ベンチに入っているときの僕の視点と考えていること 29.

コーチとして生徒の試合のベンチに入っているときの僕の視点と考えていること、これを改めて自分で言葉にすると新たな発見が生まれるかもしれない。

僕のチームの保護者の人たちからも、僕のこのnoteを見ていますとの反応が返ってきて、素直に嬉しい気持ちになる。

このnoteは、保護者の皆さんが自分のお子さんにより良いアプローチができるようになってほしいな、そのための手助けをしたいな、という気持ちで書いている側面もある。

保護者の皆さんがコーチの視点思考を知ることができれば、子供たちと話すときも少し説得力が出るような気もする。結局、生徒の保護者の方が一番のコーチであるってのが僕の考え方なので、生徒を育てると同時に保護者の皆様の手助けもできれば僕も少しは役立てるかな。

ではここから本題。

大会や本番の試合において僕がベンチに入るときに何より大切にしていることは、「褒める」ことと「励ます」ことだ。
正直、本当に勝負がかかった試合のベンチに入るときはこれが全てだと思っている。

僕がプレーヤーなら、試合中に細かいアドバイスや小難しいことは言われたくない。ましてや怒るようなアドバイスは逆効果になることが多い。

まずベンチコーチャーがすべきなのは、その子が「できていること」を褒めること。その上で何か効果的なアドバイスができそうなときは、できるだけ丁寧な言葉で、簡潔に言うことを心がけている。

チェンジサイズの1分でアドバイスできることなどたかが知れているので、無理に詰め込もうとすると上手くいかない。試合の組み立て方については、試合当日ではなく普段から身につけさせるようにしておく。試合中はペア同士がコーチの役割を果たして試合を組み立てられるようにしておくことが大事だと思うが、それについては別のnoteで。

上手くいっているとき、僕は余計なことは言わないようにしている。僕が教える子たちは普段からかなり考えさせる癖をつけさせているので、上手くいっているときは自分たちで考えていることが上手くいっているので、僕がわざわざ何かを言う必要などないのだ。

問題は、上手くいっていないとき。特に1ゲーム目を取られた時のチェンジサイズのアドバイスは重要だ。
例えば、自分たちが考えて何かやろうとしたけどポイントが取れなかった場合、やり方が間違っていなければ「大丈夫、やることはあっているよ。続ければ必ず上手くいくよ。」と声をかける。自信を持たせてあげるようなアドバイスを心がけている。
自分たちのミスばかりで選手が冷静になれていないなと思ったら、とりあえずジャンプさせる。ジャンプすると体を大きく使うことになるので、少し体がほぐれて動きが良くなるような気がする。緊張もほぐれるような気がする。根拠があるかわからないけど、何もしないよりは全然いいと思う。こういった場合、まずはできていることとできていないことを教えてあげる。できていることをまず褒めて、できていないことはやさしく伝える。今その試合でできることをアドバイスしてあげて、その子が練習通りの力が上手く発揮できるように励ます。

練習通りの力がきちんと発揮できれば、負ける確率は極端に少なくなる。負けの9割は、自分の普段の実力が発揮できなかったことが原因だと思っている。だから僕がベンチに入るときは、その子の普段の実力をどれだけ引き出してあげるかを考えて言葉を贈っている。まあ、上手くいかないこともすごく多いんだけどね。

ここまで読んでいて、「え?おれ試合中にめちゃめちゃ怒られたことあるけど」と思う子もいるかもしれない(笑)。その時どんな声掛けをするかは、時と場合と人による。


怒ることで得られそうなメリットと、怒ることで悪い結果になるデメリットを考えた時に、メリットの方が大きいと感じたら僕は怒る。アドラー心理学的には生徒に怒るってのはダメなことらしいけど、自分でこれからさらに何年もコーチを続けてたくさんのことを考えて、その都度自分の指導スタイルを変えようと思う。

コーチの視点については、もっとたくさん書きたいことがある。生徒を支える保護者とコーチ監督は、視点を共有することで生徒のためになるようなことがもっとあるような気がする。今後もっと書きます。

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