペーパークラフトやTuff FluffのZine(同人誌)を頒布していたのです!会場でのグッズ頒布さながらの取り組みで、リアルイベントに行ったかのような体験をすることができました。公開されていたペーパークラフトの完成度の高さは言うに及ばずですが、体験版でTuff Fluffのメンバーの一人を仲間に加えるためには、Zineを読んでTuff Fluffのモットーを理解する必要があったのです!

オンラインイベントのブースの在り方に一石を投じた作品であり、みなさんにも是非体験版とButton-Conをセットで体験してもらいたいです!

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↑ 頒布された図面を普通のA4コピー紙に印刷して作りました。

2 Cozy Grove (Spry Fox)

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Cozy Groveは、Spiritfarer(後述)とどうぶつの森を掛け合わせたようなライフシミュレーションです。スピリットスカウトとして、呪われた島Cozy Groveでキャンプをしながら成仏できない亡霊(クマ)の助けていきます。ゲーム内の時間は現実世界と同期しており、1日で進められるストーリーに制限があるため、毎日30分プレイするくらいがちょうどいいゲームです。

最初はやることが限られていますが、島のデコレーションを充実させていき、植物や動物からのリソース収益を最大化するような配置を考えたりと、少しずつ頭を使うゲームになっていきます。翻訳の問題等で日本での評価は芳しくないですが、ストーリーの根幹にかかわる台詞の翻訳は問題ないと思います。どうぶつの森のようなコミュニケーションを求めると肩透かしを食らいますが、Spiritfarerよりリソースマネジメント要素が強く、Spiritfarerを楽しめた人にはおすすめの作品です。

3 Unpacking (Witch Beam)

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お引っ越しの荷ほどきを体験できる、禅パズルゲーム。大量の引っ越しダンボールから荷物を取り出し、テトリスのようにうまく敷き詰め、そして自由に部屋をデコレーションしていきます。物品ごとに、例えば棚の中に収納しないといけない、床に置いてはいけない、などの制約があり、限られたスペースをうまく使いつつも、個性的なお部屋を作っていきます。音作りが凝っていて物を置くときの音が気持ちよく、黙々とプレイしてしまう魅力があります。

これだけ聞くとなぜナラティブゲームを取り上げるLudoNarraConに出展しているのか疑問に思われるでしょう。Unpackingはゲームシステムとしては上記の通りでありながらも、引っ越しを通して物語を間接的に語っているのです。ゲーム中で主人公は8回の引っ越しを行うのですが、それぞれ引っ越した年が記されます。そして荷ほどきを通して、主人公が引っ越し作業のなかで何を捨て、何を残し、今どのような生活をしているのかを伺うことができます。主人公の生活や心境を想像する手段として、引っ越しに焦点を合わせているのです。

これが開発者の説明なのですが、上記スクショにある最初の子ども部屋での荷ほどきでは、プレイヤー側にかなり自由な妄想を膨らませることを許容する要素がちりばめられています。例えば、お絵かきの道具からサッカーのトロフィーなど、様々な趣味のアイテムが用意されており、様々な主人公像を演出することが可能です。例えばサッカーボールや縄跳びを手に取りやすい位置に、トロフィーも見やすい位置に飾ることで運動好きの子、他方で運動の道具は棚にしまって見えないようにし、お絵かき道具を机いっぱいに広げることで、お絵かき好きの子を表現することができました。妄想膨らむ要素の他の例として、少しネタバレになるのですが、とあるアイテムは置き場所の制約が極端にキツく、許される位置が2カ所しかありません。この情報からこの引っ越しに対する主人公の思いを想像することができます。

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2020年9月にプレイした際には2つのステージを遊ぶことができました。開発が進展してこれまで公開されていたステージにも様々な要素が追加されていることが判明しているので、LudoNarraConで体験版を遊ぶのを私も非常に楽しみにしています。UnpackingはLudoNarraConの期間しか体験版のプレイができない可能性が高いので、早めにプレイしてみてください!とってもおすすめです!

4 Spiritfarer (Thunder Lotus Games)

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死をテーマにしたマネジメントアドベンチャー。迷える魂のお世話をしながら、彼らの思いに寄り添い、死後の世界に送り出す物語。ゲーム自体はやることが盛りだくさんで息をつく間もなくやめ時がないです。私も10時間くらい通しでプレイしてしまった記憶があります。

本作については様々なレビューが存在するので詳細は省きますが、日本での不評レビューはストーリー理解の乏しさに起因するものが多いため、レビューなんか気にせずポンとお金を払ってプレイしましょう。なお、本作のストーリーを補完する別売りのアートブックも一緒に購入することをおすすめします。とはいえ、最近配信されたLily Updateの追加要素のおかげでゲーム内でのストーリーがかなりわかりやすくなったので、ゲーム本体だけでも満足できるエンディングを迎えられるかと思います。今後も2回の大型アップデートが予定されているので、まだまだこの世界の広がりは止まりません。

なお、かわいい動物のアニメーションもSpiritfarerの売りの一つですが、私が大好きなのは、相棒猫のダフォディルが主人公ステラの心情や会話に一切興味なさそうにして遊んでいるところとか、元会計士のバス運転手アレックスのファストトラベルシーンですね。

5 Beacon Pines (Hiding Spot)

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ストーリーブックのなかで展開される、かわいくも不気味なアドベンチャーゲームです。ストーリー分岐があるアドベンチャーで、特徴的な点としては、分岐の際にストーリーブックの単語を選択するのですが、その単語をゲーム内で文字取り探したり、別の世界線でしか見つからない単語が存在するということでしょうか。プレスキットによれば、もともとは戦闘ありのリズムRPGとして制作されていたのですが、戦闘ではなくストーリーやキャラクターこそが本作最大の魅力であると考え、ゲームシステムを変更したという経緯があります。

2021年2~3月のKickstarterと同時に体験版が配信されたのですが、主人公Luka君のかわいさと、体験版から続きが気になる分岐にやられて、結構な額をバックしてしまいました…。体験版の最終到達点が4つほどあるのですが、どれもバッドエンド感満載で、日本一ソフトウェア信者の私としては期待しかないですね…。ほんとに魅力的で、ただただみんなにプレイしてほしい……

おまけ:気になる出展作品

最後に、LudoNarraCon出展作品の中で気になる作品を簡単に取り上げます。

● Venice 2089(Safe Place Studio)
予測不可能な潮の満ち引きに悩まされる、かつての観光地ヴェネツィアを舞台に、ダルい系なティーンエイジャー、ノヴァになってホバーボードてヴェネツィアの街を旅するアドベンチャー。独特なアートワークや潮の満ち引きによるルート変更のメカニズム、住民たちの物語などが気になります。

● Paradise Killer(Kaizen Game Works
前々から気になっているオープンワールドマーダーミステリー。調査を進めて好きなタイミングで裁判に移行して自分の信じる推理を語るゲーム(だそうな)。しかも単に殺人事件を捜査するだけでなく、特異なルールで動いているこの世界そのものの仕組みを解き明かしていくアドベンチャーだそうで、非常に評価も高く気になっているのですが、情報が膨大なゲームで英語のみなのが私には厳しく、いつか時間を作ってプレイしたい作品。

(後日で追記するかもしれません)


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