うつと、ごはん

うつがひどくて、ほぼ寝てばかりの時期
あの時、わたしは『人に会うこと』や『ご飯を食べること』にとても気を遣っていた

美味しいご飯、食べたいけど…
食べ切れるのかな…
食べれないと心配かけるんじゃないかな…

そんなことばかりを考えていた

定食を食べることが怖かった
食べ切れるのかを毎回、考えないといけないから

家でのご飯は大丈夫
残したって明日、食べたらいい

外食はそうもいかない
明日、食べるはできない

食べなきゃ…食べ切らないと…
心配を掛けないように……

ほぼ毎回、人に会う時は気合いを入れた
食べれそうな量を選んで、がんばって食べる

お腹がいっぱいでもう食べられない
食べたくないけど…
心配をかけるくらいなら食べる

そうやってがんばっていた

そんな日が過ぎ、ご飯を美味しく食べられるようになってきたこの頃

うつがひどい時に食べ切れるか心配になった定食を食べた
美味しかった

あの時は美味しいと感じるどころじゃなかった
食べなきゃ…食べなきゃ…とそれしか考えてなかった

その定食を今は美味しいと思える
味わえる

なんて幸福なことなんだろう

こんなに美味しかったんだ
あー、わたしはもう大丈夫になったんだ

ご飯を食べきる心配しなくていいんだ

良かった…良かった…

美味しいが戻ってきた

こんなふうに食べられる日が戻ってくるんだ

こんなに幸せなことはない

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