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気学の使い方~太極~

基本のキ

実際に気学の暦などの話を始める前に、最も大切なことを述べます。

長年、方位鑑定をしていると、意外なほど多くの方が、最も基本的な部分で、勘違いをしておられるのに出くわします。
こういう自己流の勘違いがあると、鑑定以前に既につまづいてしまっているので、まずそれらの問題を解決しましょう。

それは、どこを中心に見るか、ということです。
例えばこういう勘違いが、非常に多くあります。

「アメリカに旅行に行きます。ニューヨークに行って、ワシントンDCに行って、ロサンゼルスに行きます。
この時期はアメリカは凶方位なのですが、何日にニューヨークからワシントンDCに行けばいいですか?またワシントンDCからロスアンゼルスの方位がよく分かりませんが、西とすると、どういう順序で動いたらいいですか?」

30年以上前から現在まで、延々と受けている質問ですが、みなさん吉凶表でどちらの方が吉だ凶だ、というのは見ても、いちばん肝心な部分が抜けているようです。

どこが中心?

先に答えを言ってしまいますと、旅行も引っ越しも、全部、自分の住まいを中心にして方位を見ます。

つまり、日本から見ると、アメリカは全土が北東なので、この場合の見方は、こうなります。

自宅→ニューヨーク=北東
自宅→ワシントンDC=北東
自宅→ロスアンゼルス=北東

他の地域でも同じです。地球規模で見ると、もっとややこしくなるので、考えすぎてしまう方が多いようです。

例えば、日本からいったんイギリスに寄ってからスペインに行くような場合。
日本からイギリスは北西で、スペインも北西です。

しかし、イギリスからスペインを見ると、南か南西のように見えるので、ここで日本→イギリス→スペインは北西→南西(南?)への移動と考えてしまう方が多くなります。

あくまでも、自宅を中心にして、各地への方位を見るのが基本です。
自宅→イギリス=北西
自宅→スペイン=北西

というように、目的地ごとに自宅からの方位を見ます。途中経過は考えなくてけっこうです。
例外というか、違う考え方をするのは、例えばイギリスに、四カ月以上滞在する場合です。

この場合、二ヵ所に旅行に行ったと考えるのでなく、いったんイギリスに引っ越しして、イギリスからスペインに旅行に行く、と考えます。
この場合、どこを中心にするか、の基準を「太極」と言います。

海外旅行

旅行と移転の違い

何日以上を引っ越しと見るか、いろんな考え方があってバラバラですが、基本は二十四節気で考えます。
二十四節気というのは、季節を現したものですから、引っ越しして完全に太極が根付いてしまったら、そこで初めて引っ越しが完了して、新居から各地の方位を見ることが出来ます。

つまり、季節が完全に一つ移った状態でないと、引っ越しが完了して太極が根付いたとは言いません。
単に季節をまたぐのではなく、一つの季節をしっかり過ごして、次の季節に変わることが必要です。
ですから、節入り直前に引っ越しして、節入り数日後に季節が変わったので太極がついた、とはなりません。

土用期間の引っ越しは避けますから、例えば4月の引っ越しなら、4月の土用前、16日ごろに引っ越すとして、夏を丸々経過し、秋のスタートである9月の節入りを過ぎて初めて、太極が根付いたと考えられます。
こういう、節変わりや季節の推移がよく理解できず、何か月、と機械的に覚えてしまう方には、少し余裕を見て、四カ月と申し上げています。

それでは、引っ越ししてすぐに旅行や外泊や出張が重なるとどうなるか、という心配が出てきますが、この場合は太極が根付きにくくなります。
新居に早く太極を根付かせるには、あまり夜更かしをせずに、子の刻が始まる前(つまり23時前)に就寝するとか、早く部屋の中を片づけてしっかり生活できるようにするとか、色んなことが言われます。

寝泊まりをし始めた時が引っ越しだ、という考え方をする場合が多いですが、これはあくまでも、止むを得ない場合だけです。
生活に必要なものが揃っておらず、宙ぶらりんな状態では、しっかり生活できて、太極が根付いたとは言い難いので、そういう状態はできるだけ避けましょう。
動き過ぎて、あまりに長く宙ぶらりんな状態が続くと、根無し草状態になってしまい、運気も下降気味になってきます。

海外移住の考え方

上記のイギリス→スペインの例では、四カ月以上が引っ越し、と申し上げましたが、実は海外移住の場合には、国内と同じ考え方は出来ません。

風土の全く違う地域に引っ越しした場合、太極が完全に根付くには、春夏秋冬の四季を過ごして初めて、土地に根付いた、と考えられます。
ですから、約九カ月と考えられます。
余りに風土の異なる地域だと、九カ月でも足りないかもしれません。そこはケースバイケースです。

地図の問題

昨今は、メルカトル図法で海外の方位を見る方は減ったと思いますが、念の為に。

筆者のサイトの「方位地図ライブラリ」に詳しい解説があります。

方位地図ライブラリ
http://www.kumokiri.net/map/library.html

方位と地図のまとめ・ビギナー篇
http://www.kumokiri.net/kouza/nin08-1.html

理解度に応じて、中級篇、上級編と進んで下さい。

要するに、丸い地球を平面図に写し取った場合、方位線(最短距離ライン=大圏コース)が真っすぐになれば、地図の経緯線が曲線になる。

経緯線の真っ直ぐなメルカトル図法を使えば、方位線は曲線になってしまう。

方位地図の欠点は、自分の居場所(住所)とか中心になる場所を決め、そこを中心にして、毎回、方位地図を出力しなければならないことです。
ですから、方位地図は市販していません。
筆者のサイトの方位地図も、もう少し増やせればいいのですが、全員のぶんを出力することになってしまい、キリがありません。そこで、個人鑑定の度に簡易的なものを作成して、お付けしています。

ご興味のある方は、地図ソフトをインストールして、チャレンジしてご覧になると良いでしょう。

今回のポイントは次の通りです。

・方位を見る場合には、自宅を中心にして各地の方位を判断する。行った場所から次の目的地の方位を見るのではない。

・単なる旅行なのか、引っ越しなのかは、滞在期間で考える。引っ越しと考えるのに必要な期間は、条件によって異なるが、最低でも一つの季節を丸々過ごし、次の季節に移る期間が必要。

・方位を判断する場合には、必ず方位地図を出力する。近距離の場合にはグーグルマップなどでも使えるが、海外の方位を見るには、自宅を中心にした方位地図が必要。

今回は以上ですが、非常に勘違いの多い重要事項なので、お忘れなきよう。


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