見出し画像

作品紹介|My little Rascal -友だち-

「My little Rascal」というシリーズ名をそのまま置き換えたような切ない情愛を連想させる絵。それが「友だち」です。スターリングが大切そうに抱きかかえるラスカルは、幸せそうに目を伏せています。

画像1

石川真衣「My little Rascal -友だち-」(2022年)
260×205mm(絵柄サイズ) リトグラフ ed.45

その情感をしっかり伝えるうえで大切なポイントが、ラスカルの動物としての存在感、その再現性です。特に本作で石川真衣さんは「抱っこするとずっしり重くて、外側のザラザラした硬い毛と内側のふわふわとした毛のダブルコートを感じれるような、スターリングに抱えられている体感を想像できるような作画にしました」とのこと。

「ふわふわの長細いクッションを買ってきて、実際に自分で抱っこし撮影して参考資料を作った」そうで、本当にアライグマの抱っこで感じる質量を表現することにこだわった力作になっています。(下は線画の版と、色版を重ねていく様子)

画像2

スタンド式の鏡のなかにふたりが描画されているのも、情感を増幅させているポイントでしょう。ノスタルジックで暗示的です。

「仮想空間というか夢の中のような閉鎖的な世界にしたくて、鏡に映る2人を描きました」と石川さん。ラスカルとずっと一緒に暮らしてほしいという彼女の願望が入っているんですね。

アニメの中でスターリングの家に飾られている時計までさりげなくこの絵に取り入れられている点にも、ぜひ着目していただきたいと思います。

画像3


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?