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中小企業診断士試験 合格までの約1年間のタイムライン 後編(主に2次試験対策) 《第5話》

前回の記事では、1次試験までにどんな教材やツールを使って何をしていたのか、を時系列でまとめました。今回は1次試験終了から2次筆記試験までのタイムラインです。

2022年8月前半(1次試験終了後)

やったこと

  • 1次試験 自己採点

  • 早稲田出版『TBC速修2次テキスト』演習パート進める

  • TAC出版『第2次試験 事例Ⅳの解き方』 進める

1次試験終了翌日、月曜日の午後に診断協会のサイトで公表された正答を見て自己採点しました。

なお、2次関連3科目については、わりと丁寧に復習しています。
『TBC速修2次テキスト』の動画で山口先生が「その年の1次試験で問われた論点は要注意」とおっしゃっていたので、知識固めを盤石にすべく、念のため後日もう一度解き直しています。

本当は1次試験終わってすぐ2次試験の過去問をゴリゴリやっていきたかったのですが、

  • 『TBC速修2次テキスト』と『第2次試験 事例Ⅳの解き方』 が終わっていなかった

  • お盆中、あちこち墓参り行ったり家のことが忙しかった

  • 1次試験が終わった安心感からか、かなり疲れが出た

という理由で全然進みませんでした。
2次筆記試験対策は、1次みたいにスキマ時間でやるのが難しいなぁ…と悩み始めたのがこの時期です。

2022年8月後半

やったこと

  • 過去問 令和3年度 事例 Ⅰ, Ⅱ, Ⅲ, Ⅳ 1回目

  • 過去問 令和元年度 事例 Ⅱ, Ⅳ 1回目

  • 過去問 令和2年度 事例 Ⅳ 2回目

  • スタディング 1次講義 再視聴

  • 早稲田出版『TBC速修2次テキスト』演習パート1周目終了、抽象化ブロックシートの暗記

  • TAC出版『第2次試験 事例Ⅳの解き方』1周目終了

新たに解いた過去問は1.5年分のみ。
なかなか80分+解説・答え合わせの長時間集中できる時間が作れずまだ試行錯誤中です。解答後、翌日に答え合わせと解説動画視聴(早稲田出版YouTube)を行う、という感じで1事例に2日かけていました。

加えて、細切れ時間に『TBC速修2次テキスト』の演習パートと、『事例Ⅳの解き方』は終わらせようと優先して進めました。
1次の時同様、家事中や移動時間にスタディングの講義動画を聞くというのは変わらず続けていました。

1次試験終了時点で、8月終了までにR3、R元、H30年度の過去問までは手をつけておく予定を立てていたのですが達成できずでした。

夜は2歳児をお風呂に入れて寝かしつけするとそのまま自分も寝てしまい、再度起きようとしても身体が言うことをきかず無理。朝早起きも挑戦しましたが、朝寝ていたい私には到底無理。

この時点で計画見直しの必要に迫られます。

2022年9月前半

やったこと

  • 過去問 令和元年度 事例 Ⅰ, Ⅲ 1回目

  • 過去問 平成30、29年度 1回目

  • 過去問 令和元年度 事例 Ⅳ 2回目

  • スタディング 1次講義 繰り返し視聴

  • 早稲田出版『TBC速修2次テキスト』YouTube講義動画繰り返し視聴、抽象化ブロックシートの暗記

  • YouTube『ダンシ君のサブノート』財務会計2次知識一問多答  動画視聴

9月に入り、ようやくほぼ毎日 過去問を1事例解くルーティンを作れました。2週間で11事例できたので、8月に比べて大躍進です。

どう解決したか、それは

「寝かしつけをしない」

  or

「寝かしつけの前にお風呂に入らない」

です。

入浴後に横になると、深部体温がいい感じに下がっていき快適に眠れてしまいます。
そこで夫にお願いし、試験終了までの2か月間は子供のお風呂と寝かしつけをなるべくやってもらうようにしました。

とはいえ夫にお風呂と寝かしつけ両方任せると子供の寝る時間がどんどん遅くなってしまうという弊害も実はあり、現実的にはお風呂を夫に任せ、私はお風呂に入らず寝かしつけだけする→その後起きて過去問80分→お風呂入って寝る という日が多かったと思います。

お風呂にさえ入ってなければ、起きられるのです。

そして翌日、日中に答え合わせと解説講義の視聴を行う。
さらに解説講義視聴後、解答の文章を自分の言葉で書き直す。必要に応じ、設問ごとの論点になっている1次知識を復習。
夜はまた次の事例を80分で解答。

ということを2か月続けていきました。

さらに、このくらいの時期にYouTube『ダンシ君のサブノート』の「財務会計」「2次知識一問多答」の再生リストを視聴しました。
特に財務会計の、ボックス図を使った正味キャッシュフロー算出の説明がとてもわかりやすく、自分で解く時もボックス図を使うことでつまらないミスを減らせました。
そして「2次知識一問多答」はオフラインに保存し、試験当日まで何度も何度も聞くことになります。
※どちらも詳しくは別の記事にて掘り下げます。

2022年9月後半

やったこと

  • 過去問 平成28、27、26、25年度 1回目

  • 早稲田出版『TBC速修2次テキスト』YouTube講義動画繰り返し視聴

  • TAC出版『第2次試験 事例Ⅳの解き方』2周目

  • YouTube『ダンシ君のサブノート』2次知識一問多答トレーニング

予定していた、過去問9年分36事例の1周目がほぼ完了しました。これくらいやるとおおよそのタイムマネジメントの形や、分かっているけどよく抜け漏れしちゃう切り口などが見えてきました。
あと1か月で完璧に仕上げるというのは無理にしても、「全問書き切る」というのは現実的になってきたかな…というのがこの頃です。
※注:空欄を残さない目処が立っただけで、「開眼」というようなものではない。

ちなみにこのくらいの時期に「ファイナルペーパー」的なものを作りました。今後の記事にて紹介予定です。

なお、『TBC速修2次テキスト』第4章の「抽象化ブロックシート」の暗記を進めていたのですが、これ単独で覚えるというのがどうも苦手で、結局まるっと暗記はできませんでした。
その代わり、過去問解説の際に傍らに置いて、出てきた論点にマーカーを引き、特に何度も出てきている論点・近年頻出の論点について知識を深める、という使い方をしていました。

過去問の解説や、他で仕入れた情報を随時書き込み。
マーカーしてる「互恵関係」というワードは本番、事例IでもⅡでも書いた。
書いてないが事例Ⅲでも考慮した。

2022年10月前半

やったこと

  • 過去問 令和3、元年度 2回目

  • 過去問 令和2年度 3回目

  • 過去問 事例Ⅳ 特定の問題のみ再度解いて復習

  • TBC受験研究会 スクーリング 受講

  • 早稲田出版『TBC速修2次テキスト』演習パート2周目、YouTube講義動画繰り返し視聴

  • TAC出版『第2次試験 事例Ⅳの解き方』2周目終了、誤答箇所のみ3周目突入

  • スタディング 3科目の1次講義と早稲田出版YouTube 企業経営理論の1次講義 繰り返し視聴

  • YouTube『ダンシ君のサブノート』2次知識一問多答トレーニング

過去問は、最近の年度を中心に2周目突入。
1周目である程度把握したタイムマネジメントや解答の切り口を身体に叩き込む、という感覚でした。「わかる」を「できる」に変えていくフェーズです。

事例Ⅳについては、特定の設問だけ取り出してもう1回解く、ということもやっていました。(CVPのみ、正味CFのみ 等)

「近年のトレンド論点」キャッチアップのススメ

10/1 には、TBC受験研究会のスクーリングを受講しました。これは事例 Ⅰ, Ⅱ, Ⅲ対策の単発のZoom講座で、TBCの通信講座受講生以外も空きがあれば参加可能ということで申し込みました。

  • 試験委員の先生方の研究領域をもとにしたオリジナルの演習問題を60分で記述

  • 受講生5〜6名くらいと講師1名のグループに分かれ、互いの解答を見せ合って意見を交わす

  • 山口先生による解説講義、質疑応答

という内容でした。
ぼっち受験生の私は、この時初めて他の受験生の解答に触れることになりました。
素直な感想は、「皆めっちゃ書けてるやん」ですね…他の人の解答がものすごく良く見えたことを覚えています。

とはいえ、自分ひとりが全然できてないっていう感覚でもなくて、問題によっては私の解答のほうが的を射てるものもあったりして、それなりに戦える位置には来てるのかな…という感覚も得られました。なんというか、「ここにいるほぼ全員が当落線上」って感じでしょうか。

とにかく有意義ではあったのですが、後から振り返るに、この時のスクーリングの参加意義は

この時の演習問題と同じ論点がそのまま本番の事例Ⅰにズバリ出た

これに尽きます。

『TBC速修2次テキスト』の無料動画の中でも「今の先生の専門は両利きの経営」って言ってまして、このときのスクーリングの演習問題ではそこをさらに深掘りした論点が出題されました。
そしたら本番の事例Ⅰで「これだ!」ってのが出たので、スクーリングの解説で山口先生が言ってたことをほぼそのまま書いて時間内に完答できました。
前半の設問の自分の解答が結構いまいちだったり、結果的に事例Ⅰがギリギリ62点だったことを考えると、このスクーリングなかったらけっこうヤバかったのでは…と思ったのでした。

まぁ、こういうのは結果論なんですけど。
しいてこの経験をもとに今後の受験生の方々にアドバイスをするとしたら、

2次試験にも「近年のトレンド論点」というのはあるので、独学の場合は何らかの方法でそれをキャッチする取り組みが必要

ということです。たとえば一部ですが、

  • 事例Ⅰならファミリービジネスと両利きの経営

  • 事例Ⅱなら地域ブランドと地方活性化

  • 事例ⅢならDXと付加価値向上

  • 全事例で、組織間関係論

とか。

あと事例Ⅳでも、令和4年度は「生産性向上」という明確な論点が示されました。これは次年度以降も変わらず、事例Ⅰ〜Ⅲも含めた全事例において問われる可能性が高いと思います。

何回か過去問を解くだけで上記のことに気付けるような鋭い分析力をお持ちの方は、心配しなくてもきっと合格できると思います。
でもそうでない方は、他人の力を借りて論点の整理をすることが大切です。

私の場合はそれが早稲田出版YouTubeの『TBC速修2次テキスト』講義動画と TBCの単発スクーリング参加でした。
とある人はそれがスクール通学だったり、添削ありの通信講座だったり、有志の勉強サークルだったりすると思いますが、ぼっち独学は自分から積極的に情報を取りにいかないと遠回りになりかねない点に要注意です。
形式やツールはなんでもいいので、アンテナを張っておくことをおすすめします。

2022年10月後半

やったこと

  • 過去問 平成30、29、28、27年度 2回目

  • 早稲田出版『TBC速修2次テキスト』YouTube講義動画繰り返し視聴

  • TAC出版『第2次試験 事例Ⅳの解き方』3周目

  • YouTube『ダンシ君のサブノート』2次知識一問多答トレーニング

  • TBC受験研究会 スクーリングのアーカイブ動画復習

過去問2周目ですが、80分まるまる使わず設問解釈だけ10分使ってやるとか、事例Ⅳの経営分析だけ20分、CVPだけ30分でやるとか、解答の手順ごとに分解してそこだけ練習したりしてました。

もう残り時間が少ないので、数をこなすのではなく精度を上げる練習に切り替えたという感じです。

あとは

  • メンタル面をポジティブに保つこと

  • 1次のとき同様、元気に試験当日を迎えること

ただそれだけです。
これだけ短期集中でやれるだけ仕上げて、当日受験できないってなったら悔やんでも悔やみきれません。だんだん寒くなってきて、保育園でも風邪が流行り出す時期なので、正直気が気じゃなかったです。

とにかく、元気に受験できてよかったー。
というのが素直な感想でした。

以上が、1次試験終了から2次筆記試験までの約3ヶ月弱(12週間)の流れです。

長いようで短い12週間ですが、やれることはいろいろありますし、かなり濃密な12週間だったと思います。特に残り1か月の伸びは自分でも感じていました。「開眼」っていうところまでは全然いきませんでしたが。

模試は受けなかったの?

受けませんでした。
理由は単純で、時間がなかったからです。

1年目だと、模試が開催される時期(8月後半〜9月前半)にはまだ80分で解答できるレベルまで全然仕上がっていない方が多いのではないでしょうか。
私自身も上記タイムラインに書いた通り、80分でなんとか解答欄を埋められるようになってきたのが9月の終わり頃です。模試の結果と本番の合否にあまり相関関係はない、と耳にしていましたし、2歳児を置いて…(以下略)のため、はなっから模試は考えていませんでした。

模試はあくまで模試であって、時間が限られているなら本物の過去問を掘り下げたほうが有益です。
時間に余裕のある2年目以降の方は受けてもよいのかなと思いますが、個人的には必須ではない(※ただし、上述の「トレンド論点のキャッチアップ」目的ならアリ)と感じました。

次回からは、前後編で1次試験・2次筆記試験当日の振り返りを書きます。
質問があれば、コメントかTwitter、マシュマロにてお寄せください。

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