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知識整理・論点見抜く・一貫性をもってやり抜く【診断士2次事例Ⅰ】1年目受験生の取り組み例 《第14話》

第11話第12話で、中小企業診断士試験 2次試験の事例Ⅳの経験について詳しく書きました。せっかくなので、事例Ⅰ・Ⅱ・Ⅲについても触れておこうと思います。

しかし正直、最低限の学習期間で、点数もギリギリ61, 62点で逃げ切ったという結果なので、こうすればよいと自信を持って言えるようなメソッドはありません。
もう一度受験してまた合格できるかどうか?と聞かれても、自信は全くありません。あともう数ヶ月じっくり鍛錬すれば、もしかしてもう少し解法が確立できて高得点が取れていたのかもしれませんし、たいして伸びずにこれが私の精一杯だったのかもしれません。それはわかりません。

あくまで、時間のない1年目受験生の取り組み例、としてお読みください。

そして、2次試験の受験資格を勝ち取った後の9月や10月頭くらいに再度この記事を思い出してご自身と比較していただき、「このくらいで当落線上で戦えるレベルにはきてるかな」と自分を励ます材料にしてもよし、「この程度では他の受験生にそこまで差をつけられないな」と自分を追い込む材料にしてもよしです。

本記事では、私が行った2次試験対策の中で事例Ⅰ・Ⅱ・Ⅲに共通する内容の振り返りと、特に事例Ⅰへの取り組みにおいてどんなことを考えていたかをまとめます。

これ!と決めた書籍や先生のやり方を貫く

特筆すべきワザなどはありません。

私の場合、早稲田出版の速修2次テキストと過去問題集、そして早稲田出版YouTubeチャンネルの山口先生の講義動画を信じて、その通りに問題練習を続けていくのみでした。

TBC中小企業診断士試験シリーズ / 早稲田出版

別に他の書籍でも先生でも構わないので、自分が「これ」と決めた書籍なり、スクールなり、講師の先生を信じてその通りに実践するのが近道です。
1年目ダメだったから2年目は先生変える、っていうのはアリかもしれませんが、1年目で何度もコロコロ変えないというのは大事かなと思います。

あと、凡人はなるべく教わったメソッド通りにやったほうがよいです。疑って勝手にやり方アレンジすると失敗するリスクが高まると思います。自分なりの工夫をすることと、教えを聞かないことは違います。(自分に相当自信があるような、上位 of the 上位の人は別かもしれませんが)

振り返ってみると、できるだけ素直に取り組んだことがよかったのかなと思います。これは過去の合格者の方々も、似たようなことを語っている人が多い印象です。

知識の整理を行う

知識の整理のために、事例2,3はファイナルペーパーを作りましたが、事例Ⅰは作りませんでした。
上記『速修2次テキスト』の「抽象化ブロックシート」がファイナルペーパーの代わりのようなものなので、あえて必要性を感じなかったためです。

その代わり、与件文を読む際に特に意識する点を箇条書きのチェックリストにしました。
特に事例Ⅰに特有の内容です。

事例Ⅰ 与件文を読む際のチェックリスト

  • 企業/事業ドメインの確認(標的顧客・顧客機能・独自技術)

  • 社長の年齢・創業者or何代目か

  • 同族経営かどうか、後継者はいるか

  • 組織形態はどうなっているか

  • 組織ライフサイクルモデルのどの段階か

  • アンゾフの成長ベクトルのどの戦略か

  • ポーターの競争戦略のどの戦略か(基本は差別化集中)

  • 経営資源には何があるか(人的資源・設備資源・情報ノウハウ資源)

他にもいろいろ考えるべきことは多いですが、増やせばいいというわけではないので、自分なりにこの8つに整理しました。
時間と緊張感との闘いである試験本番ですべてを完璧におさえることはできないかもしれませんが、少なくとも練習段階ではこのくらい考えられるようになってようやく当落線上で競えるレベルなのかな、という印象です。

「抽象化ブロックシート」の余白に箇条書きしていました

なお、それぞれの項目についての詳細はプロの講師によるテキスト・問題集・講義などをあたってください。個人の生の情報も有益ですが、やはりプロの書籍や講義は体系立っていて無駄が少ないです。

余談ですが、こういう受験情報の収集って、無料の情報・有料の情報の使い分けのセンスが問われる気がします。重要なのは、無料でもいい情報はたくさんあるし、有料でもしょーもない情報もたくさんあるということです。そして、なぜプロの講師によるテキスト・問題集・講義が良いかですが、それは「第三者によるチェック・編集がなされている」というのが最も大きいです。
同じ有料情報であっても、自費出版より商業出版のほうが一般的にレベルが高いことが多いのは、ちゃんと編集者の手が入っているためです(例外はあるものの)。情報にあたるときはそういった点も考慮することをおすすめします。(商業出版経験者・談。同じ自分で書いたものでも、編集者さんの手が入ったものはぜんぜん違う印象です。)

閑話休題。

論点を見抜くトレーニングをする

事例Ⅰについては、どうしても漠然とした設問の問われ方をされて、解答もなんだかふんわりした内容になりがちだと思います。それに対し自信を持って解答を作るためには、「論点が何かを見抜く」力をつけることが近道だと感じました。そして第5話でも触れたのですが、中でも「近年のトレンド論点」というのがあるので、独学の場合は何らかの方法でそれをキャッチする取り組みが必要です。特に、事例Ⅰはその傾向が顕著だと感じます。

早稲田出版の書籍やTBC受験研究会の講義で学習を進める方は、山口先生がこういった内容を繰り返し説かれるのを今後耳にするでしょう。他の予備校や書籍でも、ある程度名前の知られた先生方はおそらく似たような話をされていたり、書かれていることと思います。

たとえば、与件文を読んで
「ああ、この段落は内発的動機付けの話ね」
とか、
「この役員さんはバウンダリー・スパニングを遂行している人ね」
とか、
「この会社は後継者が育ってないから、権限委譲をもう少し進めた方がよさそうね」
とか、そういう1次試験のテキストで出てくるような論点と反射的に関連付けられるかどうか、というトレーニングを進めておくと、2次試験の解答作成速度をかなりアップできると思います。

過去問で実践あるのみ

整理した知識と、見抜いた論点をもとにどうやって解答を作っていくか。それはもう、これぞと決めた書籍や先生のやり方を信じて、過去問を使って練習あるのみです。少なくとも1年目受験生には、他にありません。そして自分を信じましょう。

次回は、事例Ⅱへの取り組みについて書きます。
質問があれば、コメントかTwitter、マシュマロにてお寄せください。

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