目まぐるしい生活をゆっくり過ごす、自分との約束事

いつもより不規則な一週間だった。
金曜日、リモートワーク。退勤したのは19時頃。そして時計を見るといつのまにか23時。
何をしていたかと問われると口ごもってしまう。何をしていたっけ…？
わたしにはよくない癖があって、ついだらだらとインターネットの海を泳いで時間を溶かすのだ。今に始まった話ではない。
最近の夜はあっという間だ。気がつけば睡眠ゴールデンタイムと言われる22時を過ぎている。シャワーも浴びていないというのに。予定があって帰宅して遅くなっているわけではない。原因は明らかで、たぶん、むやみにインターネットを巡回する小さな時間が積み重なっている。
そういう時はたいてい、雑念があったり集中力が欠けていたりする。つかみどころのないストレスの産物だ。

「他の会社だと最初の数ヶ月は”まずできるようになれ”って言われるよ」と主治医に言われた。診察室での他愛無い雑談だ。
ありがたいことに今のわたしは様々なことに挑戦させてもらっている。入社して2ヶ月足らずとは思えない。もう2ヶ月というより、まだ2ヶ月という感覚。
半ば自分でタスクを増やしているところはあるけれど、それでも多くのチャンスをもらっていると思う。色々やりたい！と言いながら飛び込んだ環境、想定していなかった種類の”色々”が加わってとても楽しいことになっている。
ほんとうに楽しくて、それなりにぎゅっと追われていて、それはもちろん幸せなことだ。とはいえ心身はびっくりしていると思う。自分自身とはちょっと離れた、自分の心身。自覚できないところにある健康状態。
この2ヶ月でわたしの身に起きたのは紛れもない「変化」だ。 変化とはたとえよいものでも、ストレスとなることには違いない。

自分をいたわる、自分との約束事

きっとこの生活はもっと加速する。そして常に変化していくのだと思う。
今分かってきたのは自分のルーチン・やり方を決めておくのはむずかしいということだ。自分の状況も気持ちも変わっていく。
ただでさえ不安定な自分の心身。様子をうまく見ながら、忙しい生活にゆっくり自分を馴染ませる必要がある。
そのための”自分をいたわる約束ごと”をここに記しておこうと思う。

• 7時間は寝る。むりして早起きしないこと。
  せっかくのフレックス制度。毎日きっちり同じ時間に仕事を始めなくていい。パフォーマンスのためには柔軟に過ごすことの方がだいじ。
  いつも8時前後に出勤していて早い方なのだから、それでちょうどよいくらいだ。
  7時間はわたしの指標で、このラインを切ったら一日の効率が落ちるよねーと分かってきたところ。まあでもたまには短くなってもいいよね、くらいのゆるさでうまくやる。

• 結果をだいじに代替案を選ぶ。自分のルールにしばられないこと。
  毎日運動したり、勉強したり、他にもいろいろと習慣化できていることがある。ものすごくいいことだ。いいことだけれど、そのための時間をむりして確保してる感覚がたまに起きる。 何かをやるということは目的がある。それを満たしさえすればやり方にしばられる必要はない。（睡眠もしかり。睡眠は目的ではなく手段。）
  毎日20分動いているけれど今日は時間ない！じゃあ5分にしよう。次の日に細かくでもなるべく動こう。これでいい。0になるよりずっといい。手段はいくらでもあるし、こうやって自分の知っている手段を増やしていけばずっと困らないはず。 何かを始めて継続する力がついてきたことは十分すごい。流動的にうまくやる力を身につけたいなあと思う。

• 心よりも身体を考える。あとからきっといい気分になれる。
  ちょっと気を抜くと間食が止まらない。なんとなく口さみしいなー…って、そういう”気持ち”になっている。だけど身体はお腹空いているわけでもなく、何かの弾みで気持ちが食べ物を求めてしまっている。そして食べ過ぎて満腹になったり。
  わたしはこういうことが度々起こるから、身体はほんとうに食べ物を求めている？と考えるといいのだと最近気づいた。常に適当に食べるより、未来の空腹な自分のために好きな食べ物を選ぶことの方が圧倒的に心身にとってうれしい。
  これは食べることに限った話ではないと思っていて、”今やりたいこと”がほんとうに自分をいたわるのかと考える癖をつけたい。常に自分のためを思うのは楽しいことだ。

変わり映えのあるようなないような日々から、目まぐるしい日々になった。わたしにとっては今まで感じたことのない新しい世界。
ずっと中途半端になんとなく生きてきた自分を変えたいと思っていた。そうして約一年かけて今の環境に飛び込んで、取り巻く景色ががらりと変わった。今ここで力を抜いちゃだめで、だけど自分をしっかりいたわりながらうまく過ごさなくてはと考えている。自分の平均速度を上げてゆるやかに、全力で。ひとまず今日はおいしいスープでも作ろう。