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ヴィクトル古賀さんの生き方―蓄積ではなく、自由を。

たまたま見かけたこの記事。最近亡くなられたヴィクトル古賀さんについてのもの。ロシア格闘技サンボの名手ヴィクトル古賀というと、記憶の底を探るとまだかすかに残っている。この記事を読んで初めて知ったのだが、ヴィクトル古賀さん、生まれが第二次大戦前の満州で、母上がロシア帝国の騎兵コザックの一族だったという。そんな環境なので、古賀さんの幼い頃も馬と満州の大自然とともにあったよう。 この記事で素晴らしいのは、この部分。「馬と寝るだろう。身体の習性がよくわかるんだよ。どうすれば怒るか、ど

    • 学校—「緘黙」の舞台—響鳴する身体|身がまま整体 気響会 @migamama_bot|note(ノート)https://note.mu/migamama/n/nfdac576333a6

      • これは、面白い。卓見。 神経症的近代空間から自閉症的超近代空間へ|身がまま整体 気響会 @migamama_bot|note(ノート)https://note.mu/migamama/n/n08f57105a076

        • 白帯の楽しみと気楽さ

          段位制を採用している武術の場合、ほとんどの人がまず黒帯を目指すのではないだろうか。とてもわかりやすい目標。ただ、折々、疑問がわくときがある。例えば… 1. 黒帯を取得してしまったら、道場を去ってしまう人。こういう人には、黒帯を取ることそれ自体が、稽古の目的なのだろう。 2. 黒帯を取得すると、道場にあまり顔を出さなくなる人。これも、1.と似たタイプだが、いくら黒帯を持っていても、稽古しなければ急速に身体も固くなり、技の切れも悪くなる。ただ、黒帯という事実は残っているので、たま

        ヴィクトル古賀さんの生き方―蓄積ではなく、自由を。

        • 学校—「緘黙」の舞台—響鳴する身体|身がまま整体 気響会 @migamama_bot|note(ノート)https://note.mu/migamama/n/nfdac576333a6

        • これは、面白い。卓見。 神経症的近代空間から自閉症的超近代空間へ|身がまま整体 気響会 @migamama_bot|note(ノート)https://note.mu/migamama/n/n08f57105a076

        • 白帯の楽しみと気楽さ

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        • 身体
          5本

        記事

          甩手功(スワイショウ)の夢見の力

          甩手功(スワイショウ)という少林寺や道家に伝わる動きがある。真偽は定かではないが、インドから中国に渡ってきた達磨大師がこれを始めたという。あるいは、インドのヨガ由来の動作かもしれない。今は気功や中国拳法にも取り入れられているよう。いろんなヴァリエーションがあるが、私がやるのは足首、膝を緩めて腰を回転させ、でんでん太鼓のように腕を身体に巻き付けるもの。この動画の冒頭の動きがそれそのもの。https://www.youtube.com/watch?v=5JLwkk20lFc 身

          甩手功(スワイショウ)の夢見の力

          身体の軸が振れる子供たち

          うちの道場は、二つの街の境目にある。1つは、交通インフラが整備されたので最近急速に開発された新開地。モールやチェーン店が立ち並び、新来の住民が続々と流入してくる。もう一つは、鎌倉時代以来の古い集落。いくつかの氏族が中核になっていて、コミュニティを維持している。自治会や消防団活動も活発。お宮も多い。 面白いもので、この二つの街から道場に来る子供たちの心と身体は明らかに違う。最も点滴に出るのは、姿勢。新開地から来る子供たちは、身体の軸がはっきりせず、首から上がいつもぐらついている

          身体の軸が振れる子供たち

          サラリーマンの身体―肩のライン

          先日、鏡を見ながら、師範に稽古をつけていただく。すると面白いことに気が付く。師範の方がよほど鍛え上げたな身体なのに、なで肩。私の方は、ハンガーが入っているようないかり肩。そして、このいかっている肩のライン、どこかで見覚えがある。スーツの肩のラインである。振り返るとサラリーマン人生数十年のうち、最低でも週5日、1日当たり8~9時間はスーツを着ている。そのスーツの肩が、完全に自分の生身の肩のラインの鋳型になっている。考えてみれば、スーツの上着の重みだけでも1~2㌔はある。それに加

          サラリーマンの身体―肩のライン

          合気道エリートと子供たち

          先日、道場の片隅を見ると一人の青年が座っている。背が高く、眉目秀麗。冷静なまなざしで子供たちの稽古を見ている。誰だろうと思っていると、師範代と話し始めた。どうも、子供の頃からいくつかの流派で合気道を学び、大学でも合気道部に属した。そして、社会人になった今でも一流企業の合気道部でバリバリ稽古をしているらしい。当然、相当な段位を持っているはず。こんな人が見学に来るのは、街場の道場ではまれなことである。 早速、道着に着かえて練習に参加される。身体も柔らかく、運動神経もよい。当たり

          合気道エリートと子供たち

          口元がゆがんだ美女ーもったいない

          街角ですれ違った若い女性。知的な美女。良家の出で、お嬢さん学校を出てなどという経歴が推測できる。ただ、である。口元が完全に歪んでいる。おそらくストレスの多い環境にいるのではないか。その中での、歯の食いしばりが蓄積して歪みになっていると思う。せっかくの美女がもったいない…  写真は、ルキノ・ヴィスコンティ「山猫」でアンジェリカを演じたクラウディア・カルデナーレ。

          口元がゆがんだ美女ーもったいない

          「怒りと嫉妬は明日への原動力」?

          先日、AERAが「怒りと嫉妬は明日への原動力」という特集を組んでいるのを見かけた。怒りと嫉妬をポジティヴなエネルギーに転換しようという、前向きな特集…に、みえる。 が、システマとか合気道的な感覚だと、怒りと嫉妬をいったん立ち上がらせてしまった段階で、ペケだろう。初級段階としては、怒りとか嫉妬が心でうごめき始めたその瞬間に、ブリージングや吐息といった呼吸を介した働きかけを行い、身体の側から鎮静させる。  更にステップアップしていくと、マイナスの事態から適切な距離を置き(シス

          「怒りと嫉妬は明日への原動力」?

          ニベアの青缶

          今朝、ふと気が付くと手の甲が乾燥している。秋の訪れである。それと共に乾燥した空気が、皮膚の湿度を奪っていく。ほっとくと、肌がかさかさとなり、それにつれて心も乾いていく。 早速、ニベアの青缶を取り出し、手に刷り込む。この秋はじめてのニベアの登場である。

          ニベアの青缶

          脱力の難しさ

          練習で、指導員が投げ技の際に肩から、肘、手首までを脱力することで相手を投げることを求めてくる。筋力ではなく、腕の重みで相手を投げようというもの。システマのパンチでも、この使い方があったように思うが、定かに非ず。 ところが、先輩の何人かは、この脱力系の使い方ができずに、相変わらず上半身中心の筋力でガンガン投げてくる。このタイプの人は、受け身を取るときも、投げの側のエネルギーを受け身を介して畳に流していくのではなく、そもそも投げられまいとして踏ん張ることが多いように思う。プロファ

          脱力の難しさ

          夢が告げるもの

          先日の明け方に夢を見た。実に久しぶりの夢。近所の図書館に漫画を借りに行く。帰りがけになじみの道とは一本外れた道に入ると、いつの間にか未来都市に出ている。ここで目が覚めた。またうとうとする。今度は近所の坂道を上っている。峰まで昇りきると、向こう側にはどこか外国の街並みが広がっている。あわてて、スマホの地図を見ると、やはり外国の表示となっていて、驚く。また、ここで目が覚めた。不思議なものだ、一回目が覚めたのに、同じような内容の夢を2回も続けてみる。 「よくなじんだ近所を歩いている

          夢が告げるもの

          標準装備|北川貴英 @systemaTYO|note(ノート)https://note.mu/tkhd/n/n54ab7915a75f

          標準装備|北川貴英 @systemaTYO|note(ノート)https://note.mu/tkhd/n/n54ab7915a75f

          ツイッターをはじめて一か月ちょっとだが、こういうのも小規模ながら「バズる」というのだろうか。つぶやきとはいえ言葉を公開することの重みを感じた。書き直したいところが……|K @kutsunayuichiro|note(ノート)https://note.mu/kutsunayuichiro/n/nea2eb58d2db8

          ツイッターをはじめて一か月ちょっとだが、こういうのも小規模ながら「バズる」というのだろうか。つぶやきとはいえ言葉を公開することの重みを感じた。書き直したいところが……|K @kutsunayuichiro|note(ノート)https://note.mu/kutsunayuichiro/n/nea2eb58d2db8

          ドストエフスキーとシステマ

          北川貴英師の「逆境に強い心のつくり方 システマ超入門」を読み進む。 つくづく感心するのは、このシステマというロシアの護身の術の体系が高度に心理学的なこと。ブリージングという呼吸を用いて自らの心理を明鏡止水の境地において、身体を脱力し、いかなる事態にも対応できるようにすること。あるいは、敵に追い込まれ、窮地に立っても智慧を使い、敵の心理を混乱させてスキを作り出そうとすること… 一言で言えば、心を巡る駆け引きの集積。 合気道でも、中村天風の流れを汲む藤平光一師の心身統一系では、心

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