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「ふらっと美術館へ」2018年10月(パリ~ナント往復):「TGV(フランス高速鉄道)乗車記録」第15話

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見出し画像:パリ・モンパルナス駅のホームの扉。この年にはじめて、この扉の存在と意味を知った。

*本文中に、写真はありません。
*駅や列車の設備、システムなどは、ひんぱんに変更されます。
記述内容は、あくまでも乗車当時のものであることをご理解ください。
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私の趣味は、美術館めぐりだ。

美術に関する専門知識は乏しいし、そもそも興味のある分野がひどく偏っている。
だから、美術作品に詳しい人と語りあうことなど、とてもできない。
そういう人の話を傾聴して、求められればひとことふたこと感想をのべることができる程度だ。

作品そのものをじっくり鑑賞するというより、美術館の雰囲気を楽しむことが好きなのかもしれない。
絵画や彫刻にかこまれていると、幸せな気分になる。

毎年フランスへ行くようになってから、パリの美術館もずいぶんたくさん訪れた。
押さえておきたいところは、ほぼすべて訪問済みだと思う。
また、好みの美術館へは何度もくりかえし足を運んでいる。

建物自体が美術品のような美術館。
ゆったりと作品が配置された広々とした展示室。
鑑賞後の心地よい疲れを癒す、やわらかい陽光が降りそそぐ中庭。

私にとって、美術館は憩いの場所なのだ。

2018年に、ようやく行くことのできたフランスの美術館がある。
長い改修工事を終えてリニューアルオープンしたナント美術館だ。

ナント美術館は、ジョルジュ・ド・ラ・トゥールというフランスの画家の作品を3点所蔵している。
その作品を、どうしても自分の目で見たかった。

そこで私は、美術館の開館時間を確かめてから、ナント行きのTGVをいそいそと予約した。

***

世界史の授業で、ナントの勅令という言葉を耳にしたことがあるかもしれない。
この勅令は、フランス西部の大都市ナントにあるブルターニュ公爵城で16世紀に出されたものだ。

ブルターニュ公爵城は、ナントの大きな観光スポットとなっている。
城内には歴史博物館がある。
この博物館にも興味があったが、私がナント美術館へ行く予定だった日は、残念ながら休館日だった。

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