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【日記】《ハイレグあり》

この日の私はまじほんとに何もしてなくて、それなのに食欲はいつもの4倍くらいあり、ただ食べてスマホ見て絵を描いて食べて食べてスマホ見て、、な生活だったわけで。私のQOLと自尊心はゼロに等しかった!
少し前に読んでいた吉本ばななのアムリタ(上)にて、少し太ってしまった主人公がプールに通うというシーンを思いだし、ほんとに4年ぶりくらいに、市民プールに行ったのだった。

5時前に家を出る。自尊心が限りなくZEROに近かったが、夕焼けになる前の空が綺麗すぎて私の幸福度が極限値までのぼる。ちょろすぎる。思わず泣きそうになりながら歩くと財布を忘れたことに気がつき家に取りに帰る。が、幸福度がMAXの私にとっては全く大したことでは無い。気を取り直して市民プールへ向かう。この道のりの最大の山場は約180段ある階段。である。。ちなみに市民プールのすぐ近くに私の通っていた中学校がある。つまり、私は毎日このヤバすぎる階段に昇っていたのだ。やばすぎる!ヒーヒーいいながら何とか登り切る。中学時代よりも楽に登れた気がする。重いリュックがないからだと思う。

この階段のふもとからラブホテルの裏側が見える。あまり見た事がないよな、ラブホの裏側。あと、私は小学校の通学路も中学の通学路もラブホテルがあって、面白い。高校周辺にはオシャレなカフェしかないけれども、大学はどうなのだろうか。。

市民プールに着く。小学校の時は160〜200円くらいだったような気がするのだが、大人料金は400円だった。200~300円くらいとかだと思っていたため、意外と高くてびっくり!1000円で映画を見れるのもあと少しかと思うと悲しい。(ちなみに東京芸術大学の生徒は美術館が無料なこともあるらしい、、、)

ここで述べなければならないことがある。私は昨年度買った若者な水着しかもっていないのだ!無論、この田舎の山の上にある市民プールに来ていかなければならないわけである。水泳帽とゴーグルは母のをお借りした。″若者な水着″と濁したが、普通に黒のビキニ、しかも少しハイレグめなのだ。

黒のビキニを市民プールに来ていいのだろうか◌⑅⃝*॰ॱᒄᵒᵏⁱ(꜆˘͈ෆ˘͈꜀)ᒄᵒᵏⁱ◌⑅⃝*॰ॱ
┣¨‡ ┣¨‡( > ·̫ <⸝⸝ᐢ )💗🎶
┣¨‡┣¨‡┣¨‡┣¨‡┣¨‡

などと思いながら着替えシャワーを浴び、そして足を踏み入れる、、、、

5:30ごろ。家族連れが2組、シニアの方が3~4人いる。ウォーキングレーンとフリーレーンと上級者レーンに分けられていた。本当に久しぶりのプールに緊張しつつ、とりあえずウォーキングレーンへ入水する。(今思えば準備体操をすべきだったな)
さすが温水プール、快適な温度。の中、とりあえず25mを往復。
最初はだらしのない身体をお見せするのが少し恥ずかしかったのだけれど、水の中に入ってしまえばそこまで気にならなくなった。

そしていよいよswimmingをする! 上級者レーンでは大きな欧米の男性がそれなりのペースで平泳ぎをしていた。彼が奥に行ったタイミングで恐る恐る上級者レーンに入り、クロールを試みる。久しぶりのクロール、これで合ってるのかな、フォームクソダサかったら嫌だな、などと思いつつ何周かする。もちろん早くは無い、てかちょっと遅い。欧米の男性も特別早くは無いけれど、私が遅いせいで彼の泳ぎを乱しては申し訳ないと思い何とか早く泳ごうとしました、、

私は別にそこまで泳げるタイプでは無い。スイミングスクールにも通ってはいなかった。がしかし、祖父と1ヶ月に1回プールに行っていたのだ。そんなあまり泳げない私にクロールのやり方を教えてくれた。小学2~5年生の間だった気がする。
おじいちゃんの言葉を思い出しながら泳ぐ。例えばクロールの息継ぎは頭をあまり出しすぎずやっても口に空気は入ってくるとか、手の指は閉じるとか、バタ足は股関節からやるのが良いとか、、うーん正直そんな覚えてないけれど、とにかく私がプールにて水泳ができるのはおじいちゃんのおかげなのだ。

好きな人、などと言うと示唆的になってしまうが、別にそういう感じじゃなくて普通に概念として好きな人と聞くならばこれだな。と思いながら作ったプレイリストである。

一人焼肉、一人カラオケ、色んなおひとりを経験してきたけど、1人市民プールはまだ無かったなあ。新しい経験をどんどんなくしていって人は大人になるのだな。としみじみ思った。

泳いでいるとたまに、自分が進んでいない、または大きな波に押されて後ろに下がってしまっている。という錯覚が起きることがある。何故なら、床面も引かれている太くて青いラインもすごく綺麗だから、ずっとそれを見ていると頭がバグってしまうのだ。その現象は疲れていくとどんどん起きるようになり、その度に私は面白くなってしまって泳ぎながら爆笑をしてしまった。

上級者レーンの人々はチラホラ入れ替わっていく。大きな欧米の男性のあとは、欧米の男性よりも泳ぎが早いおじいさんや、そのおじいさんよりも泳ぎが早いが背泳ぎがめっちゃ下手なガキ、私くらいのスピードのおばさん、等。色んな人が来たため、自分はここで泳いでいても大丈夫そうだなと安心をする。
私はあまり体力がないため、採暖室(裁断室ではない。40℃程に設定された、カスのサウナのようなものである。聞こえるか聞こえないかの音量でラジオが流れていた)でしばしば休憩を取っていた。体が温まっていく様は確かに温【オン】を摘んで体に蓄えていくようで心地よかった。

泳いでいるとやはり祖父との思い出が蘇ってくる。少し前に亡くなってしまったのだけれど。祖父は聡明で体力が私の父よりもあったな、みたいなことをずっと考えていた。祖父と一緒にプールに行っていた際に、25mを20秒くらいで泳いでいたことを思い出した。70半ばの老人にしては絶対早いだろ。ちな私のパパは泳げないらしい。(わらわら)
思い出しながら私もタイムを計ってみたら30秒でした。本気出して30秒、、多分遅い、、
祖父の聡明エピを1つ輩出したい!私は中学1~高校1年生まで定期的に祖父の家にて数学と英語を教わっていた。祖父は高校の数学教師だったのだ。なんと数学の教科書も作っていた。だから教科書の1番後ろのページに名前が記載されている教科書がある!ほんますごい。もうここで凄いけど。
そんな祖父は多岐にわたり知的好奇心があったのだろう。ある日私にふと渡してくれたノートに象形文字の解読と文法についての説明が書かれていた。驚きとともに、今も象形文字読めるの?と聞くと、今はもう無理かな〜💦と返答された。象形文字今は読めないってなんだよ、面白い。人生で1回は言ってみたいなと思う。

これ高い?低い?普通?

吉本ばななのアムリタ(上)の主人公は、ダイエットに成功したあともプールに通い続けていた。泳ぐと心地よいというか、日常の1部だった水泳を無くすのは違和感であり泳ぐと気持ちが楽になる。みたいなニュアンスだった気がする。(今訳あってこの本は渋谷にあるから私には確認するすべがない)この本はとても面白いので是非皆様に読んで欲しい。
この水泳のくだりは数ページしかないけどなかなか印象的だった。
そしてその気持ちは何となく分からないでも無いなと思った。少なくとも私たちにエラ呼吸の機能がなくて良かったなと思った。泳ぐとき、
・十分な呼吸は出来ない・水にはいると楽しい・運動おもろい   から沢山思い出せるし考えられるしなんかずっと不思議な音がしているからずっと楽しかった。そして、呼吸が可視化され続けるのは変な気持ちだった。

このプールはまあまあ新しくて綺麗であり、大きな窓ガラスが設置されていた。夕方から夜にかけて空が暗くなっていく様はとても綺麗だったし、そこから私の母校が見えるので、なんともエモーショナルな気持ちになってしまった。

8:00。出水

【出水】大雨などで河川の水があふれ出ること。でみず。

しゅっすい、て言葉はないみたいだね。。。

ともかくプールから出て、着替えて、私はこの市民プールを去った。

外に出るとすごく気持ちの良い、風か風じゃないかわからない空気が私を襲ってきて本当に涙が出そうになった。私にとって風が大きなものであると再確認した。音楽を聴こうか聴かないか迷ったけど聴くことにした。先程のプレイリストをシャッフル再生したら、羊文学のワンダーが流れてきて、流石に・納得・解釈無料・全能感  で頭がクラっとした。
私は去年の秋くらいに羊文学を聴き始めたから、寒い季節の羊文学しか聞けてないけれど、暑い時に聴く羊文学も私はこれから聴けるんだなと思うと本当に嬉しかった。

1日の価値を上げることが出来て私は嬉しかった。今日も良い日だった。

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