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蜜の味。


あなたが誰かを、知らない。

あなたが誰を、愛しているのかも、知らない。

あなたが何を、大切にしているかも、知らない。

知らない。

それなのに、あなたに吸い込まれて、

上辺だけのことばに、踊らされる。

あなたは、誰なのですか。

こころが、あたたまる。

思っていた以上に、

わたしは冷え切ってしまっていた。

真冬の季節が、まだわたしを引き留めていた。

雪解けのような、口溶けのいいショコラのような、

甘くてあたたかい、蜜の味。

秘密を纏ったわたしを、

誰も知らない。

あなたは、誰なのですか。

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