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#保健室

あの子さえいなければ

怒りは憎しみに変わる保健室では悩みというよりは恨みつらみを聞くこともある。 4月初めて出会ったクラスのあの子。 幼い頃からの付き合いのあの子。 部活の先輩や後輩。親。先生。 小さな体でどれだけの怒りを溜め込んだのだろう。 当時の出来事がまるで今起こっているかのように話す。 何度も何度も思い返してきたんだろうな、と思う。 相談してきた子自身も、できる範囲のことをやってきた。 我慢したり、誰かに話したり、気を紛らわせたり、その場の空気を壊さないよう優しく言い返したり。 だけど

雑談が気持ちを楽にする

子どももちゃんと選んでいる子どもが養護教諭に心を開く……こともあるけど、子どもは肩書きで選んでいない。 担任をはじめ、身近にいる人に相談する方が断然多い。 それでも保健室が相談場所として選ばれやすいのは、単純に身体面からのアプローチがしやすいことと、個室という環境が整っているからだと思う。 相談しても解決できないこともある保健室に相談することで、より適切な専門機関に繋いだり、問題の核心を解決できる手段を考えたり、言い方を一緒に考えることはできる。 ただ、それは相談者が

絆創膏のチカラ

1番来室が多い学年は1年生どこの小学校でも1年生の来室が最も多い。 これは明確な理由がある。 まず給食や移動教室の負担軽減等の理由から、1年生の教室は1階が多いこと。 そして保健室も運動場に近いことが多く、必然的に1年生と同じ階になりやすいためだ。 1年生に限らず、保健室に近い学年ほど来室が多くなる傾向にある。 加えて体のバランスがまだとりにくく、ケガが多い。 ケガといっても「擦り傷」をはじめ「ささくれ」「まめ」といった軽傷が多いことも特徴だ。 絆創膏を貰いにくる理由子ど

目の前にいる1人のために

正しい知識を伝え、興味や意欲を湧かせる授業をする先生たちのようになりたい。 影響力が強い、カリスマ的な人にはやっぱり憧れる。 確かに授業を率先して行ったり、若しくは授業案を作成したりすることで、多くの子どもたちの健康意識向上に繋がるだろう。 でも私が大切にしたいのは1人ひとりとの関わりだ。 保健室は謂わばセーフティーネットだから。 その子にとって最後の砦になる可能性もある。 1人にじっくりと向き合うことで、その子が 「たまには学校に行くのもいいかな」 「話を聞いてくれる