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労働とあざとさ日記



朝7時に家を出た。
今日は工場に行く、お金を稼ぎたいから。稼ぎたくなかったらわざわざシェアフルの単発バイトで働かない。しかし私は稼ぎたいから働く。

私も名もなきシェアフル軍団として工場で労働することを想像していました。この時はねっ、、



先日、ようやく夏期講習が終わった。
耐え難きを耐え、忍びがたきを忍び、、、といった感じの夏であった。
夏期講習は朝9時過ぎに家を出る。こんなことは凄くイージーなのに、なかなか身体が動かずまあまあ遅刻してしまっていた。でも今日はパッと目が覚めスルッと家を出てスタスタと歩くことが出来た。労働の責任があるからだろう。朝なのであまり暑くないけど空気がすごいジメジメしている。この時間でもやはりジメジメするのね。と思いながら下り道を下る。

道中でお金が無さすぎることに気づく。PASMOの中にも確か数百円しか入っていなかった気がする。財布の中を確認するとそこには165円しか入っていなかった。なるほどっ💦となった。このままではバイトに行けないので、お金を下ろすために近くのコンビニに入った。時間的に少し危ないけれど、25分前に工場に着くタイムスケジュールにしていたため、まあ大丈夫そうである。
お金を下ろそうとする。60円くらいしか入っていない。なるほどっ💦💦💦
ここで行先までの金額を調べてみる。すると、240円でたどり着けると書いてある。これは普通にPASMOの中のお金でいけるかもしれないと気づいた。レジにて
「PASMOの中の残高を見ることは可能ですか?」
とお聞きして、確認させてもらうとPASMOには249円入っていた。いけるやん🤣💦🤣
バス停に行き、所定の時間から1本あとのバスが来たので乗る。
PASMOを機械にタッチするが、ピピピッ‼️と言われてしまった。電光掲示板を確認すると、290円と書いてあった。私はもうショックで怖じけずいて降りてしまった。
私が先程調べた240円はGoogleMAPでの表記であり、あれは結構間違えるから、なるほどそういうこともあるよなと思った。
加えて、私の実家は横須賀の奥まったところにあり、最寄り駅からバスで40分ほどしたところにあるのだが、あのバスも2年ほど前に1度値上がりをしていたため、まあそういうことって全然あるのかあ。、と思った。
でもとりあえず、私は困ってしまった。

そして私は道端の人に借りるという選択をとった。

実は以前もそれがあった。夏期講習に行けなそうで、すらっとした地雷メイクっぽい可愛いJKに借りた。
財布を忘れてしまい、予備校に行くお金が無く、鍵もないので家にも帰れないということを説明したらすぐ納得してくれて、1000円を貸してくれた。私は後日ペイペイで1500円を返した。

バス停に2人組の女子高生がいたので、意を決して話しかけ、丁寧に説明をしてみた。1人の女子高生はかなりびっくりして不安そうな顔をしていたが、もう1人の女子高生は理解をし300円を貸してくださった。

ほんとありえないですよね💦信じられないですよね💦フォロー外していいんで💦もうほんと、助かります💦
と言った。💦
(フォロー外していいんで💦って言葉はつまり、今インスタを交換させて頂いて、後日PayPayで送金するという手段をとるから。その後はもうフォローを外しても良いですから。という気遣いのような一言である。今思えばなんか本当に変だ。)


バスに乗り、降りる。
GoogleMAPには徒歩20分と書いてある。
走れば巻ける!何とか定刻にたどり着きそうだ‼️

走った。迷いつつも無事定刻1分すぎで到着。

工場の中はかなり小綺麗だった。チョコザップくらい綺麗な内装だ。最近できた建物なのだろう。
従業員の方の行動を観察すると、作業着を着なければならないぽかったので、使用済みの作業着BOXから漁る。
ゲロ臭すぎる🤮‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️
何とか着衣成功👏

少し遅れてしまったがなんとか工場の中に辿り着いた。工場内はすごい厳重で清潔で神聖な場所だ。私の持ち場は生ハムの加工所だった。
仕事内容は、生ハムを125~130g測り、手で押し固め、トレーに5×5で並べることだ。

最初は生ハムをにぎにぎしてしまい、手の油でグチャっとなり、前にいる″羅″さんに「ニギニギしない!」「ニギニギしたら美味しくない‼️と注意を受けた。

次第に上手になっていき、これ上手😆と褒められる。良い職場だなあと思った。

肉は綺麗に丁寧に扱わなければならないのでたくさんアルコールを使う。トレーを触ったあともする。アルコールでベタベタの肉。
しかし、もしかしたらこのアルコールが保存料的な役割を担っているのか?と一瞬思ったがもちろん違う。
後日、管理栄養士の資格を取得している方から聞いたが、そのアルコール消毒の量というのは全く問題ないらしい。使っていいものを使って良い分だけ使っているのだ。

数時間働いた後、休憩に行ってくださいと言われたので休憩をとった。私の聞き取りミスで休憩を取りすぎて怒られた。

また作業に戻る。かなりコツを掴んできて流石に上手になった。

お昼休憩を取って、午後の作業が開始した。

派遣の女性の方が名札を無くしてしまい、女性の上司に注意を受けてあわあわし始めた。
あわあわしている女性に対して女性の上司の方が大丈夫?と聞いた。
⬆️
大丈夫ってなに?

今日終わるべき生ハムの加工が終わって、掃除が始まった。

まず床や机を清掃し、次に生ハムの入っていたトレーや道具を掃除する。一通り終わったら、次はアルコール布巾で壁を磨きあげる。その拭き掃除の時間は明らかに予定調和的な、不必要な行いに見えた。みんなお喋りをしながら同じところを磨き続けている。私はそれを、空虚な掃除、欺瞞だ、と思った。

でもピカピカになっている。壁を吹いてみて、壁のツルツルさに気づく。清潔を保つために、空虚な掃除を前提に設計されていたのだろうか。

作業中は気づかなかったが、この部屋の従業員は30人ほどいて、そのほとんどがアジア系の方だった。だからこの空間で行われているお喋りも、全く理解できなかった。
先程少し怖く見えた上司も、従業員と親しく易しい日本語で話していてまるで先生のようだった。中学の時に私が所属していたテニス部の顧問を思い出す。もはやお母さんのようですらあった。なんだか優しい職場なのかもなと思った。

消毒液を床に置いて、注意を受けた。床はかなり不潔とされているのか、と気づいた。あいりDXのショート動画みたいだ。



業務終了。

男性の交際者が車で駅まで送ってくれるので、コンビニで待つ。ほぼすっぴんだったのでコンビニ前のポールに腰掛けてメイクをした。私が信じられないところにノーズシャドウをしている所に男性が登場。タイミング悪い!
車に乗る。

車はドキドキする。道が狭いところもあり、まだ運転の初学者なので本人もハラハラしていた。私もそれが伝染してハラハラする。
狭い道を譲り合って、街を走っていく。

駅に到着。

あと2分で電車が行っちゃうからとにかく走った!ズボンがずり落ちても走った!
階段をゆっくり歩く女性がいたので、余裕あるのかなと思ったら普通に乗れなかった。こいつがいなかったら乗れたのに、と一瞬思ったが、この人がいなかったら悲しむ人がいるからそんなことは思うだけで最悪だ。と思考がひとり歩きした。

あと12分くらいあったのでトイレに行き、少しメイクをして、予定から過ぎた電車に乗り逗子へ向かった。
車内には七里ガ浜高校の体操服を着た少年がいて、おらおら、卒業生のわたしが通りますよーっと、と思いながら闊歩した。

学生時代、私はグリーン車を通り抜けて良いと思っていた。だから今日も通り抜けて行ったが、もしかしたら、通り抜けてはならないかもしれない。根拠を持ってない。ソースを知らない。私はそういう、許されるだろうみたいな甘い精神が多すぎて、これはいつか危険な目に合うかもしれないと思った。

逗子駅に着いた。時間短縮のためにグリーン車を横断したが返って遠くになってしまった。とほほ

ファストフード店の前で待ち合わせをして友人を待った。友人は私に会って嬉しそうだったし私も友人に会えて嬉しかった。

友人とは沢山の話をして、食べ物に付属しているペーパーで工作したり、沢山ふざけ合って、大きな声を出して、そして海へ行った。海はまだ若者たちの騒々しい声が鳴り響いて、友人はそれに当てられてちょっと気分が悪そうだった。
友人と話して、改めて高校二年生の時代は楽しかったよなあ、全体的に楽しかったなあ、クラスも友達も日常も、みたいなことを話した。

そして私は手持ちがないので300円を借りた。

私の門限に近づいていたので駅まで戻った。

駅に着いた時、定刻まで残り2分。ズボンをずり落としながら走った。何とか電車に乗れた。そうして乗り換えて、私の最寄り駅まで着いた。友人のお金で買った切符を入れて改札を出る。

少し歩いていく。男性の交際者とLINEをした。朝の親切な女子高生についてだ。あのような優しい人がこの世にいることが嬉しいという話をした。
「私もそうなりたい。欺瞞やあざとさのない人間でいたい。」と言った。
なんかよい会話だなあと思った。

道端で、お弁当の残りのキウイフルーツが余っていることを思い出した。残してると祖父が悲しむかもしれないから、道端の街路樹の肥料になれば良いなと思ってカバンをごそごそごそごそゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソしてお弁当箱を取りだし、そして街路樹の根元に捨てた。

当時の岐路ではきのこ帝国の「雨上がり」➡️Tempalayの「SONICWAVE」➡️踊ってばかりの国の「ムカデは死んでも毒を吐く」➡️踊ってばかりの国の「water」が流れていた。

そうして家に着いた時、
財布がないことに気づいた。

本当に息が止まってしまった。

私は以前も財布をなくし、嫌な目にあったことがある。その記憶がフラッシュバックし、ああ、本当にもうダメだ。という気持ちに0.1秒ほどなった。

しかし、もちろん今日は以前のあの日では無い。
だから私は直ぐに頭の中で計画を立てた。まず家に入る。そして駅に電話する。次に警察に電話をする。そうして夕食を少量食べる。その後自転車にでものって探しに行こう。その計画を実行し、解決、ベストをつかみ取ろう。

幸運なことに、私は信じられないほどお金が無い。財布の残金は雀の涙とも言えない量だ。雀のおしっこくらいだ。とか思って自分の気持ちを落ち着かせに行った。

家に着いて駅と警察に電話をしたが、ないと言われた。

夕食を食べる。祖母がヒエ〜〜〜〜〜〜😱、とショックを受ける。私はそれに、お願いだから私の粗相に気を取られないで、どうか上を向いて生きてください、と身勝手に思ってしまった。祖父は、マイナンバーカードの紛失は個人の責任になってしまうから危ないと言っていた。(少し政府へのアンチをしていた)

ファストフード店にてちょっとご飯を食べたので食べたから全然お腹がすいていない。とりあえず自転車にでも乗って探してくると伝えた。

自転車置き場に行ったら、自転車がない。祖母に電話をしたら、なんかないって言われた。
先言いなさいよっ!

道端を歩くが、期待の場所に落ちていない。不安になってしまい、口が自然と嵐のHappinessを口ずさんでいた。
私は何回も言うけれど、人類が初めて歌を歌ったのは、喜びの歌ではなく、悲しみや不安を打ち消すための、音だったのではないかな。だってこれって本当に本当に切実だから。

駅に行き駅員に聞いてみたがないらしい。次に交番に行った。
交番には男性の若い警察官と女性の中年の警察官がいた。女性の警察官はハキハキしてすごい怖かった。男性は怖くはなかった。

財布の特徴を述べる。1番の特徴は青松輝の「4」の帯が入っていることなのでまずそれを言った。その後に、マイナンバーや保険証、銀行のカード、お金が全く入ってないこと、財布の特徴を伝えた。お巡りさんは裏に行ってしまった。

そして、財布を持った警察官が出てきた!👮🏻


あったので!
私は、


ぇわーーーーーーー‼️🤩笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑

と言ってしまった!喜びが抑えられなかった!抑えられなかった、、、、、、、、、、、、、、、、、、、

祖父から電話があり、私の方へ向かってくれていたらしいので、交番に来て欲しいと言った。

財布が己のものであるという証明のために、顔写真付きの身分証がなければならないらしい。
私のマイナンバーは家にあることが発覚し、祖父も今身分証を持っていなかったので、どうしよう、となったが、

「お孫さんですよね?」

「中原美緒は私の孫ですよ」😊

という会話で確認完了ということになった。
嬉しくて、泣きそうになってしまった。中原美緒はあなたの孫だから。

よく分からない書類を書いた。
私は住所がややこしいので2つある?みたいな感じになっている。私はそれを確認しながら、進める。
入っていたものを説明を受けながら書いていく、鍵、パスも、カード3まい、保険証、財布、
何個?と聞かれたので、、、、7😃と声に出して、書いた。

その後また住所を書く欄があり、私が横須、、、と呟いた時、祖父も横須賀、、、と呟いた。その時女性警察官が「わざわざ声に出さなくていいですよー」

「わざわざ声に出さなくていいですよー」

「わざわざ声に出さなくていいですよー」

「わざわざ声に出さなくていいですよー」

、、、、、、、😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😰😰😰😰😰😰😰😰😰😰😰💦💦💦💦💦💦💦💦💦💦💦💦💦💦💦💦💦🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️


私はそれでかなり心臓が抉られてしまった。
抉られてしまったので、書類を書き進めながら、なんで心臓が抉られてしまったのか考えてみた。

私が自然な感情の発露として無駄に沢山声を出してしまっていて、よく思わなかったのかとまず考えていた。よく思わない、というか、不自然で見ていられないのだろうか。と思った。私は加害をしていたのか。という気持ちになった。

きょうのはわわの大丈夫?派遣女性のことを思いだした。大丈夫?の言葉の意味がわからず、しかし彼女を咎めるような言葉が、私もちょっとしょんぼりしてしまったことを思い出した。

とにかく「わざわざ声に出さなくてもいいよー」がしんどくって、 結局財布を貰って家に帰っても引きづってしまった。




私はあざとさについて考えた。
男性の交際者は私に欺瞞やあざとさは無いと言ってくれたが、本当にそうだったのだろうか。

女子高生にお金を借りた時、私は明確に女子高生なら貸してくれるのではないか。と思ってしまっていた。友人にお金を借りることを前提に逗子にいってしまった。落とした財布が見つかって気分が上がってしまい、お喋りになってしまった。
ちょっと今日は許されようとしすぎてしまった。
あざとさについて、女性警察官は私に相応の反省を促すためにあの言葉を言ったように感じた。
今日たくさんの人に救われすぎた私を咎める言葉なのだと思った。

「わざわざ声に出さなくてよい」

私は基本的に、全ての物事を声に出したい、伝えたい、と思ってしまう。受験に落ちてからは特に、全てを事細かに話している気がする。私の思考回路や意識している理論についても声に出している。なぜなら心の声は聞こえないから。

私はあなたに言葉を尽くして説明したい物事が沢山ある。
でも、財布を落とした際に交番の中ではあまりお喋りにならない方がいい、と思った。何故ならここは私たちの税金により機能している公共の場であるし。
次に、いや、私たちの税金で回っているこの機関において私がおしゃべりになったっていいじゃないか。と思ってみたりもした。

でも多分本当に私が悪いんだろうな、幼稚であざとい人間だと、やはり思った。そういう1日だった
私はもっと外に出て観察をして経験をするのだろう。そうしたらあざとさから脱却出来るのだろうか。

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