3月17日

日本語と韓国語で漢字語は共通点が多いとよく言われるしその通りだと思うんだけれども、語感まで含めてきちんと一致していると言える単語はどの程度あって、それは何という単語なのか、そこまで含めて教えてくれるWebリソースが見つからない。

どういうことかと言うと、例えば「計算」という言葉だ。日本語ではふつう数字の加減乗除の計算とか式の計算とかいろいろ言うが、韓国語ではこれをお会計の意味で使う。계산해 주세요. と言えばこれは「お会計お願いします」であって「計算してください」ではない。日本語と用法がずれている。もしかしたら「計算してください」を言いたいときにもこう言うのかもしれないが、だとしてもずれがあることには変わりない。

漢字を使えば韓国語の語彙力を大幅にパワーアップできるぞ!という主張はよく見られる。その通りなんだけど、日本でよく使われている漢字語を、そのまま韓国語を話したり書いたりするときに使っていいかというと、これはいったん待ったをかけたほうがいいんじゃないか。

僕はHellotalkという言語交換アプリを使っているが、そこで読んだ韓国人の日本語による投稿で見かけたのが、「いかにも日本の漢字語をそのまま韓国語読みしたような言葉だ」という一節だ。日本人が書いた韓国語の文章を読んでの感想らしい。
ここからわかることは、日本人の書く韓国語の文章には、韓国人から見ていかにも日本語直訳調な言葉があるのだということ。そしてそれは韓国人にとっては、おそらく、若干の違和感をもって読まれている。必ずしもすべての韓国人が漢字音に精通しているわけではないだろうから、日本人の書いたそういった漢字語が通じていない可能性がある。
それは避けるべき事態じゃなかろうか。だって通じないかもしれないわけだし。

漢字で韓国語の語彙が増やせるといっても、韓国人が実際に使っている語彙を増やすのに利用するべきであって、向こうの人が使いもしない漢字語を増やしたところで、時間の無駄じゃなかろうかと思う。要はそういうこと。

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