「恋バナ」 レッドブルつばさ①

※マガジンですべてまとめてあります。

https://note.mu/myounatera/m/m7d551b4c76e5


「恋バナ」 レッドブルつばさ

 恋愛は人をつまらなくさせる。
 好きな人を目の前にすると何もできなくなる。
 カッコつけたくてダサいところは見せたくなくて嫌われることはしたくなくて結果何もしなくなり、つまらない人間ができあがる。
 高校生の頃の僕は間違いなくつまらない人間だった。特に一年生の頃。
 地元から少し離れた進学校に入学したら周りに知り合いは一人もいなかった。新生活は何よりも始めが肝心なのだ。スタートダッシュを失敗してしまったらずっとそのイメージを引きずることになってしまう。


 そして僕は見事失敗した。それはもう見事な失敗っぷりだった。僕のクラスは進学校のくせにヤンキー風なやつらが多く、そいつらがクラスの中心になっていた。そいつらと仲良くなればクラスの一軍になれることは確実だった。しかし、仮に仲良くなっても「一軍の中の一番下っ端(お前一軍面してるけど全然違うからな??)」になってしまうので、そこは無視し、ヤンキーではないけどそこそこイケてる奴らと仲良くなることを目指した。

だが全くうまく行かない。まず話しかけれない。今もそうだけど、面識もなく情報も無い人にどうやって話しかければいいのか全く分からない。これは僕の永遠のテーマだ。

そうなると必然的に向こうから話しかけられるのを待つしか無くなるが、僕に話しかけてくるのは見るからにイケてない奴らばかりだった。イケてない奴と言うのは一目見ただけでわかる。服装とか髪型とか外見的な特徴でもわかるが、何より目を見ればわかるのだ。

自分に自信が無い目。自分はこのクラスの中心になれるわけが無いと初めからわかりきっている目。そういう目をしているから一瞬でわかる。なぜなら僕もそうだから。
でも僕はここで失敗するわけにはいかなかった。とにかく高校デビューだ。中学までのことは全て無に帰している。ここで

成功すれば全てチャラだ。

彼らには悪いが、僕は距離を置いた。ここでイケてないグループに入ればそれはそれで居心地が良いかもしれないが、僕が求めたのはイケてる高校生活だった。漫画みたいな青春を過ごすためにはここで踏ん張らなければいけない。頑張れ頑張れ!!!!!!!!!

行けーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





結果、僕はどのグループにも入れず一人で浮いた。
 

ここから先は

9,101字
この記事のみ ¥ 100

頂いたサポートでドトールに行って文章を書きます