思い出のあの子について #2 〜真面目すぎた天才少女〜
その少女ほど応援したくなる馬は、簡単に見つからないだろう。端正な顔立ちに、額から鼻先にかけて真っ直ぐに落ちる白い流星。少女らしいあどけなさと、物静かな優等生気質が同時に含まれるその瞳に、私は恋をした。
彼女の特徴と言うと、やはり「ギャップ」の一言になるだろう。彼女をよく知る関係者曰く、『普段は大人しいのに、レースに行くと頑張りすぎてしまう』らしい。彼女に恋した者たちにとっては、それが愛おしくてたまらないのだ。そんなギャップのある性格が、彼女の競走生活を難解なものにさせている