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「さまざまな人間模様」2014年10月(パリ~ルクセンブルク往復):「TGV(フランス高速鉄道)乗車記録」第8話

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見出し画像:ルクセンブルク駅。

*本文中に、写真はありません。
*駅や列車の設備、システムなどは、ひんぱんに変更されます。
記述内容は、あくまでも乗車当時のものであることをご理解ください。
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フランスに一歩足を踏みいれたとたん、私は人が変わったようになる。

ひとことでいえば、イキイキと自分をとりもどす。
心が解放されて、安らぎに満たされる。

フランスが好きだ。
とくに、パリが好きだ。

パリは、おしゃれで美しいだけの街ではない。
雑多で殺伐とした面もある。
滞在を重ねるうちに、魅力だけではなく欠点も見えてくる。

文化の違いにとまどい、もどかしい思いをすることもしばしばだ。
いろいろと頭にくる出来事も多い。

それでも、私はパリにいるだけで幸せなのだ。
パリのすべてを受けいれて、楽しんでいる。

しかし、矛盾するようだが、そしてまったく贅沢なことだが、ずっとパリにいると飽きてしまう。
それで、さまざまな都市へ出かけてみるが、パリに戻ってくると、やっぱりパリが一番だと思うのだ。

ところが、この年はパリに戻ってからもしばらくのあいだ、私の心を強くとらえつづけた都市があった。

それは、ルクセンブルクである。

***

2014年は、パリから高速列車で日帰り旅行を4回した。
10泊の滞在中に4回だから、かなりの強行スケジュールだ。

最初はTGVでリヨンへ、次にタリスでブリュッセルと、ユーロスターでロンドンへ、そして最後にふたたびTGVでルクセンブルクへ行った。

2012年にランスを訪れたときから、ルクセンブルクという町が気になっていた。
そのとき乗ったTGVが、ルクセンブルク行きだったからだ。

ルクセンブルクは、フランスに隣接する国ルクセンブルクの同名の首都である。
フランス語圏なので、フランス語が通じる。
パリからTGVで2時間10分から30分程度のため、日帰りが可能だ。

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