何もできないけど、その痛みと共にいる

「目標に向かうときに一緒に頑張ることはそう難しいわけではないけれど、絶望を共に向き合うのから逃げないことは意外と難しく、けれどとても必要なことだと思います」

___ソフトテニス・マガジン8月号 福島談義71より


ソフトテニスマガジンは毎月買っていて、実はこのページは毎回楽しみにしている。

軟庭堂の高井(旧姓・福島)志保さんという方が書いておられるこのページには、大切な言葉とか思いが端的に書かれており、考え方などを参考にさせていただいている。


今回のnoteの題、「何もできないけど、その痛みと共にいる」という言葉はこのページから引用させていただいた。

もちろん人はその人に代わることはできないので、その人の痛みを完全に知ることはできない。そういった意味では人は他人に対して何もできないと言える。

だがしかし、僕らコーチの役目はまさに「その子の痛みと共にいる」ことだと思った。

勝って喜んでくれる人とか褒めてくれる人はたくさんいるだろう。だけどその子の負けを本当に一緒に悔しがってあげられる人ってどのくらいいるだろう。

本人が悔しいのはもちろんだけど、そのペアの子、それから親や家族。そこにチームメイトやチームメイトの親、応援してくれる周りの人、先生や指導者もそこに入るかもしれない。

僕が子供の頃、勝って喜んでくれた人よりも、負けて一緒に泣いてくれた人の方が印象に残っている。

冒頭に書いた言葉も、このページから引用させていただいた。

「絶望を共に向き合うのから逃げないこと」ってのは、その子にとって本当に悔しい負けにとことん向き合い、どうすれば今より成長できるのかを考えてあげることだろうか。

「自分が本当に成長しているのかわからない」と思う子に対して、道しるべを作ってあげ、「この道を進めば必ず上手くなれるよ」と手を引いてあげるような役割がコーチに必要なことかと思う。特に経験の少ない中学生プレーヤーにとっては。

自分が進んでいる道が合っているか間違っているかがわからないことが一番怖い。前が見えない道を進むためには、大きな勇気と確かな経験が必要だから。

中学生にまだその道を自分の力だけで進む力は無いと思う。だから前に立って導いてくれる指導者が必要だろう。

高校生にもなれば、自分で道を見つけ、その道を進むために自分で考えて努力する必要がある。じゃないと本当の意味での成長はできないと思う。

中学生までに、その入り口までは連れて行ってあげたい。

そこからが本当の意味で面白いところだと思うから。

高井さんの文章、これからも楽しみにしています!

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