「メランコリック」

源田の毎日映画 15日目は日本映画だ。めっちゃ好みの映画だった!

俳優はマジでほんとに誰も知らない人だらけだった。ほんとにどこにでもいそう。ただそれが逆にリアリティを上げている感じがする。
話が面白い。銭湯が死体処理場である、っていう設定がまず面白い。裏社会モノが好きな私にはドンピシャな話だ。最初あのジュキヤと中田ヤスタカを足して2で割ったような金髪男がとことんマヌケそうに見せておいてのネタバラシまでの流れがすごい良かった。小寺さんが死んでからの話は急展開の連続で、クライマックスとなる田中を殺しにいくところの気持ちの高揚感がとてつもなかった。結局鍋岡がケリをつけるわけだが、あくまでも鍋岡は初心者であるというのを強調しているのが良い。鍋岡は決して覚醒したわけではないって感じが。最後あの彼女の秘密で、彼女も裏社会の人間なのかと思ったが、そうではなかった。ただそれで良い。彼女まで裏社会の人だとなんかあくまでもこの映画のオチのもともと普通以外の人間が裏社会に片足を突っ込んでしまうも、なんだかんだありきたりな幸せがいいよねっていうオチが薄れてしまうので、彼女と実家は普通であるべきだった。
カメラワークが独特。カメラを極力動かさず、切り替えのみで淡々と映画が進んでいく。しかしアクションのシーンや慌ただしいシーンはしっかりとカメラを動かす。すごい良い。ちょっとやりすぎなので少し飽きが来てしまうが、話の面白さでカバーできていて良かった。最初鍋岡が死体処理を目撃するシーンやクライマックスのシーンなどカメラワークは凝ってないのにすごいハラハラした。演出がジャマをしない方がたしかにダイレクトに観客に緊迫感を伝えることができる場合もあるのかもしれない。
鍋岡がなぜ東大卒で就職しなかったのかは結局明かされないまま映画は終わる。めちゃくちゃ気になる。もう一度見て理由を考察したいと思う。
エンディングがめーっちゃ良かった。松本の屈託のない笑顔がすごい眩しかった。あとちょくちょく挟まる同じ構図の定点夕食シーン。お腹が空くのでやめてほしい。マジで腹が減った。
タイトルのメランコリックだが前半の主人公はまさにメランコリックな感じがした。しかし徐々に生きる活力を見出して、最後のオチでの笑顔の静止画。どこがメランコリックやねんって感じだった。

将来こういう映画を作りたいなと思った。売れるかどうかは別だけど私はこんな映画が好きだし作りたい。明日もいい映画に出会いたい。

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