僕が生徒とペアを組んで試合をする理由

僕はしばしば、生徒とペアを組んで練習試合の相手をする。

きっと子供たちの中で、「コーチと組みたい!」って思っている子はほとんどいないだろう。

なぜなら怒られるから。

みんな僕とペアになることが決まると、あからさまに顔が変わるよね。(笑)

それはそれでいいんだけど。ミスできないという緊張感があるから、それはそれで本番の緊張対策にもなるし。


まず子供たちに知っておいて欲しいことがある。僕がペアを組むってことは、それだけその子に対する期待値が上がっている証拠だってことです。

もちろん僕は教える生徒全員に期待をしているし、試合にも勝てるようになって欲しいと思っている。

今述べた「期待値」というのは、僕がその子に期待しているかエコヒイキするための指標ではなく、「試合に勝つための難しい指導がその子に入る期待が持てるかどうかの度合い」のことだ。

言い換えると、ボールがある程度狙ったところに打てるようになった子に対して、「試合に勝つための難しい指導」をしても話をきちんと聞いてくれるかな...ということ。

だから僕とペアを組んで試合をするってことは、それだけのレベルに達したって認められていることだから、もっと喜んでもいいんだよ。イジメるためにペアを組んでいるんじゃないんだから(笑)。

まあ喜ばしいことかどうかはさておき、コーチとしてみんなに期待していることの1つが、本番の大会で僕のコーチングがきちんと理解できるかってこと。

例えば、「相手は1本目流しに打ってくる可能性が高いから、流しのボールを捕まえに行け」と指示をしても、その子が理解できていなければその指示も意味をなさない。

そしてその指示を聞けるようになるためには、ある程度の訓練が必要なのだ。

よく「もっと考えてプレーしろ!」と言われる子がいると思うが、考える材料が無ければアウトプットも出てこない。だからコーチは「考える材料」をいかに練習中に与えられるかどうかが勝負だと思う。

僕が積極的に自分の考えていることを発信したり生徒に言葉として伝える努力をしている理由は、「考える材料」をできるだけ多く子供たちに伝えたいと思っているからだ。

先ほどの僕が生徒とペアを組む理由についての話に戻る。

実際の試合の中で指導した方が、理解しやすいことが多いと僕は感じている。

練習中に生徒と1対1で会話できる機会は少ない。試合中の細かな指導は、一緒にコートに立ってプレーすると、伝えられることの幅が大きくなると思う。

でも実はその指導は難しく、生徒がある程度上手くならなければ伝わらないことも多い。

だから僕は、子供たちが最短コースで上達する練習方法を常に考えて指導に当たっている。

早く一人でも多く僕と組んで試合を楽しめるようになって欲しいなあ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?