（）の世界

デヴィッド・クロスビー、エディ・ヴァン・ヘイレンの死に関するSNSの発言でミュージシャンから批判が集中－rockinon.com｜ https://rockinon.com/news/detail/196110

変なおっさん

今から20年近く前のこと、昔勤めていた会社に変なおっさんがいた。
歳はひとまわりぐらい上の部下で、引くほどの変態性、根拠の無い自信、邪悪な心、すべてを兼ね備えた男で見た目は銀縁の角メガネの痩せ形で、幼児にイタズラする牧師風。普段、私は彼をいじって遊んでいたが（いじられキャラにするしか無かった）真面目な人はマジで彼にキレていた。

ある日彼も出席した会議に急遽社長が出席する事になった。仕事ができる真面目な社長は当然彼の事は理解しており、彼も社長によく思われていない事を分かっているので社長が来ると無口になった。私が彼のある失態をかばって発言している時に彼が私の横で黙ってうなづいていると社長が、

「分かりもせんのにオマエはうなづくな。」

黙ってうなづいているだけでゲキギレされている人を見たのはそれが最初で最後だ。ただ当の本人は何も分かっていないどころか「オレの言いたかったことはそういうことだ、うんうん」、ゲキギレされている事も「社長がめちゃくちゃ言うてるけど、まあまあ黙ってオレが悪いことにしておいてあげよう。しゃー無いな」と思っている。なんせ鋼鉄のハートを持った男だ。そんな彼と付き合いの長い社長はそれが分かっていたので厳しく注意した。

みんなが住みづらい世界

あれから20年近くたった今、同じことを会社でやると私も社長も、なんちゃらハラスメントとやらで糾弾されるのだろう。もしくは、その前に彼はどこか遠くに左遷か窓際族（古いww）、最悪クビになっているだろう。
「分かりもせんのにオマエはうなづくな。」の行間には「人の話をちゃんと聞け」「自分をかばってくれている人の有り難みを理解しろ」など多くの愛ある言葉が読み取れる。また社長が怒った段階でこの話は終わりというのもある。

もちろんイジメもハラスメントもダメだし、イジリにしても叱責にしても許容範囲の設定権限は相手側にある。今の世の中でいちばん安全な生き方は「見ざる、言わざる、聞かざる、近寄らず」だ。当たり障りの無い事を言うTVコメンテイターのような生き方だろう。本音ではなく、視聴者、スポンサー、局の顔色を伺う薄っぺらいコメントができる人だ。その言葉には魂がなく心に何も響かないし行間も無い。

（）の世界

私はオブラートを持っていない、ノイズキャンセリング機能も付いていないし、空気も読めない。だから社会不適合人間だと思う。興味の無いものは無い、嫌いなものは嫌い、好きなものは好き、そして「どうでもいいものはどうでもいい」。
私はヴァン・ヘイレンの音楽が好きだがポール・マッカートニーは好きではない。もしポール・マッカートニーが死んでも「ヘェ〜」としか思わない。。

デヴィッド・クロスビーはヘビーメタルが好きではないらしい。それを知った上で聞かれた質問に、当たり障りの無い響かないコメントができたはずだ。でも彼は正直に答えた。

「Meh ”別に"」

社会不適合人間の私には、これの何が悪いのか分からない。
バラエティ番組のくだらんテロップじゃあるまいし、発言の前後にくだらん説明や言い訳をカッコ書きしないと伝わらないもんかね。要は、共通点も会う機会もわずかだった人が死んだってオレに言われても、知ったかぶりして答えれることなんてなんにも無いやろって事を短く言っただけじゃないのか。
政治家や公務員じゃなくアーティストだよ。言いたい事、伝えたい事、感じる事を芸術という方法で自分の言葉で表現する人が言い訳しないといけないなんて...。
でまた、非難しているのもアーティスト、しかもロッカーってどういうことや。

デヴィッド・クロスビーさんへ。

「Meh ”別に"」で"別に"OK。
「私達は音楽性では共通するものは無かったが、彼が持つ技術や行った偉業には同じミュージシャンとして尊敬を持っている。偉大なギターリストが亡くなった事は悲しい事だ。安らかに眠ってください。」とか言ってたら幻滅。

「ジミ・ヘンドリックスはギターの世界を変えた。他の誰よりもね……。わかるよ……。多くの人がヴァン・ヘイレンを敬愛してる……。一度会ったときに彼（エディ）はいい人で、彼には才能があった……。『別に』は、（彼の死を）それほど気にかけていないという意味なんだ……。彼がいい人ではなかったという意味じゃない。彼はいい人だったけど、私にとって（彼の死は）重要じゃないんだ」
は幻滅。
「知らんがな」で"別に"OK。

と私は思います。

ディー・スナイダーさんへ。

君が見かけの事言う？