人の上に立つ「リーダー」が持っているもの 17.

僕が教えているチーム(中学部活)には男子と女子にそれぞれ部長(キャプテン)がいる。

この2人、僕は本当にすごい人間だなと思う。

僕が思うリーダー像は、「この人の言うことは聞かなきゃダメだな」とか「この人についていかなきゃ」とかをみんなから思われるような人だと思う。

うちのチームのキャプテン二人は、まさにそんな子たちだ。

この二人がいるかいないかで、チームの雰囲気が全く違う。コーチの僕が言うことを本当に理解してくれる。僕にとってはかけがえのない二人である。


以前読んだ本の中にこんなことが書いてあった。リーダーに必要なのは「犠牲と模範」であると。


キャプテンとか部長とかって、嫌われ役にならねばならないことがある。その上、他の人の模範となるような行動が求められる。
それは本当につらいことも多いと思う。
別に人に嫌われたくなくても、チームの雰囲気が悪ければ「声出そうよ!」とか「ボール拾いちゃんとやろうよ!」と言わなければならない。コーチがそれを言うのとはわけが違う。普段はみんなと友達で仲良くしている子に対してチームのために厳しいことを言うのって、普通の人が思っているより辛いことだ。

ましてや中学生はまだ子供だ。特に女子なんかは、人から嫌われたり仲間外れにされる恐怖があることが本当につらいと思う。その中で頑張ってくれている部長とかキャプテンとかは自分より年下だけれども尊敬する。

僕自身の中高生時代は、「副キャプテン」とか「2番手」とかで、リーダーのサポート役になるようなことが多かった。リーダーを間近で見てきたことが人よりも多い分、その辛さとか背負っている物の大きさとか、期待とプレッシャーとかがすごくよくわかる。

中高生時代にリーダーに選ばれるような人は、「やっぱり○○君はさすがだね」とか「○○さんはすごいね」とかいう言葉をたくさん言われると思う。それは嬉しい反面、期待が大きい分プレッシャーがかかってしまったり、期待に応えられなかった時のことを考えて怖くなってしまったりすることもあるだろう。

でも、そういうたくさんの辛いこととか大変な経験をしている人間は、大人になったときにその経験が本当に生かされると思う。


学生時代には見えなかったものが、最近いろいろ見えるようになってきた。

人の痛みを知っている人間は、何となくだが、大人になってから自分が満足できる人生を送れている人が多いと感じる。幸せな人生を歩んでいる人が多い気がするのだ。

社会に出ると、人の下につかねばならないこともあるし、人の上に立たなければいけないこともある。

その時にリーダーを経験したことのある人は、人の下につけばリーダーの辛さとか責任の重さを理解できるし、人の上に立っても力を発揮することができるだろう。

将来どんな立場になろうとも、自分の与えられた環境の中で自分らしくいられる「自信」みたいなものが付くと思う。この表現があっているかはわからないけれど。


だから自分が教える子たちには、積極的にリーダー役をやってほしいと思う。部長とか委員長とかクラス長とか評議員とか。人の上に立つ役をやりたがらない人は多いと思うけど、そういった経験って将来絶対に役に立つし、かけがえのない経験になると思う。

そしてコーチとしては、そういう頑張っている子にはチャンスを多く与えたくなる。やっぱり頑張っている人は報われてほしいと思うし、報われるべきだと思う。

今日も頑張ってくれているキャプテンに感謝して、僕は僕の役割を果たすために頑張ろう。

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