基礎練習の大切さがわかるようになる時期 26.

「本当に強くなるためには基礎練習が大切だよ」

この言葉を中学生が本当の意味で理解できるようになるためには何が必要かと考えた。

基礎は大切だ。これはスポーツに限らず、何かを極めた人が必ず言っていることだ。何事も基礎が大切。その土台がしっかりしているからこそ応用が利くのだと。これを心の中でしっかり理解し、基礎をきちんと身につけるために努力できる中学生がどのくらいいるか。

小学生では、基礎の大切さを理解させるのは難しいだろう。楽しんでやらせるうちに自然と身につくような指導をするのがいいと思う。まあ小学生の指導を本格的にやったことが無いので何となくそう思っているだけなのですが。

高校生で基礎の大切さを理解していない選手は、間違いなく伸びない。基礎が無い状態でレベルの高い高校生向けの指導を受けたところで、間違いなく身につかない。少なくとも全国大会クラスで活躍している選手はみな基礎の大切さを理解しているし、基礎練習を血反吐が出るほどやって、大舞台に立っている。

中学生は、ちょうどその境目。さすがに中3になるまでには理解していて欲しいが、理解する時期が早ければ早いほどその子が伸びる時期は早まると思う。
ちなみに僕は教えている生徒はいつか全員伸びると思っていて、その時期が早いか遅いかの違いがあるだけだと思っている。その子が伸びることを信じて待ち、伸びる時期をいかに早くしてあげるかに力を注いでいる。

基礎の大切さがわかるようになる時期というタイトルであるが、僕が思うにその時期が来るにはある条件が合って、それが「成功体験」と「挫折体験」を経験した時だと思う。

成功体験は、簡単に言うと試合で勝ったときとか、大会でいい成績を残した時とか、レギュラーに入ったり選抜に選ばれたりする体験。挫折体験はその逆である。

この2つを体験した子は、やっと本当の意味で基礎練習の大切さを理解してくれるようになるのではないかなと考えている。

「試合に勝ちたい」とか「何かに選ばれたい」とか、そういった欲が出てきた子はいい感じ。試合に勝つためには基礎練習は避けては通れないので。

純粋にその競技を楽しむために取り組むことと、その競技で勝つために真剣に取り組むことは全く違う。

ソフトテニスを楽しむのであれば、試合をたくさんやる方が間違いなく楽しい。始めたばかりの1年生や小学生には試合をたくさんやらせてあげて、ソフトテニスを楽しくやらせて好きになってもらうことが大切だろう。

大会で勝ちたいとか、上手くなりたいとか、そういうことを思い始めると、その競技に真剣に取り組むようになる。何かに打ち込むことで得られる経験は、言葉に表せないほど大きいし、感動もする。

そしてその競技に真剣に取り組むモチベーションを維持するには、大会で勝つことが多くの人には必要だ。

勝てなきゃつまらないし、面白くなくなって真剣に取り組む意欲が減ってしまう。上達への意欲も削がれてしまう。

なぜ指導者が教え子を勝たせようとするのか。それは、勝てなきゃその子が競技に真剣に取り組む意欲を削がれてしまうから。

勝利至上主義に猛烈な反発感を覚える人は、得てして大会で自分の望む結果を残せなかった上に、結果を残せなかったとしてもスポーツで得られる大切なことを得られなかった可哀そうな子だ。そんな子を僕は育てたくない。

勘違いしてほしくないが、僕が育てたいのは関東全国で活躍するような子が全てではない。もちろんそういうレベルの高い大会で活躍できる子を育てたい気持ちはある。でもそれと同じ気持ちで、生徒自身のレベルにあった目標を達成できるような子を育てることに力を注いでいる。それが地区大会一回戦突破でも県大会出場でもいい。自分の限界のちょっと先の目標を達成することで得られるものにレベルは関係ないから。

話を戻すが、ソフトテニス競技において大会で勝つためには、基礎練習が間違いなく大切だ。

ただのストローク、ただのサーブ、ただのボレー、ただのスマッシュ、そういった一つ一つのプレーに大切な基礎はあって、一つ一つのプレーをきちんと試合でできるようにするためには基礎が大切。基礎ができていない子ほど自分の練習通りのプレーを試合でできなくなってしまうことをここ数年のコーチを通して学んだ。

基礎を理論的に教えることはいつでもできる。ネットや本にもたくさんの情報はある。でもその子が基礎の大切さを理解できるように指導することはとても難しい。その子のレベルもあるし、経験してきたことも一人一人違うし、理解力も違えば身体能力も違う。競技への取り組む熱量も違えば、伸びる可能性が高い時期もきっと違う。

それらを総合的に考え、チームの状況や目標や今のレベルも判断して、その時に必要な練習を考えるのが僕ら指導者の役目だと思っている。モチベーションを高く保ち続けられるように生徒を仕向けることもコーチの大切な役割。

チームを勝たせて自分の指導力をアピールするようなダサいことを僕はしたくない。僕が今まで先輩や大人たちにやってもらったことを、今度は僕が後輩たちに伝える番。全てはチームの子供たちのため。

今日は基礎練をたくさんやってもらったので、振り返りの意味も込めてのnote。

最近書いているnote記事って、ある意味僕のテニスノート代わりになってるね(笑)。

また明日も頑張ろう!

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