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中小企業診断士 2月実務補習参加の振り返り -後半 報告書作成・報告会編-《第3話》

2023年2月に中小企業診断士登録のための実務補習を受けた振り返り記事・後編です。
ヒアリング5件に飛び回った怒涛の前半2日間を終え、皆それぞれ自分のホームグラウンドへと帰っていきました。再開は8日後です。その間は自宅での報告書執筆作業となります。


自宅作業期間

まずは自分の担当分をできるだけ書き進める

実務補習2日目は金曜日(※名古屋地区の場合)。火曜日の夜に中間ミーティングで進捗確認をするということになったので、土日を使って報告書の骨子くらいはできるだけ書き進めておきたいところです。

・・・しかし!
この土日は、夫が友人と1泊2日の旅行に行くということになっていました💦 しかも、私の実務補習申し込みよりもはるか前から決まっていた予定ですし、その時点では「行っておいで〜」と快諾していた手前、ワンオペでがんばるほかありません。
土曜日は保育園で土曜保育をやってるので、普段は利用していないのですがこの日は使わせてもらいました。おかげで、日中ひとりで黙々とWordと向かい合いながらなんとか書き進めることができました。(とはいえ、最初は書くよりもほぼ調べ物中心にはなりますが)

さすがに日曜日は作業断念。その代わり週明け月・火曜日の日中、業務時間を少し削って中間ミーティングに向けた成果物の仕上げを進めました。随時Dropbox上で保存し、他の人にも動きが見えるようにしていました。(他の人が見てたかどうかは不明ですが)

中間ミーティング(Zoom)、原稿修正

Zoomではそれぞれの進捗を確認し、方向性のブレがないかをざっと確認したのと、クライアントである組合の理事の皆様に追加で質問したい項目を取りまとめました。

このときの細かい打ち合わせ内容だとか、診断報告書執筆中に大変だったことなどは「喉元過ぎれば…」でして、正直あまり詳しく覚えていません…。

ただ、つらつらと診断報告書を書いていくと、あらかじめ定めていた「1人10ページ」という基準をいつの間にかオーバーしてしまいます。「多面的に提案する」ということも重要ではあるのですが、現実を考えると、診断報告書のボリュームも報告会の時間も限られています。枝葉の部分は泣く泣く切り捨て、重要ポイントに絞ってあとはバッサリカットするという判断をしました。このあたりの取捨選択も難しいところです。

実務補習3日目・4日目

服装について

さて、いよいよ後半の3日間が始まりました。
私は3日目も前半同様のスーツで行ったのですが、もう少しカジュアルな服装のメンバーもいました。3・4日目は(普通はヒアリングは初日で終わるので、2日目もか)1日中パソコン作業になるので、スーツじゃなくても問題ないと思います。肩凝っちゃいますしね。4日目は私もスーツをやめてオフィスカジュアル的な感じの服装にして、靴もヒールじゃなくぺたんこ靴にしました。

でも、もしかしたらそれをよしとしない指導員の先生もいらっしゃるかもしれませんので、念のため、ヒアリング・報告会以外の日程の服装については班内で確認を取っておくことをおすすめします。

最終日は報告会があるのでスーツに戻しました。

KGIとKPIの明確化

3・4日目の中心作業は、診断報告書のブラッシュアップです。私たちの班の指導員の先生はそこまで頻繁に細かく指摘を入れてくることはなく、班員の主体性にまかせてくれていたのですが、その中で大きな指摘が入った点があります。それは、

「KGIとKPIを明確にしてあげてほしい」

という点です。

  • KGI(Key Goal Indicator)→ 最終的に目指すべき目標、到達点。

  • KPI(Key Performance Indicator)→ KGI達成のために段階的にクリアしていく中間目標・指標。

特に、KPIは具体的に数値として可視化できる形で提示すべし、との指導をいただきました。例えば、何年後に何を何%増やす、とか。
言われてみれば確かにそうだよね、という話ではあるのですが、黙々と作業するフェーズに入ってしまうと意外とこういうことがヌケモレしてしまうことって、実務でもよくある話です。

Wordの書式統一

これはどの班でも悩む、実務補習あるあるだと思います。いくらルールを最初に決めておいても、どうしても1つのWordファイルにマージする段階でズレが出てきてしまいます。

書式統一のためのTipsのひとつとして、「アウトライン表示モード」の活用をおすすめします。細かい説明は割愛しますが、↓のような機能です。

大見出し・中見出し・小見出し のレベルが全体で統一されているかどうかを確認するときに便利です。ぜひご活用ください。

ただ、結局は班にOffice得意な人がいるかどうかという運ゲーな面も否めません…。我が班にはVBA遣いな方がいらっしゃったので、マクロを組んで書式を整形するという力技を発揮してくださいました。それでもかなり大変でしたが。

実務補習5日目(最終日)

プレゼン準備

私たちの班の報告会は、Zoomによるオンライン開催でした。クライアントさんが組合で、理事の方々も愛知県内の色々な地域にいらっしゃったためです。私たちも指導員の先生の会社事務所からの参加で、移動時間がなかったため、ギリギリまで準備時間に使えた点はありがたかったです。

各自Wordの報告書をベースにPowerPointのスライドを作成し、それをマージして発表用スライドとして仕上げました。

そして、発表リハーサル。
報告会は14:30〜16:00の1時間半の予定で、プレゼンは6人が10分ずつ受け持つにしてもそれだけで60分。聞く方が大変です。そして30分が質疑応答など。
診断報告書に書いた内容にすべて触れるのは無理なので、削りに削った診断報告書の中から、発表ではさらに抜粋した部分のみを話すことになります。さらに、全体のストーリーもあるので、どう削るかのさじ加減も難しいところです。

私は、普段より意識してゆっくり話すようにしたのですが、おかげでリハ段階では時間をけっこうオーバーしてしまいました。なので話す内容をもっと削り、ほかは「報告書をご覧ください」でまとめてしまった部分が多いです。(他の方もたいていはそんな感じになったと思います)

いよいよ報告会本番

時間を迎え、Zoomでの報告会が始まりました。診断報告書のWordファイルが事前に指導員の先生を通じて組合理事の方々に送られており、それをご覧いただきながらプレゼンを聞いてもらうという形式でした。
正直ずっと提案を聞くだけの時間は、先方にとってはあまり面白くなかったかもしれません(とても参考になったいうお言葉はいただきましたが…)。

質疑応答の時間では、報告書に織り込んだ内容の中でも、比較的現実的な施策についての質問を多くいただきました。ここは、やはりな…という印象ですが、我々の拙い発表をちゃんと聞いてくださったからこそ、いろいろ質問してくださったんだと思うと本当にありがたい限りです。

そして閉講式へ…

出来はどうあれ、無事に予定通り1時間半の報告会が終わりました。
やれやれ、ほっと一息…もしていられません。今回、診断先への報告書提出はデータ送付で済みましたが、愛知県中小企業診断士協会への提出分を1部印刷して持っていかなくてはいけません。そして、リーダーは別途、「実務補習受講記録」という提出書類を書かされていました。内容の詳細は見せてもらってないのですが、協会事務所へ向かうギリギリまで作業をしていたので、結構面倒な書類だったのかもしれません。報告会が終わってから、協会事務所へ向かうまでの時間がかなりバタバタだったことが印象的でした。

タクシーに分乗し、名古屋駅近くの協会事務所へ到着したのは、終了予定時刻である17時をいくらか過ぎたくらいだったと思います。既に提出を終えた他の班の人たちと入れ違ったりして、それほど広くない協会事務所の会議室が人でごった返していました。

閉講式は、開講式とは違って全班で一斉に行うのではなく、提出を終えた班から順番に会議室で行うという形でした。ちょうど提出が同じタイミングになった別の班とあわせて、2班合同で閉講式が始まりました。

閉講式は、県協会の会長のあいさつの後、事務担当の方から諸手続きについて説明があり、その後「実務補習修了証書」の授与が行われました。卒業式のように、会長が受講者1人1人の名前を呼び、証書を手渡しするという味わい深い時間でした。
何はともあれ、このA4の紙をもらうために約2週間頑張ってきたわけです。これで晴れて5ポイントゲットです!(登録申請のときに中小企業庁に送ってしまったのでもう手元にありません。コピーを取っておけばよかった…)

閉講式の時間は20分くらいだったと思います。それほどかかりませんでした。このあたりは会長のお話の長さ次第といったところでしょう(笑)

おまけ: 打ち上げやりました!

閉講式終了後は、名古屋駅近くのお店で打ち上げをやりました!その日のうちに新幹線で地元へ帰る方もいますので限られた時間ではありましたが、私個人としてもめちゃくちゃ久しぶりの飲み会で、それはそれは楽しい時間でした。

実務補習全体を通しての感想

実務補習は、単発の診断・提案しかできないゆえの難しさがあるというのが正直な感想です。

通常の仕事としての診断業務ではない、実務補習でどの程度のクオリティーの報告書を目指すか、というのは指導員の先生の方針が分かれるのかな…という印象を受けました。いや、クオリティーというと語弊があるかもしれません。受講生はスキル・経験とも圧倒的に足りないなりに自分たちができる最高のものを作ろうと皆必死です。
そういう意味でのクオリティーではなくて、

  • 徹底的な現実主義で、「この人たち(診断先企業)が今できるのはこのくらいなので、そのレベルに合わせた提案のみでまとめる」という方針

  • ちょっと背伸びをした理想主義で、「こんな可能性もあるよ、あんなこともできるよ、など、少し夢を見せてあげるような提案にする」という方針

どちらの方向性を取るのか、というのは班によって分かれそうです。どちらが正解ってことはないと思います。
今後も継続して支援していくような実際の診断業務であれば、まずは現実主義の前者からスタートするのがよさそうな気がします。しかし、あくまで実務補習と割り切り、普通のお仕事ではなかなか出せないような提案をあえて出していくというのもアリなのかもしれません。

今回の私たちの班は、どちらかというと後者に近い方向性になりました。時事ネタや他業種の先進事例も取り入れながら、正直、実現は難しいかな…という提案もあえて含めています。(こういった時事ネタや先進事例は、指導員の先生から紹介されたものも多かったです。その時は、いきなり無茶振り入れてきますね…と思ったのですが、こういうのが上述した「少し夢を見せてあげる」ことなんだなぁと思いました。そして、指導員の先生の情報収集力の凄さに脱帽もしたわけです)

とはいえ、全てが理想主義というわけではなく、施策をいくつかのフェーズに分けて、すぐできること、次にやること、最終的に目指すこと、を順に出していくような流れになりました。(おかげでなかなか編集は難しかったです…)

今後、実務補習を受けられる方は、自分たちの班の提案の方向性が上記のどちらに近いかを意識してみるとよいのかな、と思いました。

以上、実務補習後半の振り返りでした。
私は実務補習は1回しか受けず、残り10ポイントは既存のお取引先さん等の協力のもと実務従事でクリアすることにしたため、実務補習関連の記事はこれでおしまいです。

次回以降は、実務補習が終わってから、登録までにどんなことをしていたのかを振り返ります。
質問があれば、コメントかX(旧Twitter)、マシュマロにてお寄せください。


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