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☆動画感想文 ☆

(2021.11.29 18:30訂正あり、swingの拍の表裏の認識が逆だった、リンク追加)
だいたいかけたかな。部内発表会の動画を拝見しての感想文。

今回はその前に数日お邪魔しているので、いつもよりは多少はとは思いますが、やっぱり見当違いなことを書いているかもしれないので、実情に沿わないことがありましたらそれなりにご容赦下さい。

01

 全体的にまとまってきた気がしますが、音を弱める方向へシフトしたので、印象がか弱く、春の爛漫の華やかさに欠ける気がします。
 できればもう少し、広々とした音で、おおらかに。音量が出ていないわけではないけれど、もう少し余裕とスケール感があるといいですね。
 具体的には、出すべき主題のフレーズを、もっと面で押し出すように作りましょう。部分では感じられるのですが。
 花筏とは、散った後の花びらが水に流れていく、それはいわば花の死の集まりな訳でもありますが、死してなお、それでも保持している圧倒的な鮮明さのイメージが色彩として欲しい。

 └ フレーズの重要度の判別について

 これは、自分では正しいかどうかが分からないので、まったくの自分理論なのですが。
 曲中のフレーズは、いくつもの種類が存在します。その重要度の判別、私は「複奏される回数」&「出現位置の時系列的な遠近」

例えばですが。 
・複数回出てくる同じものは、重要ポイント+1。
 これはしつこく繰り返されるフレーズは大事に弾けよということだと個人的には理解しています。(ただ、そこが場面として、伴奏的(つなぎ、空気を作る)なのか or 主題的(主役)なのか、この区別は必要。続きの場面が相対的に重要度が高そうかどうかで、どっちなのか役割的なものを決めてる気がする。)
 同じ形の他に、バリエーションを持たされたものは、それだけ大事に扱わないといけないな、とか。

・出現位置の時系列的遠近は、+10。
 これは、たとえば曲の最初に出たものが、章を超えて終わりにも出てきたときなど。「大事なことだからもう一回言いました、忘れないでね」的なものを感じる。距離が遠いほど、「覚えているよね、これがこの曲の大事なところですよ」の感じが強いような。

 たとえば、この曲で言えば、中盤のスクイの連続はかなりの数を重ねられる、ここはしっかりめに作り込んだ方がいいのかな、とか。
 そして、出現位置の遠近をおいたフレーズ、グリッサンドの部分は最初、中盤、最後にありますね。グリッサンド部分けっこう重要です。ここの段階的な発展のさせ方。
 私理論なので、これに自分の曲を当てはめる必要はありませんが、私は個人的にはそんな感じで譜読みをしている気がする。という説明w

 └ 距離を意識

 大きく華やかな音の出し方は、支えの薬指を絃へつかない方法を多少教えたような気がするので。手首から使った動作で親指をどう叩き込んだら、楽に大きな音が出せるか、研究してみて。
 (分からなくなったら、上級生に聞いて。この方法はTえちゃんにはけっこう伝わったかなと思ってるのでよろしくねw)
 ホールでは音がよく響くとはいえ、客席は部室よりもずっと広いです。生の音で耳に届くように、聴者との距離を計算した音作りを。
 (私のときは、フォルテ=50~100m先まで届くように、と言われました。今回のホールは最後部の席まで何メートルだろう、イメージしてみて)

 └ スクイ。

 返りの音が合っていないことが多いような気がします。入りはだいたい合っているので、できれば「ス」で表記された二音目、頑張って。
 と思ったけど一音目もずれている部分けっこうありますね。入りにくい場所、いつもずれる場所が合ったら意識的に修正を。お互いに指摘をし合って直していこうね。

(あと、本当は二人でスの弾き方を揃えた方が、見た目で同じ演奏をしているんだなとお客さんに分からせることが出来るので、手を揃えられるのであれば。
 それに関連して、箏は弾く位置で音質が変わるのですが、1箏は浮かせて龍角から離れ目、2箏は手をついて通常弾く部分に近い、これで二人の音に多少の差が出来ている気はします。
 ただ、手を揃えることでスが今以上に崩れてしまうのなら、やらなくてもいいです。2箏さんは手を浮かせるスクイは苦手な感じがあるし。ただこれも、手は浮かせる方が鳴りがいいし、移動も楽なので、今後は浮かせる方向で。)

・「ス」を拍に均等にいれること。♩「十ス」=「♪ ♪」です。スはおまけではないよ。
・音によって「ス」が大小不揃いに鳴らないように。位置による手の微調整が出来ればここはクリアできると思います。(ここは一年生ではまだ難しいかもだけど、できるのなら)

 不均一になってしまうのは、爪の先の固定が弱いせいか
 手の力が弱いのか、爪のヘリの二辺の使い方がうまく出来ていないのかな。
 指が原因のこともあると思いますが、爪輪のことも少し気になります、指にしっかり止まっていますかね…?手元は安定して見えるのに、音が不安定なのは、爪がぐらついている?と思って見たけれどよくわからないw
 爪輪がグラグラのせいで爪の先が安定しないということもあるので。

 └  爪輪について

 爪輪、自分の指に合うように調整してありますか。どうしても新しい時は指に馴染まないのが普通なので、ぴったりしっくりこないうちは、すこし工夫しないとです。
 硬いときは濡らしてはめるとか、濡らしてから潰れてる爪輪の弧の形をペン先突っ込んで丸めに調整とか、して下さいね。で、それをして+αでテーピングを保険に使うのがいい気がします。
(方法は別記事参照)
 順序として、まず指に合っていないと、テーピングしてもあまり意味がない;
(指に合っている = テーピングなしで弾いても外れない状態を言います。これを基準に、テーピングなしで弾けないのなら、合っていないのだと考えましょう)

(あとテーピング、舞台では肌色がおすすめ。+ 巻いた爪輪部分、マジックでそれっぽい幅を黒く塗って擬装すると、遠目にはほぼ分からないです。当日はやってみて)

 └ グリッサンドの伴奏部分。

 「一五一五~」の低音で下支えするところ、ここで全体の音量を調節するので、伴奏だからと気を抜かない。音質も、もっと抜けのある綺麗さで。弾き方が指弾きに戻りかけているので、「コ」の字の手の形をキープして、前後の振りのみで。今は特に低音の一の絃、鳴りが良くないのは気になります。弾き方でかなり変わっちゃうので、いい音の作り方をぜひ身につけて下さい。

 グリッサンドのある部分は、特に最後のページにある「一五一五~」はもっともっとフォルテでないと。グリッサンドの強さが浮いてしまっています。
 この「一五一五」は川面の波だよせせらぎだよ、花びらを揺らしてサラサラいくよ、と説明したかもしれないけれど、川面って「面」なんです。もっと質感と、特に広い量感が欲しい。曲作り前のイメージの話し合いの結果、”ラストは広い河口にでる” と聞いた気がするのですが、そのイメージをもっと形にしてみよう。
 そして、フォルテの強さの種類は、花びら(=春の季節)を押し流す水の止めようのない強さです。水って単体では夏のモチーフでしょ、つまり「春の終わりは夏の始まり」でもあるのです。その「迫る時間」を含めて表現してみて下さい。

 ついでに、ラストの一音、手を上に上げてならすのではなく、手元で「ピッ」とかける方がきれいに鳴ります。ピッチカートの動作よりもずっとコンパクトに。響かないのは、手の力が上下の動きに流れているせいかと。なので、手を上げずに鳴らす練習を一回してみて下さい。
 もしうまく鳴らない場合は、かけずに全部ベタ引きで引っ張る方がきれいかも。どっちかを選択の上で。

 └ その他

 1箏、全体的にまだ手首が横向きに寝ている気がするので、手の甲を高めにとり、親指を垂直に立てて弾く、これを徹底すること。
 特に高音部で手首が横になりがちなのは、肩の位置、ひじの位置の調整がされていないから手首だけ顕著に形が変わってしまう感じかも?後ろのめり、上半身ごと軽く後ろへ引くと、影響が減らせるかも。
(この形は、反り指さんの傾向としてなりがちなのですが、このクセの修正に一年程度かかる人も過去にはいたので、なるべく早く矯正した方がいいでしょう。身についてしまった形を変えるのは意志の力でしか出来ないことですので、不断の努力を。)
 いい音を常に出せる手の形を無意識レベルで扱えれば、とても上手に聞こえるはずです。楽器経験はないと聞いた気がしますが、フレーズの間の扱いもいいですし、音楽的なセンスは持ち合わせている人だと思います。
 まずは技術の習得を効率よく。それができれば、あとの感性を育てるフェーズではぐんと伸びるタイプの気がします。

 2箏、今後の話ではありますが、支えの薬指を使わずに弾く手の使い方を覚えると、もっと音に幅が持てるはずですので、意識的な使い分けを。もっとも、今回のこの曲では、伴奏に回ることが多いので、今のままの方が音量バランスはとりやすいと思います。演奏会後の話。
 もとから手や指の力が強いように思いますので、初期のパラメータの数値は高めのタイプかな。楽器経験者だけあって音感もあり、多分フレーズの歌い方も上手いはず。
 初期の伸びがいい分、二年次にちょっと伸び悩みがあるかもしれないな。(今はまだ余計な心配ですが、成長に必要な栄養素は練習以外にもたくさんありますから、たくさんチャレンジを)

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02

 一章、重たい感じがします。「たんた、たんた」というリズムですが、もっと「ん(た)、ん(た)」という感じに、後の音を軽くしつつ、頭を強くなるように取った方が、すっきりする。今は、前へ前へといく送り出しが弱く、同じところで足踏みしているような雰囲気になってるかも。もっとスキップ感があるとよさそう。

訂正。
音楽の種類って、わりとリズムの形でも判別される面があると思うのですけど、swingってどんなんだと調べたら私の思ってるのと違ってた。

「ふたつの連続した音符のうち、初めの音符の長さを長めにとり、ふたつめの音符を短くするなどの特徴がある。」

「ルイ・アームストロング[1]。は、ビング・クロスビーの番組に出演した際、スウィングとは何かを問われ「それは我々黒人の間では”シンコペーション”のことだった。当初ラグタイムと呼ばれ、次にブルース、その次にはジャズと呼ばれ、今はスウィングと呼ばれている」と笑い飛ばした[2]。

「ダンス」において、スウィングは揺らぎを保った4分の4拍子の楽曲を指す。記譜は、単純拍子で書かれ冒頭にスウィングを指示する標語を記す書法もあれば、複合拍子で書かれリズムを正確に記す方法もある。楽譜上では、シャッフルという用語を用いて解説する場合もある。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/スウィング_(音楽)

 シンコペーションと言うからには、本来の拍の強弱とは逆になる感じのやつ…とすれば、裏拍に強がくるんですね。 

 ただ、過去にやった時はあまりジャズ要素を入れると聞きづらくなる気がするというOBさんの意見もあった。どこかしら軽さある方がと私は個人的に思います。

 二章、さらに重たくなってきますね。
 フレーズの角の作り方。上がっていって下がってくるようなとき、折り返しの一音を強めに立てて、あとはさらりと降りてくる方法がいいかな。クレシェンド&デクレシェンドみたいなやつです。全体的にもったりしているのは、わざと角と作らない方法をとっているのなら別ですが、気になります。

 三章、ラストの盛り上がりは、音の上昇と下降、クレシェンド・デクレシェンドの感じがもっと出るといいですね。かっこいい作りだと思うのですが、やはりもさっと聞こえているのは、肝心の見せ場を見せ場として作れていないのが原因か。↓

 └ 見せ場の山と谷、+ 学生邦楽のこと

「高い山に作りたかったら、その直前でまず深い谷を作る」
と私は曲作りのときによく説明しているのですが。まぁあれです、土木工事的に考えてもらって。盛り上げる設計をしたら、その盛り土どこから持ってくるの?ってことですw
 つまり、盛り上がりたい見せ場の前は全体を一回静めます。そこから一気に急上昇すれば、ドラマチックに自然となる。頑張らなくてもなる。

 そして、静める効果はもうひとつ、小さい音=お客さんが聴き入ろうとしてしまう音。
 これを使って、引っ張り込んで+襟首掴んでのフルボッコです。(一部表現に難がありますことをお許し下さい)

 どうしたって演奏会って受け身の娯楽なんです、客席。で、学生邦楽って、技術を見に来る場所じゃないんですよね。
 何を面白がるかって、ジェットコースター。多少乱暴だっていい、楽しければ。だってお祭りだもの。
 そういうところが、学生邦楽の良さであり強みでもある。技術はない、代わりに提供できるものは何かってこと。一年目なら未熟さすら売り物に出来るんだから。
 だから、できるだけドラマチックに、仕上げられるだけ仕上げておくといいでしょう。

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03

 尺曲、パート内がより合ってきたのかな、すっきりとした朝の雰囲気が伝わりやすくなっている気がします。
 ソロは流石に上級生の安定感。
 聴き映えのしそうな仕上がりになりそうです。

 └ 譜面台の設置の高さについて

 少しだけ、これは三絃曲でも思いましたが、演奏中の手元が見たいというご要望が過去にあったので、譜面台の楽譜の位置を下げたり出来ると、より楽しんでもらえるかもしれません。イメージ例をはっときます


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04

 全体的に、章ごとの色が出始めた感じがします。もう少し、章ごとの見せ場を見せ場として立たせられると、さらにいいですね。聞き所がいまいち伝わりにくい。目玉商品的なもの、かっこいいフレーズなどを、イチオシで出せるといいかな。綺麗だけど、聞いたあとに残る印象が薄いのはそのせいかと。
 出加減、弾きにくさと弾きやすさでデコボコになっている部分があるので、自分の演奏の録音を聞いて、修正を考えてみて。(弾きにくい部分を頑張るのは難しいとは承知の上で。たとえば[21]のオ巾でワンパン入れるのもっと欲しいなとか。音的には、曲中での最高音でのfですから、一番高らかに鳴っていい部分かと)

 └ 出だしのソロ。

 拍の基準が分からないので、どこをリズムとして聞くための指標においていいのかが分からない。そして、何を見せたいのかもよく分からない。
 多分、このソロではどこを見せるべきなのか、どんな方法で見せるべきなのか、奏者の側が楽譜の内容へ届いていない感じがする。
 というより、そこが届いていない状態で、ソロとしての変化をつけるように要求されたのが、段階として良くなかったのか。先に装飾加工をして、原型を崩してしまった感。
(楽譜上では、ここそんなに難しい場所ではないはずなんだよね。ちょっととっつきやすくはない程度、理詰めにすればそこそこ解ける)

 テンポ・ルバート、拍揺らせって書いてある出だし、これはフェルマータまでと解釈した方が楽だと思う。その次。
 同じものからバリエとして二種類をセットで見せるべき二行があるのに、まとまりのベースが取れていない。伸ばす部分の拍が一定ではなく、長かったり短かったりする、ここの法則が見えないので、ひどく崩れた印象が残るのは、ちょっと損。

 個人的に、これを自分がやるなら。
 冒頭の「拍を揺らして」の指示から外れる場所として解釈する。拍を揺らさずに、定拍で。余白となる休符と間、弾き方の何もかもが同じであってこそ、楽譜にある「トッピングだけ変えてあります」という構成が目に見えるように伝わるはずなので。同じ部位を同じ味に作って、違う部分だけ目が行くように立たせる、そういう演奏で切り抜けるかな。
(コピーさせてもらった楽譜に”違いを出す”と書き込まれてあるのはそういう意味では逆です、ここは、私の方法では「違いを出さない」。引きの表現。かっちり同じにして、楽譜にあるだけのわずかな差を浮かばせる。わびさび)

 で、定拍でやるというのは理由があって。
 ここ、出だしから、3/4の拍の指定が聞いて分からない仕様なのです。ふつうなら、聞く人は、無意識に4/4を基準にしてしまうから、三拍子であることをまず伝える必要がある。普通であれば。でも、仮に頑張って三拍子的を意識して弾いたとしても、聞く人に伝わるような構成ではないんですよ、どう見ても!w
  そこ「人を煙に巻く=あやふやな心持ちにさせる」という意図がありそうな気がします。だから、普通に弾いても全然「幻想的に」の指定に近くは出来るのでは。なので、音質の調整だけで、そう変化をつけなくても、ほぼ楽譜の目的は達せられる気がします。
 あやふやな気持ちにさせられるのに、音自体の理解は出来てしまう。こっちの方がまじで上級の「?!?」になると思うんだよな……
 だから、ここぞという部分以外は、定拍で、揺らさずに、まとまりの形だけが伝わるように弾くほうが、いいと思うんだけど。

 そうしておいて、最後だけ、たっぷりめに雰囲気を盛れば、それでできあがるんじゃないかな。

 └  pの合爪(ふわふわタイプのp)

 箏、雑音が入るのは絃に爪のヘリが触っています。ここの合わせは、爪の面の丸みのある部分だけを使い、爪の先・ヘリでは絃に触れないのがポイント。いつもの合わせとは真逆の方法です。
 これは爪を外して、指で感覚を掴む方がいいかも。「つ」の手の形で、指の腹だけで絃を滑らせるようにゆるくつまむ。音を鳴らさないように。指と絃との接触面が大きく、スルスルという皮膚の擦れる音がする、いわゆる「良くないピッチカートのつまみ方」。
 これを、爪をはめてやると、ちょうど指先の位置、爪の中央から下角にかけての面の部分だけで、スルッとした感触のフワッとした響きだけが出ます。
 指を曲げるとへりっこまで使ってしまうから、絶対に指は曲げない。手の形は変えずに、触れたら滑らせて上に手をあげるだけ。

 指を曲げないようにしててもサリサリと雑音がする時は。絃に対して、2.3の爪が完全に平行に置かれていない可能性。へりがふれていないかどうか、角度、位置をチェックして下さい。あとで時間あれば図解する?

 └ 手を置く意味ってどう考えてる???

 G.P. の部分。動作の止めはいい。ですが、そのあとケシが入るのは、何のため……???
 G.P. のその空白は、つづく後のための物なので、そこで切るのはおかしいんですよ。ここはすごくすごく変な感じ。章の切れ目はG.P.の瞬間、そこで静止(無音)が発生して、その後にゆっくり通常の時間の流れが戻ってくる、それへ十七絃がそっと入っていく構成だと思います。
 このタイミングにケシの両手を置くのは、戻ってくる流れを自分たちで止めてしまうわけなので、かなり変。G.P. から動作的には続いて次の演奏に移るのが見た目が綺麗かも、手を脇へおいての休憩も無しにしてほしい。

 ケシの意味ってどう考えてるんだろう。
 両手を置くのは、世界の終わりの最後の一瞬を表現します。そういう意味で、G.P.の瞬間にケシを入れるのなら、一時の意味合い的には合っていると思うんですが。
(個人的には「曲中では、両手を置く動作を使ってはいけない」と教わりました。効果を狙う以外には、両手を置く=全部終わり(=終止記号 Fine)の意味と思います。ここ数年の、奏者の気持ちの切り替えのために両手を置く傾向があるのは間違っていると思うから嫌いですね、気分のために曲を殺してはいけない)

 それに関連して、[14]の前に、フェルマータついて空白がある、そこで箏が調弦する動作の時にも中途半端に片手が置かれる、これも微妙。
 もし、そこで音が残っているから消そう、と思うのなら、手を置いたら即座に「プツ」って雑音が鳴ることの方を心配した方がいい。そして、残響を楽しんでいた聴者からは「あ、きりやがった」と思われることもあるから、(という説明はしたような)切り替わりに手を置くのは物理的にも良くない効果がついて回る可能性があることは理解しておいて。
 もし、気分のために手を置くのであれば、その動作なしで心が切り替われるように、もっと練習しましょう。動作に依存するのは、自信がないのかもしれないと思う。
 実際はそれだけ間を置いてたら、調弦しても変な音は目に見えて聞こえないはずなので、大丈夫です必要ない。最後に八を鳴らしてから1小節半はあいているので。

p9.L01 クロスフェード、きれいになりましたね。聞いた感じ、すごくさり気なくて目立たないけれど、その目だなさが逆にテクニックなので。いい出来です。

[17] ここから全体がfの指定なのに、出が弱い。
 箏、三音の和音は、もう少しfの感触があるといいけど。音質も柔らかめなので、もっとギッチギチに締めた感じに変更できると。そこから全体が強音に変わったと聴く側に理解させられる気がします。
 一拍目の音、弾く位置を、龍角に寄せることは出来ますか。なんか違う、という雰囲気だけでもつけたいですねここ。十七絃メインですけど、そこピッチカートの一音だけ、しかも高音部「2」なんですよ。ワンパン入れるサポート、箏はいきなり伴奏だからと落とさずに、一発いれてあげて欲しい。

 └ ラスト。

 頑張っているのはよく分かる。ただ、ここまでスピードにのせられるのに迫力がついてきていない。速度抑えて、余力を強音を強く叩く方に回せないだろうか…難しいかな。
 特に十七絃の「四」で各部が開始される、この低音をもっと強く出せれば、高音の響きがより際立たせられる気がする。(ドラマチックの演出は、使用音域の幅による構成でも作られるのです、高音が多いときは低音でがっちり底を作ると、強さが出る。これは曲を作った人が意図的に四を使っていると思うので、そのように弾くとよいかと)

 昔、ここの「四」を左pizz.にしたいという子がいて(強音で目立たせたいから)、それで楽譜中の左手「十」を代わりに爪にする、とかやってた気がするんだけど。手が小さい子だったのかもしれないけど。
 旧の十七だとものすごく低音が響いたから、その方がやりいいと思ったんだと思う。あと、強音が続くから、体力的にも弾きやすい工夫をしたのかもしれない。低音四だけで、あと高音部に手は固まる感じがする、楽譜。
 今回の新十七は「四」をそれをしても、旧ほどそこまでドスッとこない可能性はある。ただ、体力的に厳しいのであれば、そういう工夫もできるよということだけ書いとこかな。
(強音のピッチカートを多用するときは、左手の指にもテーピングをしてね、水ぶくれは仕方ないにしても、皮が剥がれるのは防げる)

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05

 いい出来です。落ち着いた余裕すら感じられますね。この曲は長く練習時間が取れている分、曲の分解、役割の把握、そういった部分が行き届いているような気がします。
 個人的には音の伸びやかさがいいですね、好きです。これは曲の良さなのかな。各自のイメージの取り方なんだろうか。
 この曲はこのまま演奏会に持って行ければ、十二分にお客さんに喜んでもらえると思います。がんばって。

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 一旦終わり…思い出したらまた書くかも。
 残時間を考慮して取捨選択の上で、練習にいかせるものがあったら使って下さい。

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