すみれの空 プレイ日記(ネタバレしかない)

2.5Dナラティブアドベンチャーゲーム「すみれの空」を2周プレイしたので感想をば。ネタバレしかないですが、推しへの愛を伝えるためには致し方ないのです。

「すみれの空」はGameTomoが自社開発した初のビデオゲームです。GameTomoは「Cuphead」や「Lost Ember」の日本語訳で有名な会社ですね。「すみれの空」はSteamとSwitchで発売中。ただしSteam版のみアートブックとOSTが購入可能。特にアートブックは「Spiritfarer」のアートブックほどではないにせよマストアイテムなので、Steam版をおすすめします。

【ストーリー】
おばあちゃんを亡くしたスミレ。それをきっかけにお母さんの様子がおかしくなり、お父さんも家に帰ってこない。昔の親友も今では意地悪ばっかしてくる。ある日夢の中でおばあちゃんが何かを伝えようとするも、聞き取れない。飛び起きたスミレは変わった光る種を拾う。そこから生まれたお花さんはおばあちゃんのことを知っていて、とびっきりの一日を見せてくれたらおばあちゃんに会わせてくれるという。スミレはお花さんと一緒にとびっきりの一日を過ごすため、小さな旅に出る……

キャプチャ40

キャプチャ61

道中では動物たちや人間から小さなお使いを依頼されたり、ミニゲームで試練を乗り越えることも。さらに旧友と仲直りしたり仕返ししたり、思い人に告白したりしなかったり、様々な選択を迫られます。時には勇気を振り絞って言葉にすることも必要。なお、よいことをしたり悪いことをしたりすると善悪のカルマが蓄積され、その総計によって物語が分岐します。とはいえ「Life is Strange 2」みたいな結果の分からない難しい選択ではないので、自分の思うままにスミレの運命を見届けることができるでしょう。完全な善人プレイもいいけど、スミレのアンビバレントな気持ちに寄り添うこともよいものです。なお、1日という時間制限が提示されますが、これはプレイ時間に連動したものではなく、物語の進展によって段階的に時間が進むので、焦らなくてもすべてのクエストを達成することができます。

とにかくアートワークが素晴らしい作品。タイトルにもある通り、空の表現が素晴らしい。そしてDS以降のどうぶつの森を彷彿させる地球みたいな球体状の地形デザインも作品のテーマに沿ったものに仕上がっています。なお、横スクロールだけでなく奥行きもあるので、探索見逃しが起きましたね。なお、リードアーティストの小田ハルカさんは、『働くお兄さん!』のキャラデザをされていた方でした。
ちょろっとホラー要素もあるけどびっくりさせる感じではないので、さくっと1500円払って是非プレイしてほしい…


以下、ネタバレしかない感想の羅列になります。少なくともクリア後、できれば2周した後に読んでほしい……。もうプレイした人しか分からない自信ある…。







・窓ガラス割れてる。昼も割れててお母さん気づいてないし、ホントは割れてないかも。
・スミレちゃん制服持ってるし田舎の小学校感ある。町に出るまでの道のりが険しいけど、普段どうやって登校しているの?(ついでに言うとボーもどうやって家までやってきた?)
・フラウィのせいでみんな警戒するお花さん。
・チューリップに妬くお花さん、そしてダジャレでスミレを初めて笑顔にさせるお花さんマジ有能。会話が終わった後も動くまで笑顔が続くから1分間そのままにしてた。
・洗濯物とか暖簾とか布の表現がやたら凝ってる。ここ物理の使いどころさん。
・「私の誕生日の残り物」、ほぼホールまんま残ってるんですよね……お母さんも食べなかったの??つらっ。
・最初のカラスさんの試練、失敗しすぎてお花さんに「もうやめたい?」って言われた。かわいい。
・植物にも色々あって大変なのね…お花さんの世界ではイネさんどうなってるんだろう?
・かかしさんのBad展開、正直本作で一番エグい見た目してると思う。生き物をモノ的に扱うグロさってあるけど、それ以上にやばいね。Badルートでもファストトラベルを使うおかげで目にしない人も多そう。

・かめさん、一文字ずつしゃべる時「。」や「!」も一文字でしゃべるのえらい。
・うさかめさん達、絶対付き合ってるよね…??なんだかんだウサギのお手伝いルートも尊みがありますね。

・ケンジ君、ハム太郎の木村くん感あったけど、なかなか業がつまってていいキャラしてる。いやでも目の前でスミレがお空に飛んでいっても気にしないし、気ぞらしの舞もやってくれるし、おっとり系なのかな?
・ケンジとボーの関係むっちゃ好き。
やっぱりケンジもボーと馬が合うところがあるんだろうし、ボーはケンジのこと親友として好きだし(大好き)、最高に共感できるシチュですねこれは。

・さくらのアクセ、色味的に悪ルートのスミレちゃんに似合ってる。
・三叉路前の鏡、二つだけ入り口が黒く見えたのは何か仕掛けがあったの?理解が追いつかなかった。
・お花さんの世界の隠れる子たち、「She and The Light Bearer」のランさんみたいでかわよ。

キャプチャ46


・昼食シーンが尊い。家帰ってすぐ笑顔で昼食に飛び込むお花さんかわよ…。「熱々のラーメンって大好き!」「ボクは冷たいお水が大好き…」
・「私はお茶、お花さんはお水でいい?」
・お花さんはみんなの心の中に……。お母さんもあの日のことを思い出す日がくることでしょう…
・ハチ語しゃべれるお花さんかわいい。ハチさん好きっ!
・恋バナ興味津々お花さんもかわいいですね。。。
・ランみたいにお高くないお花さん…
・秘密基地の後、おうちにファストトラベルしたらお花さんの花弁1枚散ってしまった…酷使してごめんよぉ……
・ああもうお花さん推す……
・1日で消える推し(お花さん)、マッドラットかな?

・昼食の時こわくてお母さんに打ち明けられなかったけど、温泉では昼に打ち明けたことになってた。フラグ管理エラー?
・アートブック読んだことで知ったカルマ悪ルート、完全なBad Endというよりは、より深く考えさせられる情報をたくさんくれるifみたいなものなので、みなさんも是非やってほしい(「Undertale」みたいな怖さはないよ)。

・ここお花さんの尊みポイントなんですけど、どんなにお花さんが赤くなってしまっても、お花さんは最後までスミレの最高の友達でいつづけてくれるんですよ……。お花さんをスミレのイマジナリーコンパニオンと解釈すると当然なんだけど、素直に泣いてしまう。
昼食の時もどっちの色でも「君はよくやってる」って言ってくれる…
どんな決断をしてもお花さんだけは側にいてくれるんだ……愛ですね……
・なんだかんだフラウィも愛に溢れていたので、似たもの同士かもしれない。お花さんだって暴走すれば他の人達にとって恐ろしい存在になり得ることがわかっている。どうにもならないこともあったけど、スミレは時の流れに逆らって過去のお花さんに戻したんだ。
・最後の丘のシーンやばい、お花さあああぁぁぁぁn………!うう……

・温泉の背景美術はディレクターさんの癖が出てる。
・実績のイラストが花札モチーフになってるのすごくよい。
・最後のスミレの夢手帳、アートブックを見たらわかるけどイラストパターンがとても多い。これそのままLINEスタンプ出せますよ??
・今は辛いけどたくさんの夢を持っているスミレちゃん、ホントお花さんとの一日がたくさんのことを変えてくれた。お母さんもそう。もちろんこの後どう転ぶかはわからないけど、この日を思い出すことができる…。


素晴らしい作品をありがとうございました!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?