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鍵盤の曲を箏でやると死ぬ。

鍵盤で作曲された曲、箏でやると、物理的に無理があって、死ぬ思いをすることがあります。でもわりと、じぶりとか、初心者さん向けに選曲することあるんですよね。あれは意外と難しいのだ。というのも。

・手の違い

ピアノの手:
右手は、一番力強く音が出せる親指が低音側。使える指の数は、右手5本+左手5本。

箏の手:
右手は、一番力強く音が出せる親指が高音側。使える指の数は右手3本+α。

■ 鍵盤の曲を箏でやるメリット

聴いた感覚だと音の印象がそう変わらない。
ピアノは打弦楽器で、短音を響きで引き延ばす感じ。箏は撥弦楽器で、これまた短音なので。(ただし余韻の残り方は箏の方が短い)

なので、ピアノ曲を箏でやるのは、雰囲気をそう壊さず、わりと合います。
(同じ撥弦楽器の三絃でもいけかもと思います。)

(バイオリンのような擦弦楽器は、音を長く伸ばすので、尺八の方が向きます。「情熱大陸」←youtube とかは人気ですよね)

■ 鍵盤の曲を箏でやるデメリット

・3音の和音が取れない

何が問題かって、ピアノだと五本指が使えるので普通に取れるのに。
箏は三本指+高音側に親指がある配置なので、三音の和音、とれないときがあるんですよ。人差し指と中指の間がかっぱり開く人なんていない!w

例。ハ長調(ドレミファソラシド)の調絃、基本のドミソは取れる。そこからのドファラへの展開があると。
ピアノ:
親指ド-[間]-中指ファ・ 小指ラ
自然にひらく。

箏:
中指ド-[間]-人差し指ファ・ 親指ラ
死ぬ

(ピアノ弾きのひとは、左手の中指・人差し指・親指のみでドファラの和音をとるのを想像して下さい。実際ピアノではそのままぐっと押すだけなんでいいけど、絃を掴むのしんどいんですよ箏)

これでフォルテ指定だったら確実に死にますね。笑

こんな感じで、音の飛び具合とか、伴奏パートになるとアクセントを中指(低音側)でとらなくちゃいけないことが多いとか、けっこう難しいのです。

しかし、新入生に耳馴染みのいい楽しい曲を練習させてあげたい、と選ぶと、じぶりとか、ポップスとかになって、かえって演奏が難しいことになってしまいます。過去けっこうあった。
(というか、そういう洋風の曲は、ある程度弾けるようになってからの寄り道的なものなので、初歩の初歩を前提としていないのですね)

☆☆☆ やりにくいときはアレンジだ!

一年生でもやりたいなら、やっていいと思うので、そういうときは難しいところをがっつりアレンジしましょう。
レベルが足りないときほど、「練習すればできるはず(盲進)」は禁物です。初心者さんほど、無茶して変なクセがつかないように気をつけてあげないとね。

・3音の和音の場合は、低音一音を左手ピッチカート、+ のこり二音を右手合わせ爪、というアレンジで、回避が可能。

・音が飛ぶとき、手を飛ばさなくてはならないとき、どうしても拍通りに右手が入れないときは、飛ばした先の一音目を左手にアレンジして、わずか一音分だけど移動時間を稼ぐのもアリです。

・伴奏パート、中指アクセントがしっかり取れないときも、左手を使ってボンボンピッチカートにしちゃえば、頑張らなくても目立ちますから、拍頭。
いろいろ考えてあげましょう。

♪ 「楽しいの芽」を伸ばす

楽しく練習してほしい、というなら、やり方を変えましょ。難しいとこに時間とられる意味はないと思います。
技法は、そのうちどうしても全部やることにはなるんだけど。でも最初は「楽しいの芽」を伸ばして、「楽器を好きになってもらう」のが一番大事。

楽器が好きになった子は、長続きしてくれるから。ここ、すっごく大事なので、忘れないでほしいな。

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この記事のヘッダー画像は、フリー画像素材サイト「ぱくたそ」様よりお借りしたものを加工して使っております。いつも助かってます、ありがとうございます。


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