コロコロと私

先週1週間こころがダメになって一日寝たきりとか動けないとかやっていたのに、昨日今日と嘘みたいに元気になった。元気になったというのは多分勘違いで、反動の躁状態みたいなのが来ている。何かしていないと落ち着かない。アカシジア(薬の副作用や離脱症状で起こる全身のムズムズ感)とかではなく、こころがソワソワする感じ。

昨日は急遽人が足りないと言われ風俗に出勤。ここからまずおかしい。今のお店はノルマ無しの完全自由出勤制なので生理じゃなくても、こころスタミナダメ太郎な私でも1週間2週間平気で休むことができる。なのでいつもこころが少しでもダメになったらお店に甘えてスーパーニートをしていた。急な当日出勤は心の準備ができていないのでしない主義だし、心の負担も大きいから断るはず、なのに。

とりあえず昨日の恐ろしいほど手際のいい一部始終を是非みなに自慢したい。

2本仕事を終えその時点で時間は20:20を回り「スーパー閉まるんで帰ります！」と急いで電車に乗り込んで、帰宅ラッシュの満員電車の中周りの目も気にせずガッツリ自分のエロ画像を貼り付けた写メ日記を更新しつつ夕飯の献立を考え足りない食材を携帯にメモ、20:40に最寄駅に着きスーパーあと20分で閉まっちゃう！！と心の中で叫びながら、いや、変に冷静になりながら更に歩く速度を上げ競歩の選手並みの速さで閉店間際のスーパーに目当ての食材一直線で最短ルートを確保、メモ通りの食材をカゴに入れつつ激安食材を見つけ代用できるものは代用しようとカゴの中身を閉店間際の値引き品でいっぱいにするというファインプレーをし(レジ袋はわざと貰った)、家に帰り化粧を落とす前に写メ日記用のエロ写メを何枚か無心で撮った。すぐさまキッチンの前でまだエロ写メを撮り貯めしつつ鶏もも肉の解凍と後に使う調味料をボウルに混ぜ合わせてヤンニョムチキンの準備をしておき、1ヶ月貯めに貯めた野菜クズで出汁を取ったブイヨンでユッケジャンスープを作りながら右のコンロで湯を沸かし、もやしのナムルの準備、鶏モモに丁寧に片栗粉をまぶしラップをかけ２つの鍋が煮立つまで風呂場でタバコをひと吸いしつつ先程撮り溜めしたエロ写メのモザイク処理をし、その後は化粧を落としてすぐさまベットメイクとフローリングの掃除、そして明日は燃えるゴミの日だと部屋中のゴミをかき集める。ここで先程のスーパーでわざともらったレジ袋に野菜クズの生ゴミをぶち込み、湯が沸いたのでナムル作り開始。恋人から「いまおみせでた！帰る！」とLINEを受け取り米を炊く準備を始め、「今新宿〜」のLINEと同時に炊飯器のスイッチをオン、先週首を吊って動けないだのなんだの言っているのが嘘かのように全てが効率的かつ完璧だった。

おかえり〜と恋人を迎え丁度炊けたほかほかご飯を食べながら夕食時恒例の千鳥の相席食堂を鑑賞、昨日見た会は戦場カメラマン渡部陽一の個人的神回だった。夕飯の後風呂場で一服していると、「今日は頑張ったね。そんなに徳積んだら中国で偉くなっちゃうんじゃない？」と言われたので、「中国？なんで？釈慈康(しゃくじこう)？」と祖母の戒名を突然発する大ボケをかまし(多分諸葛孔明とかって言いたかった)、更には「私が死んだら戒名は徳徳積太郎(とくとくつみたろう)にしてくれ」とこれまたわけわからんボケをかました。今日という日を人間として充実してしまった…多幸感(言っておくけどコデインとかじゃないです)を味わいつつ1日を終えた。

そして今日。今朝バイトに行く恋人を見送った後もまだソワソワ感が止まらない。長くなってしまうので今日のことは割愛するが、昨日同様効率よく手際よく速やかに家事やらなんやらをこなし、時間が余っては風呂場でタバコを咥えながらnoteをぽちぽちしている。そう、まさに今その時間。

ただ一つ、今日うまくいかなくてポロポロ涙を流しながら立ち止まってしまう出来事があった。ラグマットを掃除をしている時のことだ。

昨日はリビング全体のフローリングを磨いたので今日はロフトの方のフローリングとリビングテーブルの下に敷いているラグマットの掃除をすることにした。うちには掃除機がないので引越し当初買ったコロコロをクローゼットの奥から引っ張り出して使ってみたら、粘着力と切り取るミシン目がバカ過ぎて掃除はできないわ剥がせないわで効率よくラグ掃除が進まなかったのだ。剥がそうとしても途中で破けるし粘着力がないせいでゴミが全く取れない。クソが。人間様を舐めるなよ。せめて剥がしやすさだけでもとミシン目にカッターでピーっと線を引いてもう一度剥がしてみた。ダメだ、全くダメ。こんな使えないコロコロどこで買ったっけか。そういえば100均で買ったやつだったな。どうしてなのかそこでうまく剥がせないコロコロを私と重ねて、「汚れて綺麗な部分にしようと剥がそうとしてもうまく剥がれないなんてなんて可哀想なコロコロなんだ」と泣いてしまった。コロコロなんて掃除する以外用途がない。その掃除すらまともに出来ず、お前は何のために存在しているんだ。このコロコロは私の人生そのものだ。過去のことを払拭しようと試行錯誤するがうまくいかない。いつもいつも同じことを繰り返す。今までテキパキと家事やらなんやらをこなしていたのに急に手が止まってしまい、30分机の下でボーッとした。

もう100均でコロコロは二度と買わない。100円でこころを持ってかれるとは夢にも思わなかった。コロコロは少しいいのを買ったほうが、ラグのためにもこころのためにも良い。今日もまた気持ちを犠牲に知見を得た。