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場面の雰囲気を変えたい、という要望

演奏の時の演出、「ここの雰囲気を変えたい」というのは、毎年のように聞きましたし、毎年苦労する所かなと思います。旧ブログを読み返していると、本当によく出ていた悩み事相談のトップだったかと。

毎年苦労する、ということは、つまり、毎年色んな工夫をして作り上げる、そのノウハウは、そのときそのときで消えてしまって、次に活かせていないし、活かせるものが残ってない、ということだったのかも。と思い至りました。

演出の 目的別パターン を抽出する

演出については、曲によってやり方が変わるし、その時々で取捨選択されたものについて、可視化されにくいんだと思います。
技術的な指導のメモと、個別の場面の注意ごとは書き残してあると思うんだけど、演出の理由目的についてはほとんどないのでは。

演出のメモも、工夫したこと気をつけたこと、できたら理由や目的をつけて残すといいと思います。
他のパートが注意されたことも、メモしておく。(これを自発的にしていたのは割と少数でした、私がいた10年少々の内で)

演出指示は、パターンを学習すれば、似たような箇所で応用が利くことも増えますから、そのためにメモを多めにとっておくことをオススメします。

* かっこよくしたい、というとき、何を工夫したのか。
* きれいに美しくしたい、というとき、何を工夫したのか。
* 伴奏とメインパートの整え方や、打ち出し方。
* 「メリハリ」のつけ方。

* 取捨選択したときの、ある選択肢を消去した理由など。(これはケースによってNGパターンとして蓄積すると、選択肢を絞る材料になるので)

これがあると、やる側としては事前に予測がつくし、演出を指示する側もいくつかのバリエーションを用意して臨むことができるかもしれないので、曲作り=アウトプット作業が少し楽なんじゃないかな。

長い時間一緒にやってると、「この人はこういう演出が好きだから」と、個人練習の時に考えて練習できたりもします。(これも、パターンが頭に入ってればこそですね)

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演出指示は理由もつける

実際の練習中に、演出の狙いの形が正確に伝わるかどうかにより、結果が変わってきたことがありました。

たとえば、フォルティシモの前のクレシェンド。だんだん大きくして強音の場面にしたいとき。

BAD > クレシェンドに「もっと大きく!」だけ記入:
クレシェンドをすごく頑張ってしまって、続きのフォルティシモがおろそかになる。

GOOD> 「もっと大きく!」+「次のフォルテへ向けて準備」と添えておく:
続きのフォルテ指定の箇所へなめらかにつながる。
(特に、紙面での指示出しの時に、こう書いて渡すと伝わりやすい。)
口頭の時は、優先順位をつけて、
① 次の場面のフォルティシモが一番大事、 
② クレシェンドはそこへ導くための効果をつける、
として、
「まず、ここはメインのフォルティシモをしっかり弾くこと。で、そこにつながるクレシェンド、”だんだん大きく” も、できるならそのように弾いてほしい」と言うようにしていました。
これがクリアできたら→こっちもやって、という形。

両方いっぺんにやるように一年生に指示を出すと、混乱することもあるし、この場合は手の負荷が大変なので。しんどかったらクレシェンドは手を抜いてもいいよと。まぁ私がカバーする前提がありましたけどもその時はw
(これって個々の体力を考慮しての分配とか分担とかの話になってくるのかもしれない)

で、それに加えて、たとえば「どんな感じの」フォルテなのか、というのもあると、より分かりやすいです。ここは言葉の伝わり方一つで変わってくることもあるから難しいときもある。w
でもないよりはいいかな。


下級生に対して、演出指示についてその理由を示したり、演出の目的について話しておくようにするのは、次の育成を考える上で大事かもしれない。
次に曲リーダーを務めるときに、自分で考える材料になっていくかもしれないので。

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で、「雰囲気を変える」方法の一つを、別記事にまとめることにしますので、こちらも。


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