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「雰囲気を変えたい」ときの+α

前の記事の続きというか、分割。

視覚の優位性

舞台で爪が光るのが目についたりして気になるというのを前の記事で書きましたが、それも多分理由があって。

舞台上では光り物、時計とかアクセサリーは外すように言われるんですね。たぶん、変なタイミングで光って、あちこち意識がいくようなタイプは集中しづらくなるからなんだろうな。視覚の優位性。耳よりも目の方が人の意識や感覚を支配するので。
光るものが舞台上にあると、そっちに意識がいっちゃうんだ。

昔、その”光り物NG”の話をしたら「光る箏柱はどうなんですか」って質問されましたけども笑

(▲現在はオーダー休止中とのことなので、山田楽器さんの方がいいのかな)

光る箏柱とかは別で、狙ってやる光の演出効果はプラスに働くと思います。舞台上での光の使い方。ライティングの明暗、スポットライトとかも、演出ですね。

舞台の進行と中だるみ

そういえば最近は、章によって明暗つけるとかの演出してないけど。
ああいう演出があると、曲数が多いときの中だるみ感がなくていいんですが!

だいたい休憩後の2曲目以降はダルいようで、お客様のモゾモゾが多いです。座り直して集中しようと努力される方が多い。けっこう動いてるなーって瞬間、気になったらメモしたりしてまして。(曲の内容によるのか時間によるのかというとこ)

休憩を挟んでも、長時間座りっぱなしの疲れが取れることなんてないので、しかも、ちょっと気持ちのゆるんだところから、もう一回集中し直して、という状態になるので。
休憩の後の方が、お客さんの意識を舞台へ引っ張り込むのが難しいと思います。
それを吹っ飛ばして聴き入るような曲が望ましいかと。(ここらへんは曲選びの問題にもなるのかも)

で、曲自体で吹っ飛ばせないなら、演出ですよ。(と強引に話を戻す)

音楽も、目で頂く

食事、特に和食は「目で頂く」「目で楽しみ舌で味わう」と言いますね。音楽も、ある意味、目で頂くところがあります。

コンサートに行ったり、ライブ映像とか見てると気がつくと思うんですけど、一曲ずつの「パッケージ」として、視覚効果を使ってるんですよね。
まぁお金かけてるというのもありますけど。曲ごとに、しっとり夜のモードになったり、派手にカラフルになったりレーザー走らせたり、します。
ああいうやつ。
お料理でいえば、どんな器に、どうやって盛って、美しく魅せようかという計算。

計算、というと嫌な気持ちになるかもしれません、まぁ、「心づくし」と言い換えてもいいんですが。要は、「相手の状態によって受け渡し方を考える」ということです。

そのための誘導というか、演出、切り替えのうまさはすごいなと。


・ソロ奏者にスポットを&舞台全体は暗くする演出

うちでよく使われてた演出の一つに、スポット照明があります。

スポットが当たっている部分に視線がいくので、ソロ奏者以外の人々の譜めくり動作や楽器の持ち直しなどを目につかせずに、ソロの演奏に集中してもらう効果があり。
また、「なんか静かになったけど?なんで暗くなったんだろう?なんであそこだけ明るいんだろう?」というお客様の気持ち、目が覚める演出にもなるんですね(物理的に)。

あと、ソロの奏者からは「光量落とすと客席も暗くなって、お客さんの顔が見えなくなるから気持ち的に楽」という声も聞かれましたし、スポットを浴びるのが恥ずかしいとかいう抵抗がなければ、悪くはない気がします。

・明暗差の演出

スポットを使わなくても、ソロの間だけ全体の光量を落とすというのも、場面の差をつくるのに有効です。ソロの終わりにふわっと明るくなるとまた気分も変わります。つなぎの「間」を音だけで作らなくても良くなる(…から、かえって気を抜きやすく、それが音にも出てしまうので、安易な使用はダメって言う人もいるけど=私w)

それから、別の演出ですが、出だしで光量を落としておいて、クレシェンドに合わせて上げていく、という演出も、気分がアガるというので、お客様(知人)からは良かったというお言葉を頂いたことも。

「明暗の変化」と「気分の高揚度」は連動するのかも?
(ここらへん、人の気分を操作できる効果のアレコレともつながりそうな気がするメモ)

昔々はOB曲、金にものを言わせて()キラキラを飛ばすなどをしていたときもあったらしいですよ。笑

特殊照明の利用、その分お高くなるのかな。明暗調整の手数料は書いてなかったけど、言われるんだろうか。自分でやらないからよくわかんないやw(でも、施設の資料DLして見てみたんですけど、スポット追加するの、以前はワンスポ500円だった気がするんですよね、安くなってません?w)
こういうのはお金の問題にもなってくるから、一概にオススメはできないけど、しかしながら選択肢としては持っておいてもいいと思います。
ここぞと言うときに使うんですよ。w

(ただ、この照明の演出は「タイミングの指示出し係」が必須で、そのために曲ごとに照明ルームへひとり人員を出す必要がありまして。そのために、照明の演出は、人数の少なかった時期に消滅したと思われます。
人数増えたら、この辺もまたできるようになるかな?)

*  *

演奏会前、「曲の雰囲気を変えたい」「他の曲とかぶらないようにしたい」という相談が多かったんですが、すでに記事にした、
① 「音や演奏で変える方法」(この辺はマガジンの「奏」をみてくださいね)と、
その他に+αとして、
② 「視覚効果を活用する方法」もあるよって。

結局、「どの曲も一つずつ、それぞれで印象に残す方法を考えればいい」んだと思うんですよね。
なので、演出の乱用は頂けないけど、ピンポイントで雰囲気を変えたいのであれば、視覚効果の利用も、一案です。


目先の変え方

ここからおまけ。

目先を変える、さすがに吹奏楽のマーチングみたいに、演奏しながら客席後ろから出てきてから舞台へ、という演出は無理だけど、会場全体の雰囲気が変わる「面白い」「楽しい」という演出、あったらいいなと思ったりも。

全体的にちょっと真面目に頑張りすぎな気もします。いい曲多いんだけど。
がらっと変わるものを入れる工夫をしてもいいのかも。

曲選びに口を出すのはいかがなものかと思いはするけど、たとえば、クリスマスシーズンにぶち当てるなら、クリスマスに関連した洋のものとか。
(個人的には、荘厳な賛美歌系を尺メインでやってほしいなーパイプオルガン的な音が出せるのは尺だけなんで…。特に顧問の先生の和の尺曲があることを前提にすると、真逆のものをぶつけるのはアリかなと。賛美歌、クリスマスキャロルなど、楽譜はパブリックドメイン=著作権切れのものが国際音楽ライブラリーで公開されているから(→ 国際楽譜ライブラリープロジェクト wiki)、探してみるのもいいかもです)

あとは、違う楽器を入れるのもいいかも。
楽器自体の種類が少ないから、同じような組み合わせが多いと飽きてきちゃうこともあると思います。

私がOB曲やったときは、オーケストラからシャララララって鳴る楽器(いま調べたら「ツリーチャイム」というそうです)を借りて、舞台袖で舞台さんが前奏として鳴らしてくれました。

ファンタジーな雰囲気の音がするのですが、奏者としては、お客様の掴みがすごくてですね、借出し・返却の手間を負ってくれた後輩たちと快く貸して下さったオーケストラの方々には感謝しております…。

あと、歌の入った曲。
これはまた目先が変わって、お客様には好評でしたよね、以前。
歌が入るものは難易度的に少し上がる(歌いながら演奏するので両立が大変)ことが多い気がするんですけど、それだけチャレンジに対する評価が高くなるし、声って楽器としてすごく強い表現力を持っているので、良かったんじゃないかな。
印象に強く残ってます。

いろいろ、いまの良さに+αできる要素はありそうな気もするので、できそうなこと、選択肢増やしていけたらいいな。

今後、プロジェクトマッピングが一般的に使えるようになったら、映像系とコラボもできるかもですし。もっとイベント的に盛り上がるような仕込みも、スマホ一つで作れるようにもなるのかも。数年前は難しかった動画作るのも、わりと簡単になってきたみたいですし。
技術の進歩って日進月歩で、数年で広がったりするので、こういうの空想するのが好きなだけですが、色々できるようになるといいなーと思ってます。w

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続きを書きました。


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