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「よぼう」って方言なん?
「あ、よぼってるよ」
「え、なんて?」
みたいなことが友人と食事をしているときにあったりする。
「よぼう」はどうやら方言らしい。
醤油とか液物を皿に淹れるときなんかに醤油が入っている器の口から液体が垂れている状態、をわれわれは「よぼってる」という。
めちゃめちゃ限定的なシチュエーションを指すことばだけど、食事の際には意外と頻繁に使ったりする。
そんなとき、「よぼう」を知らない人は、
「たれてるよ」
とか
「こぼれてるよ」
というけども、ニュアンスの問題?「たれるじゃないんだよな…」と心の中で思ったりしている。
あの状態を表現できる意味を「たれる」や「こぼれる」に持たずにここまで生きてきた分、あれは誰がなんと言おうと「よぼう」なのだ。
これは別に方言にだけの問題ではなく、ことばを扱う限り一生ついてくる問題だと思う。
同じ音の組み合わせ、文字の並びでも、そのことばにどんな意味を持たせて生きてきたか、は人それぞれ違ったりする。
ことばを同じだと思っちゃいけない。
この人のことばは、どんな意味が含まれているんだろう、ってことを想像したりすると、むしろことばがなくてもコミュニケーションはできるんじゃないかと思えたりする。
簡潔に情報を伝えることばが好まれる世の中だけど、情報と意味を一緒くたにしたら、それはことば、というよりも、この世の中に生きる(生きた)人それぞれの歴史の否定になっちゃうんじゃないか、とかを、ボトルからよぼう焼酎をみながら、考えたりした。
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